サッカーは美しくなければ
週末だというのに、二日連続仕事。土曜日は江古田まで出かけて、それが終わってから高校時代のクラス会。夜中に帰宅して風呂に入ると、サッカーのアジアカップ決勝戦。これを見ないで寝るという選択はなかった。今日の仕事も顧みず、延長戦終了まで眠い目をこすりながら観戦したのである。勝って優勝したからよかったけど。
で、本日の日曜も朝から仕事。今度は水戸方面である。北に向かうとやはり寒い。それに寝不足だから、車のハンドルを握るにも緊張する。帰りは雪になりそうという情報もあったが、幸いそうはならず、ようやく帰ってきた。それで、明日は朝からまた都内にでかける。考えてみれば、今年になってから三が日以外は休んでいない。相変わらずの暇なしだ。
それにしても、昨夜の(じゃない、日本では今日になってからの)サッカーは興奮した。実力から言えば、プレミアリーグのレギュラー選手を 3人も抱えるオーストラリアの方が上と言っていいのかもしれない。事実、高さに勝る攻撃力で、日本はゴール前に押し込まれるシーンが目立った。
それをしのぎにしのぎ、延長後半のあの素晴らしいゴールで優勝を決めてくれた。長友選手の左サイドでの動きは始めから素晴らしかったが、最後のあのシーンは秀逸だった。本当に本当に、心のこもったふんわりとしたクロス。ノーマークになった李が、芸術的なボレー(格闘技好きの私は「回し蹴り」と言いたい)で決める。ぴくりとも動けない GK。
ああ、あのシーンを何度脳内ビデオでスロー再生したか。美しいゴールだった。準決勝の日韓戦で、延長後半終了ギリギリに韓国が決めた、どさくさ紛れのこぼれ球がたまたま入ったみたいなのは、やはりおもしろくない。わが先輩 alex さんによると、あの手のゴールは昔、「百姓一揆」なんて言われていたらしい (参照)。
昨日の決勝ゴールは美しかった。あの美しさなら、負けた方も納得いくだろう。ラグビーの精神的な美しさと違い、サッカーではやっぱり、形としての華麗なまでの美しさを見たいのである。日本代表、課題はまだまだあるにしても、進化したなあ。
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コメント
「ご紹介にあずかりました【百姓一揆】ですが
昔々(笑)、私が子供の頃、早稲田大学のサッカーの戦法が、そう呼ばれたのです
昔の日本のサッカーなんて、本当に下手で、パスが三つ、連続でつながると奇跡だった(笑)
私の元妻(欧州人)が来日してしばらくして、テレビでサッカーを見ていて、私に「この試合は、高校生の試合か?」と尋ねる程レベルが低かった(涙)
しかし、その試合は、当時の日本の最高峰の(笑)実業団の試合だったのです(笑)
だから、さらにその遙か昔の日本のサッカーは幼稚で、早稲田大学の得意の戦法は、ロングキックを蹴り込むと「うわ~!!」っと、全選手が敵陣になだれ込むという単純で粗野なもの
過日の日韓の準決勝での、最後の韓国軍の「来襲」は、まさしく、そんな感じでしたね
美しくない(笑)
李忠成選手のボレーは、選手が一生に一回、蹴れるかどうか?というぐらいのスーパーボレーでしたね
それまでも、日豪共に、チャンスは色々ありましたが、最後にあの美しいゴールで終わって、決着としては、みんな納得でしょう
しかし、ひたすら走り続け、最後にあのピンポイントのクロスをあげた「人間機関車」(古い)、「永久機関」(笑)長友選手がMVPだとも思います
投稿: alex99 | 2011年1月31日 01:12
韓国戦の同点ゴールも長友の突破からのファインゴールで、
セットプレーからしか得点できないと言われていたのが嘘のような、
画に描いたような綺麗な流れの中からの得点でした。
その点について評価する意見がもっとあっても良いように思っています。
投稿: ちいくま | 2011年1月31日 08:54
>韓国戦の同点ゴールも長友の突破からのファインゴールで、セットプレーからしか得点できないと言われていたのが嘘のような、画に描いたような綺麗な流れの中からの得点でした。
その点について評価する意見がもっとあっても良いように思っています。
---
ちいくまさん
横レス失礼いたします
私も、同意見で、ザックの最大の功績は、決定力不足(皆無?)(笑)と言われ続けた日本に、攻撃力を持たせたことだと思っています
縦へのスピードを重視するザックの指揮で、岡崎のスピード、長友の駆け上がり、長谷部・遠藤の敵陣を切り裂く縦のスルーパスなど、見違えるばかりです
従来は勇気のない横パスが日本チームのお家芸?でしたが、観戦が楽しくなりました
投稿: alex99 | 2011年1月31日 10:14
alex さん:
「百姓一揆」の由来のご説明、ありがとうとございました。
(まさに言い得て妙ですね)
>しかし、ひたすら走り続け、最後にあのピンポイントのクロスをあげた「人間機関車」(古い)、「永久機関」(笑)長友選手がMVPだとも思います
まさに同感です。
長友は素晴らしかった。
走るだけでなく、1対1 の競り合いにも強かった。
投稿: tak | 2011年1月31日 13:01
ちいくま さん:
管理人のレスの方が alex さんより遅れて、失礼しました。
私も alex さんと同じ意見です。
日本代表、一皮むけた感じですね。
投稿: tak | 2011年1月31日 13:03
サッカーには純粋な勝負論とは別に、美しいとか楽しいとかいったベクトルの価値観がたしかに存在してますね。
もちろんその楽しさや美しさは、勝負に徹しているからこそ生まれるわけで、そのあたりの微妙な倒錯も含めてサッカーなのかな、と。
ともあれ決勝の李のボレーシュートと長友のラストパスは、本当に綺麗でした。
ドイツW杯時の「急にボールが来たので(QBK)」とか、あの時代が本当にウソのようなスピードと展開力。さらにオージーの空中殺法を無失点で抑えたディフェンスも評価してもいいと思います。多少バタバタしてはいましたが。
個人的には私もMVPは長友ではないかと思ってます。永久機関とは、まったく言い得て妙です。<alex99さん
投稿: S太郎 | 2011年1月31日 13:11
S太郎 さん:
>もちろんその楽しさや美しさは、勝負に徹しているからこそ生まれるわけで、そのあたりの微妙な倒錯も含めてサッカーなのかな、と。
そうそう。そうですね。
>ドイツW杯時の「急にボールが来たので(QBK)」とか、あの時代が本当にウソのようなスピードと展開力。
そんな時代もありましたね (^o^)
最近は途方にくれての横パスとかが減って、ちゃんとした意図をもったパスが華麗に通ったりするので、見応えがあります。
>個人的には私もMVPは長友ではないかと思ってます。永久機関とは、まったく言い得て妙です。<alex99さん
ウチの娘なんか、「アタシのナガトモォ!」と応援してますよ (^o^)
投稿: tak | 2011年1月31日 14:58