心の痛みは体の痛み
多くの病気がストレスによって引き起こされるというのは、今では医学の常識になりつつある。昔から「病は気から」といわれる通りなのだが、この諺は、これまで考えられていたよりもさらに真実に近いということが、最新の研究で明らかにされたのだそうだ。
CNN の記事に "To the brain, getting burned, getting dumped feel the same"(火傷も心の悩みも、脳には同じに感じられる)というのがある。初めの方を翻訳してみよう。
fMRI を使った最新の研究により、熱いコーヒーで火傷した時に活性化する脳のネットワークは、恋人にふられた時にも同じようにスイッチが入るということがわかった。
言い換えれば、脳は肉体的苦痛と精神的苦痛をきちんと区別しないということで、離別による心の痛みなどというのは、単なる喩え以上のものなのだ。
拒絶や感情的トラウマによる感覚は、繊維筋痛などの慢性的苦痛を伴う病気を進行させることがあるというのである。この研究を主導した Ethan Kross 博士は、「患者が心の痛みにこだわっていると、自分の慢性的病気に悪影響を与える」 と語っている。
まさに「病は気から」という以上のもので、「心の痛みは体の痛み」と言ってもいいぐらいのようなのだ。周囲を見回すと、こう言っちゃなんだが、過去の問題にいつまでもうじうじとこだわるタイプの人ほど、痛みを伴う慢性病を抱えていることが多いという印象がある。逆に、そんなことにこだわるほど暇じゃないという人は、あまり病気しない。
この記事では、慢性病の進行に関連する心の痛みの代表的なものは「拒絶」 (rejection) によって生じるものとしている。つまり、冷たい態度は相手の心だけでなく、体をも傷つけてしまうようなのだ。ということは逆に、愛はすべてを癒すということもできる。心しておく必要がある。
私がかくまで健康でいられるのは、あっけらかんと大雑把な性格の賜物であったのだと、今わかった。そしてさらに、もうちょっと愛情が深ければ、周り中の人たちにも健康を分けてあげられるかもしれない。精進するとしよう。
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コメント
>そしてさらに、もうちょっと愛情が深ければ、周り中の人たちにも健康を分けてあげられるかもしれない。精進するとしよう。
そうか、健康って分けてあげられるんだ。いままで逆をやってきたかもしれない。私も精進します。
この最後のひとひねりには、心打たれました。
投稿: ハマッコー | 2011年6月13日 20:48
ハマッコー さん:
イエス・キリストがあれだけ多くの人を癒したのは、むちゃくちゃ愛深くて、一切拒絶しなかったからなんですね、きっと。
投稿: tak | 2011年6月14日 01:13
こんばんは~
良いおはなしありがとうございました。
私もいつも周りの皆様に愛をあげようと
努力してるんですが
私はもらってるかしら?
いえいえいえいえ、はるかに多くの愛を
もらっていましたよね?
はい。
ありがとうございました。^^
投稿: tokiko68 | 2011年6月28日 20:33