原発警戒区域で、牛が野生化してるんだって
今月 11日の 「家庭の一般ゴミから高濃度のセシウムが出たということは」という記事にきっしーさんがコメントで、福島の「原発警戒区域で牛が野生化、パトカーに体当たり」という読売新聞の記事を紹介してくれた。記事の内容をちょっと引用する。
県警災害警備本部によると、県警特別機動パトロール隊のパトカーが 10日午後 09時 15分頃、楢葉町山田岡の国道 6号の交差点で、赤色灯を点灯して停車中、牛5。6頭の群れが出現。このうち 2頭がパトカーの運転席側めがけて突進し、ドアやフェンダーがへこんだという。
原発被害で無人化した地域で、取り残された牛たちが案外たくましくサバイバルしているらしいというニュースは流れていたが、なんとパトカーに体当たりをしかけるまでに野生化しているとは、ちょっと驚いた。なかなかやるものである。
私はこの記事の「赤色灯を点灯して停車中」というところに注目してしまって、スペインの闘牛を想起し「そうか、やっぱり牛は赤い色に興奮してしまうのか」などと短絡しかけたが、危ういところで、牛は色彩をほとんど判別できないはずということを思い出した。牛が反応してしまったのは、「赤い色」に対してではなく、点灯された光の動きに対してだったのだろう。
牛たちとしても、3月 11日までは家畜としてぼんやりと待っていさえすればエサをもらえたのに、急に放ったらかしにされてしまって、自分でエサをあさらなければいけなくなったので、ストレスが溜まっているのだろう。
そんなところに、妙にちらちらした灯りの変なのがいるので、「ここは俺たちの縄張りだ」とばかり、追い出しにかかったんじゃなかろうか。パトカーのあの白黒のデザインは、いくらモノトーンしか認識できない牛でも、ちょっと変わったホルスタインと勘違いしやすいのかもしれないしね。
それにしても今は草がどんどん生い茂る季節だから、その草が放射能汚染しまくりとはいえ、とりあえず食うには困らないだろうが、秋が過ぎて冬になったら、草も大方枯れてしまい、さぞかしひもじくなってしまうだろう。それを考えると不憫である。
街中よりは田舎に近い方がまだ食べるものはあるだろうから、そっちの方に移動することになるかもしれない。するとイノシシなんかとの生存競争が発生してしまうことになるかもしれない。下手をしてクマとの争いになったりしたら、ちょっと大変だろうなあ。
いずれにしても冬を越す頃には、かなりの牛が息絶えてしまうことになるだろう。そうなったら解剖して、放射能汚染による被害を内部被曝も含めて、明らかにすることができるかもしれない。
それにしても原発警戒区域では、人間はほとんど避難してしまったけれど、動物たち (家畜、野生動物の両方) は取り残されているわけだ。彼らの寿命は短いので、一代の間にはどうということもないだろうが、世代交代が早いだけに、これからいろいろな影響が出てくるかもしれない。
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