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2011年7月19日

都合の良すぎるレイムダック

日経 PP ネットに田原総一郎氏が「菅さんが首相を続けるのは日本の恥だ」という、ものすごくぶっちゃけたタイトルの寄稿をしている。まあ、確かに菅さんがこのままの地位にいればいるほど、我々はもう、しらけてしまうとしかいいようがない。外国から見れば「一体、何なの?」ということなのだろう。

田原氏は菅さんを辞めさせるには 3つの手だて、即ち「内閣不信任案可決」「総選挙で民主党が負けること」「大きなスキャンダル」しかないという。しかし内閣不信任案は既に否決されてしまったし、総選挙も大きなスキャンダルも急にはありそうにない。つまり、菅さんは大方の意に反して、しばらく辞めずに済んでしまいそうなのだ。

菅さんは自民党はおろか、与党の民主党内にさえ味方がいない。こんなに支持されていないのに、当人が「辞める」というまでは辞めさせられない。6月 2日の記事で私は「こんな都合のいいレイムダック、初めて見た」と書いたが、その時はまだ、これほどまでに「都合のよすぎるレイムダック」になるとまでは思っていなかった。

菅さんはかくまでも四面楚歌で、それは内閣支持率が 10%そこそこという数字にも表れているのだが、だからといって、民主党に頼れる代役がいるのかといえば心許ない。自民党に救世主がいるのかというのも、あまり期待できない。ただただみんなで「菅ではダメだ、ダメだ」と大合唱するばかりで、対案があるわけでもないのである。

こうした状況は、国民としては本当に気持ち悪いものだ。

菅さんではダメだという理由に、「能力不足が露呈したにもかかわらず、震災からの復興や国民の要望を無視して、現在の地位にしがみついている」というのが挙げられる。なるほど、確かにそのように見える。

しかしその一方で、「菅さんは方針も信念もないのに、立場が危なくなると、思いつきで国民受けしそうなことを言い出す」とも批判される。今回の「脱原発路線」などはその最たるものだろう。

だが「国民無視で地位にしがみつく」という批判と、「思いつきで国民受けしそうなことを言い出す」という批判は、よく考えれば矛盾している。本当に国民を無視していれば、フツーは、国民受けしそうなことなんて言い出さないだろう。

やっぱり、どこか気持ちが悪すぎる。

要するに、ジャーナリズムの中でいろいろ言われている菅批判は、「だから、菅じゃダメなんだ」ではなく、先に「とりあえず菅じゃダメなんだ」というのがあって、それだけでは単なる感情論になってしまうので、後からいろいろもっともらしいことを付け加えているだけなのである。

それはジャーナリズムの論調だけではなく、多くの国民もそんなふうに思っている。だからこそ「脱原発」という、今なら国民の相当数が支持しそうな「思いつき」を言いだしても、支持率アップに全然結びつかない。菅さんは「都合のよすぎるレイムダック」ではあるが、それは当人にとってのみ「都合がいい」だけのようなのだ。

ことほど左様に、菅さんは周囲の信頼を失ってしまっているのである。そして私を含めた多くの日本人は、民主党を、菅直人という人を見損なっていたのである。とにかく、ここまでひどいとまで思っていなかったのは、私の不徳の致す限りである。反省しよう。心から反省しよう。

しかし反省したからといって、あきらかにましだと思われる選択肢が見当たらないので、ここでまたまた気持ち悪さがぶり返すのである。この気持ち悪さは、しばらく続きそうだ。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

ペテン師と誰かが行った菅直人の不人気を民主党の衆議院選での消滅に利用しよう。

投稿: 盗人・李メドベージェフ | 2011年7月19日 19:50

盗人・李メドベージェフ さん:

お気の毒に。

投稿: tak | 2011年7月19日 21:30

今目先のことなら菅内閣支持はあり得ないし、こんなのダメ
と言うことも判りますが、脱原発の一点で指示するって言う
のも有りだと思っています。

自民党がとったら元の木阿弥-->スーパー東海地震-->
浜岡爆発-->東京横浜名古屋大阪避難区域指定-->お終い
そんな最悪のシナリオあり得ない?
地面が50m縦に跳ね上がる地震が起きたばかりで、これが
あり得ない事と言える人いますか?

耐震がしっかりしているのは「原子炉そのものだけ」である
こともはっきりしました。ましてや浜岡は震源の真上です。
福島と同規模でも東京大阪間の大動脈が機能しなくなる。

反菅は即原発指示です。リスクの大きさは菅内閣存続より
遥かに大きいと思います。
菅さん以外がやっても政策的能力は大して差がないでしょう。
だったら脱原発で行こうという方向を示しているだけでも
彼を支持する十分な根拠になるはず。だって他の人は
後出しじゃんけんも何も何ら方向を示していないのですから。

投稿: 蝠樂亭 | 2011年7月19日 22:11


tak-shonai さん達が「太陽光発電がもうすぐ日本を救う」みたいな幻想を振りまくから、菅が便乗(笑)して、居直る材料に使った
まあ、冗談ですが、半分は(笑)
誰がなっても、菅よりはマシだから、とりあえず、何とかして菅の首を取りたい

今は、直近の電力問題の解決が第1の問題で、将来プロジェクトであるいろんな再生可能エネルギーの内の、どれをどのように推進して、どこまで容量のある安定エネルギーを可能にするか?なんて、まだまだ方向性が見える段階でさえ無いのに

脱原発なんて、将来のひとつの目標であってもよいが、それを今実行しちゃったら、日本経済は沈没
それぐらい、常識だと思いますが

投稿: alex99 | 2011年7月19日 23:16

蝠樂亭 さん:

「脱原発」の一点支持もあり得なくはないんですが、それは私の感覚では、「健康のためなら命も惜しくない」というようなことだと言う気がします。

問題は、じゃあ、菅以外に誰が明確に「脱原発」を打ち出しているのかということですが、それを思うと、本当に気持ちの悪いジレンマです。

投稿: tak | 2011年7月20日 02:03

alex さん:

現状の自然エネルギー活用のポイントは、「いかにして容量のある安定エネルギーを可能にするか」という視点でみると、それはもう、「おとぎ話」になります。

私は既に何度も何度も何度も言っているのですが、自然エネルギー発電を増やせば、(メガソーラーというよりも、各家庭、事業所の屋根や庭での太陽光パネル設置を推進などして、「極小規模発電所」を随所にたくさん作る方が、手っ取り早いし、妙な利権も発生しにくい) 電力会社はベースロードへの安定供給に専念できるということです。

一時的な「ピーク時需要」にまで一手に対応するために、しょっちゅう遊ばせている (休ませている?) 危険な余剰設備を持つ必要があるのかということです。

電力会社に全面的に依存して「安定供給」を願うのは、蝙蝠亭さんへのレスとは別の意味で、「健康のためなら命も惜しくない」という論理に陥ると考えます。

というわけで、とりあえず私は浜岡原発の停止は支持しています。

投稿: tak | 2011年7月20日 02:26


電力会社のベースロードは、原発以外は火力ですね
CO2排出の問題がありますし、輸入燃料はもしシーレーンが止まれば停止です
だから原発というのも、一つの原発推進の理由だった
原発を止めると年間三億円以上の燃料代増となって、日本の財政を大きく悪化させる
と言って、原発が順次停止になるのは、ほぼ間違いないでしょう
太陽光発電も、スマートグリッドや蓄電の技術が無いと実用化が難しいし、資機材の耐久性が乏しい
それに、コスト的に本当にペイするのか?
現状、補助金無しには設置できないでしょう?
その補助金は、電力料金増となって跳ね返ってくるから、果たして、トータルに見てメリットがあるのか?

しかし、本当は、水力を完全稼働させるとか、水力のダムを浚渫して能力を回復するとか、河川に極小ダムを造るとか、方法があるのですが、実行しない
海に於いても、潮力発電・海流発電などの方が、地熱発電より可能性がありそうです
あと、カーボンハイドレードや、なんとか言う石油の取れる藻なども
ただ、いずれにしても、時間がかかりますね
製造業は、休日稼働などでコスト増となり、海外移転を進めざるを得ないと言っていますよ
日本は、人口が減って、電力需要が落ち込むまで、我慢でしょうかね?

反原発と言っても、今まで日本経済(製造業)が発展したのは原発による豊富な安定した電力のおかげです
それを無視して、原発なんか作らなければ良かったというのは、幼稚な意見か、恣意的な左翼の意見だと思う
私は、自分が少数派なのはわかっていますが、一般の場でも、公平な論議は必要だし、そのきっかけをつくることもしなければね

投稿: alex99 | 2011年7月20日 08:43

たとえば自民党でも河野太郎あたりは明確に脱原発を打ち出していますね。民主党/自民党/その他という既存の枠組みがこの状況に対応できていないとすれば、やはりエネルギー政策を含めた将来的なグランドデザインを対立軸に政界再編、というのが筋なんでしょうが……。

投稿: 山辺響 | 2011年7月20日 10:07

alex さん:

>電力会社のベースロードは、原発以外は火力ですね

当面は残念ながらそうなりますね。

>CO2排出の問題がありますし、輸入燃料はもしシーレーンが止まれば停止です
>だから原発というのも、一つの原発推進の理由だった
>原発を止めると年間三億円以上の燃料代増となって、日本の財政を大きく悪化させる
と言って、原発が順次停止になるのは、ほぼ間違いないでしょう

確実に言えるのは、化石燃料のコストは今後ますますアップし、一方、自然エネルギーのコストは市場における導入増加とそれに伴う技術的進展の加速で、今後下がるということです。

当たり前すぎることは言うなと言われそうですが、この当たり前をしっかりと前提にすれば、今やらなければならないこと、急がなければならないことは明白になります。
なにしろ、当たり前すぎるほどの前提なんですから。

>太陽光発電も、スマートグリッドや蓄電の技術が無いと実用化が難しいし、資機材の耐久性が乏しい

何をもって「実用化」というかは難しい問題です。
最も厳格な意味でいえば、原発技術自体が、まだ実用化の段階になっていないのに、拙速に導入しすぎたということもできます。

原発がどんなに日常的にトラブルを発生していて、メンテ担当者がしょっちゅう飛んでいってやっとこさで対処しているかを知れば、ちょっとびっくりしますよ。

PC のトラブル程度は影響は小さいものですが、原発トラブルの影響は、福島の現状を見れば十分だと思います。

スマートグリッド技術が確立するに越したことはありませんが、何度も何度も何度も何度も何度も書いているように、当面でも、ピーク時電力の補完という意味では、太陽光発電は十分に実用的な段階に達しています。
何しろ、ちょっとトラブっても、命の危険はありませんし。

本当に何度も何度も何度も何度も言っていることですが、当面はこれが最重要ポイントです。

太陽光パネルの耐久性が乏しいというのは、これも前に書いたように、デマです。
25年以上前に設置されたパネルが、今でもしっかり稼働し、まだまだ壊れそうにない。
そして、最新型はもっともつでしょう。

ということは、他の発電設備の耐久性と遜色ないどころか、あと何年とか何十年とかしてから、「○○年経つと壊れやすくなる」ということがわかるまでは、暫定的に「半永久的」と言ってもいいぐらいのものです。

そして、本当に寿命になった時には、リモデル費用はものすごく安くなっているでしょう。

>それに、コスト的に本当にペイするのか?

これも何度も何度も何度も何度も言っていますが、コスト的な問題は中長期的に考えなければなりません。

上述の繰り返しですが、化石燃料のコストは今後ますますアップし、自然エネルギーのコストは市場における導入増加とそれに伴う技術的進展の加速で、今後下がります。

>現状、補助金無しには設置できないでしょう?

実は原発も補助金漬けということを、お忘れないようにお願いします。

>その補助金は、電力料金増となって跳ね返ってくるから、果たして、トータルに見てメリットがあるのか?

自然エネルギー活用に対する補助金は、これも前に書きましたが、市場への適用促進に伴う技術的進展とコストダウンを保証するための必要経費のようなものと考えるといいと思います。アーリーアダプターがあって、次の段階でフォロワーが登場し、そしてマジョリティとなるのは、マーケティングの常識ですね。

アーリー・アダプターにインセンティブを与えることで、市場への導入促進が担保されるのですから、結局は市場全体にメリットとなって返ってきます。
つまり、メリットは確実にあるのです。ないという方が屁理屈になってしまいます。

(これはもちろん「補助金全般」に対して言っているのではありません。くだらない補助金もクサルほどあります。念のため)

>しかし、本当は、水力を完全稼働させるとか、水力のダムを浚渫して能力を回復するとか、河川に極小ダムを造るとか、方法があるのですが、実行しない
海に於いても、潮力発電・海流発電などの方が、地熱発電より可能性がありそうです
あと、カーボンハイドレードや、なんとか言う石油の取れる藻なども

おっしゃるとおりです。様々の手法で補い合うことが必要というのも、前に何度も何度も何度も何度も言っていますので、ここでは繰り返しません。

>ただ、いずれにしても、時間がかかりますね

時間がかかるからこそ、今、手をこまねいてはいられないのです。
時間がかかるからやらないというのは、論理的矛盾以外の何物でもありません。
先延ばししていいのは、いつでもすぐできることだけです。

>製造業は、休日稼働などでコスト増となり、海外移転を進めざるを得ないと言っていますよ

製造業の海外移転は、今に始まったことではありません。
つまり、エネルギー問題は最後のトリガーになるかもしれませんが、原発稼働しさえすれば、我が国の製造業の空洞化が避けられるというものではありません。
エネルギー問題以外の視点も含めて、総合的な対策が必要です。

また、クリーン電力とクリーンエネルギーで生産された製品購入へのインセンティブを作ることなどで、非関税障壁を設定することも可能です。

これは EU (とくにドイツとか)で既に一部開始されていますね。
クリーン・エネルギー以外でも、いろいろな倫理的側面から導入することができます。
日本は先進国なのですから、そのくらいのことをしても、バチは当たりません。

>日本は、人口が減って、電力需要が落ち込むまで、我慢でしょうかね?

誤解を恐れずに言えば、今まで贅沢しすぎたのですから、我慢するぐらい当然だと思います。
電力需要だけでなく、トータルなエコの視点からも。

>反原発と言っても、今まで日本経済(製造業)が発展したのは原発による豊富な安定した電力のおかげです

それは否定しません。
あんまり当たり前すぎて、誰も表立って言わないだけです。

ただ、それに対する根元的な問いが発せられなければならない時期にさしかかっているのです。
経済発展は、人類にとっての至上命題ではありません。
(「おとぎ話」と言われそうですが、それこそ「健康のためなら命も惜しくない」というパラドックスには陥りたくないのです)

>それを無視して、原発なんか作らなければ良かったというのは、幼稚な意見か、恣意的な左翼の意見だと思う

無視しているわけではないということを、おわかりいただきたいと思います。
それから「反原発」はこれまで左翼かプロ市民しか言わないことという偏見がありましたが、今年を境に、そうした偏見は捨ててください。

私なんか、祝日には玄関先に日の丸を立てるし、靖国参拝はするし、憲法は改正しろと言っているし、自衛隊の友人知人がたくさんいるし、周りからは右翼と思われているフシまであるくらいですから。

>私は、自分が少数派なのはわかっていますが、一般の場でも、公平な論議は必要だし、そのきっかけをつくることもしなければね

いや、原発擁護派はまだ少数派じゃないと思いますよ。
公平な論議が必要というのは、一も二もなく同感です。

投稿: tak | 2011年7月20日 14:30

山辺響 さん:

>たとえば自民党でも河野太郎あたりは明確に脱原発を打ち出していますね。民主党/自民党/その他という既存の枠組みがこの状況に対応できていないとすれば、やはりエネルギー政策を含めた将来的なグランドデザインを対立軸に政界再編、というのが筋なんでしょうが……。

従来のイデオロギーや経済利害だけでは捉えきれない世の中になっています。

その意味でも、政界再編は必要でしょうね。

今の政界の構造をみていると、気持ち悪くてたまりません。

投稿: tak | 2011年7月20日 14:38

横槍失礼。

「スマートグリッドや蓄電の技術が無いと」(alex99さん)とか「スマートグリッド技術が確立するに越したことはない」(takさん)と書かれていますが、お二方とも、ちょっと認識が旧いのではないかと思います。日本では旧態依然とした発送電体制のために導入が遅れていますが、すでに技術としてはほぼ確立されているようです(そしてその分野では日本企業の活躍も)。少し前の号になりますが、週刊ダイヤモンド7/4号にスマートグリッドの小特集がありますのでご参考までに。

大雑把な印象ですが、原発容認派の方の再生可能エネルギー等についての認識は(先に太陽光発電についてtakさんも指摘されていますが)、前世紀レベルからほとんど更新されていないように思います。

経済的な面で言えば、「安全対策を強化しつつ原発維持」が従来の大型公共工事的な事業しか生み出さないのに対して、再生可能エネルギー/スマートグリッドに全面シフトする方が、よほどイノベーションを刺激して経済成長につながるでしょうね。

投稿: 山辺響 | 2011年7月20日 16:31

山辺響 さん:

スマートグリッドに関する情報、ありがとうございます。

原理は既に確立されていて、後は実際の適用により、改良を加えていく段階とみればいいようですね。

世の中では 「電気は貯めておくことができない」 という迷信が流布していますが、それが本当なら、電気自動車もノートPC も動かすことができません。

電気を貯めたりコントロールすることは、既に十分可能だという前提で議論を進めないと、多く可能性が「夢物語」 のレッテルを貼られて葬り去られてしまいます。

>経済的な面で言えば、「安全対策を強化しつつ原発維持」が従来の大型公共工事的な事業しか生み出さないのに対して、再生可能エネルギー/スマートグリッドに全面シフトする方が、よほどイノベーションを刺激して経済成長につながるでしょうね。

私もそう思います。
ありがとうございました。

投稿: tak | 2011年7月20日 18:32

ご意見ありがとうございます。僕の言いたいことは、ほぼtakさんがお書きになっているので特別これ以上はありません。
強調したいところがあるとしたら、方向が定まれば技術もコストもそう遠くない将来にはクリア出来ると言うこと、菅氏の他にそれを言う人がいないこと(自民党の方が言っても党の方針とかしがらみとかで潰されるのが落ちでしょう)くらいです。

健康のために命を捨てるなんて事は言いませんが、「今の経済のために生命、財産を掛けて原発を推進する」のは嫌だと思っています。

投稿: 蝠樂亭 | 2011年7月20日 22:45

ダイヤモンドの記事によれば、原理が確立されているどころか、場所によっては(日本ではありませんが)すでに実用化・普及段階にある、ということのようです。スマートグリッドに不可欠な要素の一つであるスマートメーター、イタリアではすでに85%の普及率だとか(ただし、これはスマートグリッド構築のためではなく、盗電防止や料金不払い対策が趣旨だったようですが・笑)

もっとも、alex99さんのおっしゃる「時間がかかる」説の方が現実を正確に言い当てているのかもしれませんね。本気でやれば技術的・経済的には5~10年で転換できそうですが、硬直化した政治・社会という障壁を克服するのには四半世紀、あるいはそれ以上かかるかもしれませんから。

投稿: 山辺響 | 2011年7月21日 11:09

 わたしはALEX99さんの考えが一番妥当だと思いますね。ドイツの自然エネルギーに占める太陽光の割合は7%だそうです。主な自然エネルギーは水力と風力だそうです。安定した偏西風の吹く、ヨーロッパなら当然そうなります。一時世界一になったドイツの太陽光パネルのメーカーは中国のメーカーにやられて株価は暴落しているらしいです。中国メーカーが世界一のメーカーになる事からして、太陽光パネルは既にほぼ成熟した技術と言えます。日本での価格も価格の3割は設置台と設置費用になっています。今、発電効率12%のパネルの効率が3倍になっても、今の天然ガスと発電コストは同じぐらいで、補助金なしでペイするようになるには随分と時間がかかると思います。化石燃料も天然ガスの埋蔵量は100年から250年あるそうですし、シェールガスはアメリカ、カナダにも豊富にあります。地政学的リスクは軽減できます。
  スペインは自然エネルギーへの補助金を多くして爆発的に増えた自然エネルギー発電への補助金が大きな財政負担となりました。
  個人が屋根に載せてエコを考えるのは構いませんが、大規模な太陽光発電所を作って小売値の数倍で仕入れを義務づけるのは反対です。個人が屋根に載せるのも1軒に20万円の補助金を入れれば1000万軒で2兆円になるので、補助金もほどほどにしてもらはないといけませんけどね。(静岡では3KWのパネルで20万円ほどの補助金が出るらしいですね)
  筑波大学のオ―ランチキチキとかいう藻の先生は1000億の研究費があれば10年で実用化できると言っています。そちらに補助金を入れる方がずっと夢があるし経済的だと思います。
  私は地球温暖化にはそれほど懸念を感じていません。江戸末期からいえば日本も随分あったかくなっているそうですが、おかげで、冷害という言葉を聞く事はなくなりました。餓死者が出ない事は良い事です。平安時代は今より大分暖かかったようです。多分、CO2のせいではありません。よく知りません。
  CO2が温暖化の原因というのは仮説です。有力な仮説なのかも知れませんが、あまり仮説に振り回されるのはどうかと思います。まあ、世界中がふりまわされて、ゴアがノーベル賞を取ったりするのですから、日本が振り回されるのも無理ないかもしれません。
  原子力発電を徐々に縮小するのはやむえないかも知れませんが、研究は続けてほしいものです。選択肢は多いにこしたことはありませんから。
  わたしはエコな生活に反対している訳ではありません。自給自足が理想で、毎日、畑でとれた茄子ときゅうりをたらふく食べています。税金の使い道として危惧しているだけです。
  

投稿: basara | 2011年7月24日 03:01

蝠樂亭 さん:

>強調したいところがあるとしたら、方向が定まれば技術もコストもそう遠くない将来にはクリア出来ると言うこと、

その通りだと思います。
物理的に無理なわけではないのですから。

>菅氏の他にそれを言う人がいないこと(自民党の方が言っても党の方針とかしがらみとかで潰されるのが落ちでしょう)くらいです。

それが困った話ですね。
政治家もマスコミも、電力業界から大金もらってますから。

>健康のために命を捨てるなんて事は言いませんが、「今の経済のために生命、財産を掛けて原発を推進する」のは嫌だと思っています。

同感です。

投稿: tak | 2011年7月24日 09:13

山辺響 さん:

>ダイヤモンドの記事によれば、原理が確立されているどころか、場所によっては(日本ではありませんが)すでに実用化・普及段階にある、ということのようです。

認識不足でした。
ただ、ローカライゼーションにともなうソフト部分のノウハウ蓄積が、日本ではこれからということなのだと思います。

>本気でやれば技術的・経済的には5~10年で転換できそうですが、硬直化した政治・社会という障壁を克服するのには四半世紀、あるいはそれ以上かかるかもしれませんから。

明確な方向性を指し示すことが重要で、合意の形成ばかり重視すると、いつまで経っても進みませんね。

投稿: tak | 2011年7月24日 09:17

basara さん:

>わたしはALEX99さんの考えが一番妥当だと思いますね。

自然エネルギーへの転換は、文明論的なパラダイムシフトを要求されるので、ある意味、「妥当」であるはずがないのです。

妥当でないことをしようというのですから、かなりの「思い切り」が必要です。

>中国メーカーが世界一のメーカーになる事からして、太陽光パネルは既にほぼ成熟した技術と言えます。日本での価格も価格の3割は設置台と設置費用になっています。今、発電効率12%のパネルの効率が3倍になっても、今の天然ガスと発電コストは同じぐらいで、補助金なしでペイするようになるには随分と時間がかかると思います。

技術は成熟していても (成熟してないという偏見もあるのですが)、市場性が成熟していないので、まだまだコストは下がるということを忘れてはなりません。
これは何度も何度も何度も何度も何度も言っていることです。

>個人が屋根に載せてエコを考えるのは構いませんが、大規模な太陽光発電所を作って小売値の数倍で仕入れを義務づけるのは反対です。

メガソーラーに関しては、私も無条件に賛成しているわけではありません。
ソーラー発電が「メガ」になる必要があるのか疑問です。
むしろ利権の温床になるのが心配です。

>個人が屋根に載せるのも1軒に20万円の補助金を入れれば1000万軒で2兆円になるので、補助金もほどほどにしてもらはないといけませんけどね。

現実的には 1年で 1000万件もの需要があるはずがないので、2兆円の試算は期間的にはかなりばらけるでしょう。
そしてばらけているうちにコストはもっと安くなるとみています。
(そうでないと、税金を使ってアーリーアダプターを現出させている意味がありません)

>筑波大学のオ―ランチキチキとかいう藻の先生は1000億の研究費があれば10年で実用化できると言っています。そちらに補助金を入れる方がずっと夢があるし経済的だと思います。

1000億円は、無理でしょうね。残念ながら。

>CO2が温暖化の原因というのは仮説です。

そりゃそうです。
本当のところは誰もわかりません。

しかし、大気中の CO2 濃度が短期間にこれほどまでに高くなったことはないということがわかっているのですから、異常な状態であることは確かです。

投稿: tak | 2011年7月24日 09:33

TAKさん

 >現実的には 1年で 1000万件もの需要があるはずがないので、2兆円の試算は期間的にはかなりばらけるでしょう。
そしてばらけているうちにコストはもっと安くなるとみています。
(そうでないと、税金を使ってアーリーアダプターを現出させている意味がありません)

  すでに中国で大量生産されているものが、日本の需要が少々(世界の重要からみて)伸びたぐらいで、それほど劇的に安くなるとは思えません。太陽光パネルの原価に占める電気代の割合はかなり高いそうです。電気代が高くなれば原価は高くなります。ますます、中国メーカーの独擅場になります。太陽光パネルはTVとは違います。

  私は、太陽光パネルがペイするようになる為には、発電効率を高くするしかないし、一旦設置したら度々買い替えるものではないので、効率の悪いパネルを使い続ける事になる。今、太陽光パネルを推奨するのは中国メーカーを喜ばせるだけです。ドイツでは既に補助金が中国に流れていると一部で問題になっているようです。

 私は自然エネルギーに反対している訳ではありません。地熱発電や小型水力はどんどんやったらいいと思います。あまり、補助金はいらないでしょう。補助金は、今なら、LEDの普及に使うべきでしょう。一番、即効性のある使い方だと思います。価格もどんどん安くなると思います。全てに補助金を出したらいいという方は、補助金は自分たちの税金であると考えていないか、税金を払っていない方でしょう。

 >しかし、大気中の CO2 濃度が短期間にこれほどまでに高くなったことはないということがわかっているのですから、異常な状態であることは確かです。

 そんなことはないでしょう。太古の恐竜が跋扈していた時は、今よりCO2は高かったようですよ。当時は暖かった様ですけど、それがCO2のせいか太陽活動のせいか、わかりませんが。
  まさかCO2が減少して、氷河期が来た訳ではありません。
 CO2が無ければ食物は育ちません。将来の食糧危機を救うかも知れませんよ。

 温暖化で海水面が上昇して、世界の大都市が水没するという人がいますが、そんなはずありません。北極の氷や南極の大陸周辺の氷が溶けても水位は上昇しないのは、今や、常識ですし、大陸の氷が解けるのには、一体何度上がらなければいけないか、武田なんとか先生(最近評判の、とんでも説でも有名な)によれば、南極大陸周辺の海水温が上がれば、上昇気流で、大陸に雪がふり、氷は増加すると言っています。まあ、よくわかりませんが、家の父もシベリアは寒いので、雪は年に一度しか降らないとよく言っていましたので、暖かくなると雪は降るようです。
  全く海水面が上昇していないとは言いません。暖かくなれば、海水も膨張するでしょうし、しかし、海水が海水であり続けれる膨張率は大したことはないんじゃないでしょうか。

  どっかの島が水没するなら、オランダのように、堤防を築けばよいでしょう。ずっと安上がりです。ベネチアのように杭をうってその上に町を作る手もあります。海水面の上昇で島が沈没するなら、沖縄あたりでも大騒ぎになっているはずで、私は、別の原因だと思っています。
  

投稿: basara | 2011年7月25日 03:03

basara さん:

>すでに中国で大量生産されているものが、日本の需要が少々(世界の重要からみて)伸びたぐらいで、それほど劇的に安くなるとは思えません。

需要の伸びが見込めるのは、日本だけではないでしょう。

>太陽光パネルの原価に占める電気代の割合はかなり高いそうです。電気代が高くなれば原価は高くなります。ますます、中国メーカーの独擅場になります。太陽光パネルはTVとは違います。

詳しいデータがないので、コメントは差し控えます。

ただ、受給構造の基本的な理論において、TV とどう違うのかわかりません。

>私は、太陽光パネルがペイするようになる為には、発電効率を高めるしかないし、一旦設置したら度々買い替えるものではないので、効率の悪いパネルを使い続ける事になる。

「ペイする」をどの時点と見るのかは視点により違いますが、個人レベルでは「黒字」という人がいくらでもいます。

>ドイツでは既に補助金が中国に流れていると一部で問題になっているようです。

物は言いようで、金は必ず生産国に流れます。当たり前です。中国に流れるのが嫌なら、他で作ればいいだけです。

中国に金が流れるのがそんなに問題なら、衣料品も中国製以外を選ばなければならなくなります。

ただ、日本の衣料品市場の約90%は中国製ですので、選択肢はものすごく狭くなります。
ユニクロで買い物はできません。

>私は自然エネルギーに反対している訳ではありません。地熱発電や小型水力はどんどんやったらいいと思います。あまり、補助金はいらないでしょう。

なぜ地熱や小型水力なら補助金があまりいらないと言えるのか、わかりません。

おいしいとなったら、群がりますよ。多分。

>補助金は、今なら、LEDの普及に使うべきでしょう。一番、即効性のある使い方だと思います。

私は LED は補助金なしでもすでに大きな市場性を獲得しつつあると見ていますが。

>全てに補助金を出したらいいという方は、補助金は自分たちの税金であると考えていないか、税金を払っていない方でしょう。

私は税金を払ってますから、そんなことは言いません。

>>しかし、大気中の CO2 濃度が短期間にこれほどまでに高くなったことはないということがわかっているのですから、異常な状態であることは確かです。

>そんなことはないでしょう。太古の恐竜が跋扈していた時は、今よりCO2は高かったようですよ。当時は暖かった様ですけど、それがCO2のせいか太陽活動のせいか、わかりませんが。

失礼。これは言葉足らずでした。
「前の間氷期が終わってから」ということです。
それ以前は自然の周期でしたが、今回の超短期間の CO2 増加と気温上昇は、人為的原因と見るのが自然です。(以下参照)

http://tenbou.nies.go.jp/learning/note/theme1_4.html

>まさかCO2が減少して、氷河期が来た訳ではありません。

因果関係は別として、相関性は確実にあります。

>CO2が無ければ食物は育ちません。将来の食糧危機を救うかも知れませんよ。

常識を広げすぎることによる極論に付き合うほど暇ではありませんので、スルーします ^^;

>温暖化で海水面が上昇して、世界の大都市が水没するという人がいますが、そんなはずありません。北極の氷や南極の大陸周辺の氷が溶けても水位は上昇しないのは、今や、常識ですし、

そんなことは昔から常識です。
今問題なのは、そんなことではありません。
言いがかりに聞こえます。

>どっかの島が水没するなら、オランダのように、堤防を築けばよいでしょう。ずっと安上がりです。

大陸の縁で堤防を作るのと、太平洋のど真ん中で作るのを同じに考えるのは乱暴すぎます。

そのような発想が、これまで自然環境を破壊し続けてきたのではありませんか。

少しは自然へのインパクトを考慮するという発想をお持ちいただければ幸いです。

投稿: tak | 2011年7月25日 13:45

 taxさんへ

  あまり、しつこいと嫌われるので、最後にします。
  

>まさかCO2が減少して、氷河期が来た訳ではありません。

 因果関係は別として、相関性は確実にあります。

 結局、taxさんはCO2の増加により、地球が温暖化しているという仮説を信じていらっしゃるということですね。

  >私は、太陽光パネルがペイするようになる為には、発電効率を高めるしかないし、一旦設置したら度々買い替えるものではないので、効率の悪いパネルを使い続ける事になる。

「ペイする」をどの時点と見るのかは視点により違いますが、個人レベルでは「黒字」という人がいくらでもいます。

  個人レベルで黒字の方は勿論たくさんいらっしゃるでしょう。
  余剰電力を小売値の3倍以上でひきとってくれるのですから。
  昼間電気を使わない共稼ぎの方は特に大きいでしょう。

  しかし、日本全体としては真っ赤です。
  ここで、taxさんが日本の政策として論じているのならば、日本全体の収支で、考えて頂きたい。


>なぜ地熱や小型水力なら補助金があまりいらないと言えるのか、わかりません。

おいしいとなったら、群がりますよ。多分

  地熱発電所は現在、補助金なしで稼働しているはずです。発送電を分離すれば、地熱発電は補助金なしで増えると思います。温泉や国立公園の制限の問題もありますが。

  >物は言いようで、金は必ず生産国に流れます。当たり前です。中国に流れるのが嫌なら、他で作ればいいだけです。

中国に金が流れるのがそんなに問題なら、衣料品も中国製以外を選ばなければならなくなります。

  私は、中国製品を忌避するという考えではありません。ドイツでも問題になっているのは、補助金が中国に流れている事です。

 TVとの違いがわからないとのことですが、TVは別に収益装置ではないので、新しい製品が出て、気に入れば買いかえれば良いだけです。ソーラーシステムは10年でペイするように補助金も、買い取り価格も決められていますので、良い製品が出ても、5,6年で買い替えるわけにはいきません。

  私は、各家庭がエコの為に、自宅にソーラーをつけて、CO2を排出しないようにすることに反対はしません。趣味の問題ですから。しかし、補助金と、法外な買い取り価格で、無理やりペイするようにして、そのつけを、全国民に回すような政策には賛成できません。

  太陽光パネルの発電効率がアップして、そのような事をしなくても良くなれば、私は、必ず、自宅にパネルを載せます。私の住む市は日照時間で日本で5本に指に入っていますし、南向きの屋根は広いし、南側は私の畑で、日照を妨げる建物が建つ心配は全くないのですから。中国製品が良ければ、中国製品を取りつけますね。

 

投稿: basara | 2011年7月27日 04:51

basara さん:

>>>まさかCO2が減少して、氷河期が来た訳ではありません。

>>因果関係は別として、相関性は確実にあります。

>結局、taxさんはCO2の増加により、地球が温暖化しているという仮説を信じていらっしゃるということですね。

よく読んで頂ければおわかりになるはずです。
因果関係としての決定的証拠は別として、これだけ相関関係がはっきりしているのだから、CO2 と温暖化は無関係ではないと見ているということです。

一方を抑えることで、もう一方も抑えられるだろうと考えるのも、屁理屈ではありません。

>しかし、日本全体としては真っ赤です。
>ここで、taxさんが日本の政策として論じているのならば、日本全体の収支で、考えて頂きたい。

既に述べていることですが、普及を促進するための先行投資と捉えています。

>地熱発電所は現在、補助金なしで稼働しているはずです。発送電を分離すれば、地熱発電は補助金なしで増えると思います。温泉や国立公園の制限の問題もありますが。

現在は補助金なしでも、将来はわかりません。
これは暴論ではありません。おいしいとなれば必ず群がります。

ただ、それがいけないと言っているのではなく、実質的な効果さえあればいいと思っています。

>私は、中国製品を忌避するという考えではありません。ドイツでも問題になっているのは、補助金が中国に流れている事です。

モノの値段だろうが補助金だろうが、金は金です。
補助金が直接中国に流れているわけでもありませんし。

間接的にでも中国に流れるのが嫌ならば、国内産業育成の名目で、中国製を補助対象から外せばいいでしょう。

>TVとの違いがわからないとのことですが、TVは別に収益装置ではないので、新しい製品が出て、気に入れば買いかえれば良いだけです。ソーラーシステムは10年でペイするように補助金も、買い取り価格も決められていますので、良い製品が出ても、5,6年で買い替えるわけにはいきません。

あなたがおっしゃったこの問題に関する前提は、普及率の増加と価格の低下ということに関するものだったと理解しています。

そこに関して 「TV とは違う」 というのが、未だに理解できません。

また、TV でも太陽光パネルでも、買い換える方が得 (精神的満足も含めて) と判断すれば買い換えるものあり、大きな違いはありません。

>私は、各家庭がエコの為に、自宅にソーラーをつけて、CO2を排出しないようにすることに反対はしません。趣味の問題ですから。しかし、補助金と、法外な買い取り価格で、無理やりペイするようにして、そのつけを、全国民に回すような政策には賛成できません。

これに関する私の考えは、既に述べてあります。これ以上は水掛け論ですね。

>太陽光パネルの発電効率がアップして、そのような事をしなくても良くなれば、私は、必ず、自宅にパネルを載せます。私の住む市は日照時間で日本で5本に指に入っていますし、南向きの屋根は広いし、南側は私の畑で、日照を妨げる建物が建つ心配は全くないのですから。中国製品が良ければ、中国製品を取りつけますね。

それは幸いなことです。

 

投稿: tak | 2011年7月27日 08:37

takさんへ

  最後にするといったのに、しつこくて申し訳ありません・

  >あなたがおっしゃったこの問題に関する前提は、普及率の増加と価格の低下ということに関するものだったと理解しています。

そこに関して 「TV とは違う」 というのが、未だに理解できません。


  TVと違うというのは、液晶TVは量産化により、価格は10分の1まで低下しましたが、車や家はどんなにトヨタや大和ハウスが量産化しても、価格は半分にもなりません。ソーラーシステムは、TVより車や家屋に近いものだと思います。大幅な価格低下は見込めないと思います。特に取り付け工事代は日本の人件費が下がらない限り下がりません。まあ、TVに近いか車に近いかは感覚の問題で、納得はしてもらえないかと思いますが、全てが量産化により、大幅に価格が下がるわけではない事だけは理解してもらえると思います。
  又、パネルが半額になっても、ソーラーの発電コストは水力、風力、地熱と比較して、高い状態は変わりません。
  ソーラーパネルの発電効率を高める研究は続ける必要があるとは思いますが、補助金や、小売値の数倍で仕入れる事を義務付けるのは反対です。

  なお、補助金を国産パネルにのみつけるのは、WTO違反だと思います。即刻、訴えられるでしょう。

  takさんは、将来、化石燃料は枯渇するか、減少により大幅に価格が上昇すると、おっしゃっていましたが、そうなれば、ほっといてもCO2の排出は止まるでしょう。数10年後にCo2の排出が止まるならば、日本の産業を空洞化させてまでやる必要はないではありませんか。日本のCO2の排出を0にしても、化石燃料がある限り、世界のCO2排出は増え続けると思いますよ。

  CO2が温暖化に関係していると信じるかどうかは、血液型性格診断のようなもので、信じれば全てが当てはまるような気がするというようなレベルだと私は思っています。

  ただ、地球が温暖化して困る理由がどうしてもわかりません。人類全体でいえば、シベリアが暖かくなれば、将来の食糧危機を救うかも知れませんよ。まさか、地球全体が灼熱地獄になると考えている訳ではないでしょう。インドにあれだけの人口がいるのですから、少々熱くなっても人類の生存適地はあるんじゃないですか。
 地球温暖化により小氷河期がくるという説もあって、学者の意見も様々ですが。


  ということで、どうも解り合う事は不可能だと思いますので、本当に、最後にします。
  しつこくてすみません。

  

 

  

投稿: basara | 2011年7月28日 05:54

再び横槍失礼。

自動車の価格は、量産化によって半分や10分の1どころかもっと劇的に下落していますよね。量産化以前はごく一部の富裕層にしか所有できなかったわけですから。

フォードによる量産化の開始から数十年後にあたる1960年代に登場したトヨタ・カローラでさえ、その後、大卒初任給比で見ればその価格は半分程度に下落しています(カローラ初代は約40万円、当時の大卒初任給は約2万5000円、現行カローラは約130万円、大卒初任給は約20万円)。

住宅はちょっと話が違います。「ほとんど誰も住宅を所有していない(笑)」状態から出発して住宅を大量生産するというわけではありませんから、そもそもテレビや自動車とは前提条件が異なりますね。量産化しようにも、最初からもっぱら「買い換え需要」しか見込めない(それでも人口増の時代には新規需要もあったんでしょうが)。

太陽電池パネルについては、「ほとんど誰も所有していない」状態からスタートするわけですから、カテゴリーとしては、住宅ではなくテレビ・自動車の部類に入ります。したがって量産化による価格低下は十分に見込めると思われます。ただし耐用年数という点では住宅に近いことが期待されるので、買い換え需要不振ということで、ひとしきり普及すれば価格は底打ちするでしょうが。

投稿: 山辺響 | 2011年7月28日 15:58

basara さん:

量産化と価格の問題に関しては、山辺響さんが書いてくださったので、敢えて繰り返しません。

>なお、補助金を国産パネルにのみつけるのは、WTO違反だと思います。即刻、訴えられるでしょう。

蛇の道は蛇というぐらいで、非関税障壁の付け方で何とかなるでしょう。
(ただし、そんなにまで中国に補助金を流したくないなら)

そもそも、私は中国製の購入に補助金をつけたくないなんて思っていませんから、その辺はどうでもいいです。

>takさんは、将来、化石燃料は枯渇するか、減少により大幅に価格が上昇すると、おっしゃっていましたが、そうなれば、ほっといてもCO2の排出は止まるでしょう。

それまでに助走期間として、自然エネルギー活用の技術、ノウハウ、マーケッタビリティを高めておく必要があります。

オイルピークが来て (既に来ているという説もありますが)、すぐに切り替えができるほど、市場は甘くありません。

>数10年後にCo2の排出が止まるならば、日本の産業を空洞化させてまでやる必要はないではありませんか。日本のCO2の排出を0にしても、化石燃料がある限り、世界のCO2排出は増え続けると思いますよ。

近い将来に日本が自然エネルギー活用のトップランナーになることができれば、産業の空洞化どころか、国際競争力を付けることができます。

>ただ、地球が温暖化して困る理由がどうしてもわかりません。人類全体でいえば、シベリアが暖かくなれば、将来の食糧危機を救うかも知れませんよ。

温暖化というのは、まんべんなく穏やかに暖かくなるのではありません。
(それならいいんですが、残念ながらそうじゃないようです)
詳しくはいくらでも調べられますから、ご自分でどうぞ。

投稿: tak | 2011年7月28日 19:44

山辺響 さん:

コメント、ありがとうございます。

手間が一つ省けました (^o^)

投稿: tak | 2011年7月28日 19:45

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