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2011年4月15日

追憶の Nifty-Serve

Nifty が開設 25周年を迎えているんだそうだ。その記念サイトが立ち上がっている。設立されたのは 1986年 2月 4日ということだが、パソコン通信(なんて懐かしい響きなんだろう)の NIFTY-Serve が発足したのが、その年の 4月 15日だったのだそうで、それを記念して、当時のパソコン通信の画面を追体験できるページができている(参照)。

あまり懐かしい画面を見てしまったので、今日はちょっと昔話をしてみよう。私が自分の PC を買ったのは、多分 1993年の春だったと思う。OS は Windows 3.1 の時代だ。それまでは、勤務先では MS-DOS ベースのパソコンを使い、個人的にはワープロ専用機(OASYS)を使っていた。

勤務先で DOS コマンドにうんざりしていたので、個人的にまでそんなものを使う気になれず、ワープロ専用機を使いながら「マックでも買おうかなあ」なんて思っていたところに Windows マシンが出た。それで、勤務先との互換を考えてこっちの方に飛びついてしまったのだった。

「あれからもう 18年も経ったのか」と思う反面、「まだ 20年経っていないのか」とも思う。この間に PC は体の一部というぐらいに必需品になったかと思うと、今度はあっという間に iPhone の使用頻度が高まって、さらに早く iPad 2 が欲しくてたまらないというところまで来てしまった。時代の変化は早い。

93年に Windows マシンを買って、すぐに NIFTY-Serve に入会した。当時はインターネットがまだまだ一般化しておらず、個人ベースで利用できるネットワーク・サービスといえば、パソコン通信の NIFTY-Serve と NEC の PC-VAN ぐらいしかなかった。私はワープロ専用機の OASYS 時代からの行きがかりで、NIFTY-Serve の方を選んだというわけだ。

NIFTY-Serve がどんなものかは、冒頭に紹介した追体験ページで知ることができるが、実際には、画面上でいちいち手打ちでサービスを選択して入るなんてことはしなかった。当時は今のような常時接続サービスなんていうのはなくて、いちいちダイヤルアップでアクセスポイントにつないでいたので、そんなことをしていたら通信料がかさんでしまう。

私は Nifterm というソフトを使っていた。これはNIFTY-Serve の中を指定したとおりに自動巡回して、新たなメールやフォーラムの書込みをダウンロードしてくれる。普通は 1分以内でダウンロードが終了するので、そこでいったん接続を切り、ゆっくり読んでレスを書いてから、また改めて自動巡回させて、今度は書いたばかりのレスをアップロードする。

ゆったりとネットサーフィン(この言葉も死語に近いなあ)できるようになったのは、Flets ISDN の定額接続というものができてからである。さらに私の「知のヴァーリトゥード」という個人サイトがスタートしたのは、つくばのこの辺りまで ADSL が普及して Flets ADSL になった 2002年冬のことだ。

そしてこの頃には、NIFTY-Serve なんてまどろっこしいものを使う気には全然なれず、放りっぱなしにしているうちに、2006年には廃止になってしまった。パソコン通信が廃止になっても、全然困らなかった。もうすっかり時代が変わっていたのである。

だから今回の追体験ページを見た印象は、ずいぶん昔の懐メロを聞いたような感じだったのである。

 

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コメント

本当に懐かしい黒い画面に白い文字(^^;)

僕もちょうど93年にWin3.1で始めました。

あのころはモデムだったのでピーーーガァーーってネゴシエーションして、1200bpsだったかな?ダウンロードするのを全て同じ速度で読めたものです。

18年・・・。パソコンの世界では3年ぐらいで一昔だと思うので、もう6昔。
本当に大きく変わりましたね

投稿: 蝠樂亭 | 2011年4月15日 21:55

私は、東芝が世界初のラップトップ(死語)を発売してすぐ買いました
ラップクラッシャーという別名があるほど重かった
携帯電話の初期を考えてみてもらえばわかります
ms-dosでしたが、統合ソフト(OFFICEが1本になったようなもの)を使えば、ウィンドウライクに使えました
しかし、あの時代はNECの98の全盛時代で、疎外感を感じていました

投稿: alex99 | 2011年4月16日 04:12

蝠樂亭 さん:

>あのころはモデムだったのでピーーーガァーーってネゴシエーションして、1200bpsだったかな?ダウンロードするのを全て同じ速度で読めたものです。

「ピーーーガァーー」 という音を、「パソコン通信の音」 と思っていましたが、インターネットになっても同じ音でした (^o^)

>18年・・・。パソコンの世界では3年ぐらいで一昔だと思うので、もう6昔。

人間の方でもあっという間に慣れて、新しい環境が当たり前の日常になってしまうのが、コワイといえばコワイですね。

投稿: tak | 2011年4月16日 08:17

twitter やってると、たまに昔のチャットを思い出します。
昔ほど、キーボードが早くないし、さすがに、みんな即時に返事は返さないけど。

投稿: luckdragon2009 | 2011年4月16日 08:21

alex99 さん:

>私は、東芝が世界初のラップトップ(死語)を発売してすぐ買いました

それは早い!

税関で "Is this laptop?" と聞かれて、「ラップトップ」という言葉は、米国ではまだ生きているんだと知りました。

>しかし、あの時代はNECの98の全盛時代で、疎外感を感じていました

私も職場で使っていたのは 「AX 規格」 というやつで (外資系だったもので、NEC 98 はアウト)、使えるソフトが 「一太郎」 と 「Lotus 1-2-3」 以外にほとんどありませんでした。

「お古を 1000円で払い下げる」 という通知にも、誰も反応しませんでした (^o^)

投稿: tak | 2011年4月16日 08:27

luckdragon2009 さん:

>twitter やってると、たまに昔のチャットを思い出します。

その雰囲気は確かにありますね。
というか、Twitter をゆったりとしたチャットのためのツールだと思っている人もいるような気がします。

投稿: tak | 2011年4月16日 08:38

Nifterm もなつかしいことばですね。わたしも使っていました。
わたしの最初のパソコンは、Basic が OS で、ハードディスクのない MSX という 8 ビットパソコンでした。漢字は使えないし、プログラムを作っても電源を切ると消えてしまうという、今からすればオモチャ以下の製品です。音楽用カセットテープに記録することはできたのですが、そこまですることはあまりありませんでしたね。

投稿: たんご屋 | 2011年4月16日 09:01

たんご屋 さん:

>わたしの最初のパソコンは、Basic が OS で、ハードディスクのない MSX という 8 ビットパソコンでした。

それはかなりのものですね。

PC98 からという人はいくらでもいますが、MSX からという人は少ないです。

投稿: tak | 2011年4月16日 20:42

実は私も、MSXを持っていたのですが、使いこなせませんでした
と言うか、玩具的で、ゲームなどには面白いものだったかRも知れませんが、ビジネス用途には、全く向かなかった

投稿: alex99 | 2011年4月16日 22:10

alex さん:

alex さんも MSX やってらしたんですか。
すごいなあ。

投稿: tak | 2011年4月16日 22:47

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