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2011年5月27日

ずいぶん早めの梅雨入り発表の意味

気象庁が関東甲信越地方の梅雨入りを発表した。昨年より 12日も早く、1951年の統計開始以降、63年の 5月 6日に次いで 2番目に早い梅雨入りなのだそうだ。

このところ 6年ほど気象庁が関東の梅雨入りを発表すると、早ければ翌日から、遅くても 2日後からからっとした晴天が続くという痛いパターンが続いていた。それは私の和歌ログの過去ログを見てもらえばよくわかる。平成 17年以後はずっとそんな繰り返しできている。

ところが今年はそんな心配はなさそうだ。少なくとも週明けまでは雨が降って、その後もはっきりしない天気が続きそうである。これで「気象庁が梅雨入りを発表すると、とたんに天気がよくなる」というジンクスは破られそうだ。

これまでは、梅雨入りを発表する前にしばらくじとじとした雨の日が続き、気象庁はそれを受けてというか、満を持してというか、そんな形で梅雨入りを発表していたような気がする。すると大抵タイミングが遅すぎて、すぐに梅雨の中休みみたいな状態になってしまっていた。

今年はこうした痛恨のパターンが継続するのを避け、慎重に満を持すのを止めて、台風の大雨が確実な週末の前に、早めに梅雨入りを発表してしまったのだろう。これで気象庁への信頼は少なからず回復するに違いない。

気象庁が早めの梅雨入りを発表した裏には、もう一つの事情があると思う。それは 3月の震災以後にずっと余震が続いてきたために、東日本の各地で地盤がゆるんでしまい、ちょっとした雨で土砂崩れが心配される状態になっているためだろう。早めに梅雨入りを発表したことには、そうしたリスクをそれとなく意識させるという意味がある。

気象庁、今年の梅雨入り発表はなかなかグッド・ジョブだと思う。なにごとも思い切りが肝腎だ。

 

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自然・環境」カテゴリの記事

コメント

梅雨はともかく、季節は旧暦で考えると実態に合いますね
正月が立春、箏曲の「春の海」など、旧暦の季節感でなら納得です
来年は、農村向けの旧暦が載っている日めくりカレンダーでも買おうかと(笑)
フリーソフトでもありそうですね

投稿: alex99 | 2011年5月28日 02:42

alex さん:

芭蕉が 「五月雨を集めてはやし最上川」 と詠んだ 「五月雨」 は、「五月の雨」 ではなくて梅雨の雨だったんですね。

旧暦だと、ちょうど梅雨時が五月になります。
(今年はたまたま、5月に梅雨入りしましたが)

同様に 「五月晴れ」 は、新暦 5月の気持ちのいい晴天ではなく、「梅雨の合間のちょっとした晴れ間」 のことを意味していたんですが、最近は本来の意味はほとんど失われました。

私の生まれた地域では、ひな祭りでも七夕でも、月遅れで祝いますが、それでも、ほとんどの年では早すぎるぐらいです。
(旧暦は平均すると、新暦より 1ヶ月半近く遅れますから)

東京に出てきて、寒いうちからおひな様を飾って、彼岸のずっと前にさっさとしまい込んでしまったり、梅雨も明けないうちに七夕を祝って、織姫と彦星の逢瀬を邪魔したりする風習を目の当たりにして、これは悪意の産物に違いないと思いました。

投稿: tak | 2011年5月28日 09:18

tak shonaiさん
中国人・韓国人は、旧暦を捨ててしまった日本人と違って、まだ旧暦をうまく使っていますね
正月・お盆などは完全に旧暦で祝う
その点、日本人は旧暦を捨てる事までして、「脱亞入欧」をしたかったのでしょうかね

それにtak shonaiさんのように、和歌や俳句を詠む人にとって、新暦とはなんとも邪魔な(笑)ものでしょう
俳句の歳時記などは、新暦・旧暦どうなっているんでしょうね


投稿: alex99 | 2011年5月28日 10:18

alex さん:

私も旧暦をこんなにまで捨ててしまう必要はなかったと思います。

>俳句の歳時記などは、新暦・旧暦どうなっているんでしょうね

歳時記は概ね旧暦主義のようです。
例えば、「七夕」 は秋の季語ですから。

投稿: tak | 2011年5月28日 20:34

日本で旧暦にみれんがなかったのは暦はいわば輸入文化で暦の内容はあまり関係なかったせいではないでしょうか。
 暦を一種の道具と考えて便利なほうをとっただけのような気がします。太陽と月の動きを連動させた暦を毎年分作ることを考えると陰暦をやめた気持ちは分る気がします。ちょうど改暦の準備中だったのでここでも思いっきり良くやっちゃったようです。
 それでもイスラム暦のような生き残りかたもありえたのにしなかったのは季節が分ればどうでもよかったんでしょう。

 とはいえ「大阪の陣」で夏・冬言われても旧暦で想像しないと季節感ありませんね。
 
 
 

投稿: GOHANDA | 2011年5月29日 02:25

GOHANDA さん:

>日本で旧暦にみれんがなかったのは暦はいわば輸入文化で暦の内容はあまり関係なかったせいではないでしょうか。

>ちょうど改暦の準備中だったのでここでも思いっきり良くやっちゃったようです。

いきなり正月がずいぶん早くなったので、庶民は餅つきやツケの払いに大わらわだったらしいですね ^^;)

>暦を一種の道具と考えて便利なほうをとっただけのような気がします。太陽と月の動きを連動させた暦を毎年分作ることを考えると陰暦をやめた気持ちは分る気がします。

とはいえ、今でも旧暦はひっそりと続いているわけですからね。手間は同じです。
ただ、公的に二通りの暦を発表するのがうっとうしいということだったんでしょうかね。

投稿: tak | 2011年5月29日 11:49

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