風力発電への疑問
CO2 を出さないエコな発電ということで注目されている風力発電だが、私はとても疑問視している。壊れやすい、バードストライク(鳥が衝突すること)、低周波による健康被害など、問題が多すぎる気がするのだ。
私が「風力発電って、ダメなんじゃないの?」と直観的な疑問をもったのは、数年前に遡る。私の故郷、酒田市に帰るとき、庄内町の「風車村」という施設の側を通る。ここには風力発電用の風車が何基か立っているのだが、全部揃って回っているのを見たことがない。
同じ「風車村」に林立しているのだから、大体同じ風を受けているはずだ。それなのに、順調に回っているものもあれば、のったりとしか回っていないものもあり、はたまた、全然回らないで止まりっぱなしのものもある。回せば回すほど発電できるのだから、意図して止める理由もない。ということは、動かないのは故障してるんだろう。
そう思いながら、東京有明から彼方に見える風車を見ても、まともに揃って回っていることがない。あるものは回り、あるものは止まりっぱなしだ。やっぱり、風力発電というのはまともに稼働させることがものすごく難しいんだろうなあと思うばかりである。
技術的な困難さに加えて、風力発電の周囲では低周波による健康被害が頻発していることが心配だ。バードストライクがよくあるというのも、低周波の影響で鳥の感覚がおかしくなってしまった結果かもしれないと、私は疑っている。
新潟県上越市の風力発電も、使い物にならなくて赤字の垂れ流しと報告され、そうした例は上越市だけではないという(参照)。これほどまでに稼働率が悪くて、健康被害が報告されているシステムを、国が補助金を出してまで作らせているのが、私には理解できない。
そこに感じられるのは、エコのためにいいのかどうかではなく、単に政治的な利害関係だけである。補助金をもらいさえすればいいと思って作っても、まともに稼働しなくては、赤字を生むだけだ。赤字が困るからとて取り壊せば、莫大な解体料がかかり、さらにもらった補助金も返納しなければならないという。
これでは、儲かるのは風力発電システムの業者だけだ。作り逃げして、あわよくば修理代でまた儲かってしまう。
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コメント
おはようございます~
そうだったんですかぁ~~!
わかりませんでした。
投稿: tokiko68 | 2011年3月 7日 08:56
うーん。
takさんがおっしゃってるような問題もあるのでしょうが、他の発電方式にしたって同じことなのではないでしょうか。
風力発電は、ブレードが回ってないのが見えたり音や振動が感じられたり、各地域における反対派や推進派の争いも比較的見え易いという特徴があると思います。また、風力発電は、運用面を含め、まだ歴史の浅い技術であることも考慮すべきだと思います。
原子力、水力、火力、太陽光などは、稼働状況、環境への影響、さまざまな社会的コストや地政学的リスク等が短期的には見えにくいだけのような気がします。
長い目で見れば、風力は電源の分散化に寄与する比較的ローコストな手段として、色々と有用な特長もあると思います。
ところで、「作り逃げ」という意味では、原発は究極の作り逃げです。深刻な事故があった場合、責任はメーカーで負いきれるものではなく、社会全体が負担することになるからです。日本国内ならまだしも必要悪として観念してもらえる部分があるとしても、海外で造った原発だとどうなるんでしょうかね。海外受注を日本政府が支援するのしないのという話がありますが、設置先で大きな被害が出て責任のなすり合いが始まったら、「外国のダーティ・エネルギー企業」とか「それと結託した外国政府」というのは真っ先にスケープゴートにされるような気がするのですが。
投稿: きっしー | 2011年3月 7日 11:02
tokiko68 さん:
いやいや、
私も確たる根拠があって言ってるわけじゃないんで、及び腰なんですがね。
投稿: tak | 2011年3月 7日 19:32
きっしー さん:
>他の発電方式にしたって同じことなのではないでしょうか。
確かに、風力発電の場合は不具合が目に見えやすいので、やり玉に上がりがちですね。
>「作り逃げ」という意味では、原発は究極の作り逃げです。
それは、確かにその通りですね。
大体、補助金で作られたものって、大抵「作り逃げ」の場合は多いんですが、原発はその代表でしょうね。
細かい不具合は、メーカーが必死でメンテしているようですが、メンテが追いついているのかどうかは不明です。
投稿: tak | 2011年3月 7日 19:37
風車への疑惑は誰でも持ちますよね。むしろ問題は全てが廻ってしまうと使い切れない電気が発生することです。毎日肉眼で視界に入る風車は十五機以上あると思いますが、そのうちで回転が確認できるものは二つで、それが双方盛んに廻っているのは枝の強く揺れる風音のある強風のときだけです。
核からエコエネルギーへの転換の進んでいるドイツでもエコ率を更なる十年で、その割合を二割から四割へと増やす場合、全体の供給システムの方がエネルギーを発生させることよりも重要になります。そもそも核エネルギー自体が安全確保や死の灰問題での経済問題ですからね。
空気を伝わる音に関しては昔の風車ぐらいでしか経験していませんが、低周波発生はモグラ退治にも使われているぐらいですから、やはり人間にも快くないものかもしれません。
個人的には核エネルギー反対派ではありませんが、視界から水蒸気塔の湯気が消えるためなら節電を厭いません。
投稿: pfaelzerwein | 2011年3月 7日 19:41
pfaelzerwein さん:
>むしろ問題は全てが廻ってしまうと使い切れない電気が発生することです。
へぇ、驚きました。
それは無駄な投資ということではないでしょうか。
まさに「作り逃げ」。
>個人的には核エネルギー反対派ではありませんが、視界から水蒸気塔の湯気が消えるためなら節電を厭いません。
ドイツですら、風車を全部回して原発を減らすというまでに至っていないのでしょうか。
不思議な経済原則。
投稿: tak | 2011年3月 7日 23:48
電気が溜められないのは原発でもなんでも同じです。だから、ユーラシア・アフリカ北部を含めての高圧供給ネットが必要になるのです。近年合衆国でも欧州でも頻繁に起きている大停電は、原発の制御棒の抜き差しだけでは対応出来ないということです。
ドイツで停める予定になっている原発を延長無しに全廃するには、まだまだ風車が必要で、北海を中心に海の中にまで建造しないといけません。
上でも触れられていたように太陽熱やら様々なエコ発電を加えての安定供給の体制の構築は、原則は兎も角、家族一台の電気蓄電器付き自動車などと、新経済市場開拓の最前線に間違いないでしょう。
日本では福祉・環境は結局経済にならないとかの声が大きいようですが、それが本当ならば研究開発投資をしている世界の有力企業の触覚が狂っているということになります。というか、脱原発とその経済的処理、将来の核エネルギー政策における日本政府の取り組み方がどうも怪しい。
投稿: pfaelzerwein | 2011年3月 8日 04:54
pfaelzerwein さん:
私は結局、太陽熱発電が一番将来性があるんじゃないかとみてるんですが、どうなんでしょうね。
オイルはどうせ、そのうち掘り尽くすんだし、原子力は問題ありすぎだし。
投稿: tak | 2011年3月 9日 00:47