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2011年8月24日

韓国のあの国会議員は 「倭人」 ではなく 「倭奴」 と言ったらしい

昨日の「韓国国会議員の 「倭人」 発言を巡る冒険」という記事で、私は基本的に韓国のチョ・ギョンテという国会議員の「倭人」発言は、ことさら問題にするようなことじゃないと書いたのだが、ことはもう少し複雑らしい。

というのは、親愛なる先輩 alex さんが、次のようなコメントを付けてくれたからだ。

私はこのニュースを見た時に、「倭人なんて言うはずがない。ウェノム (倭奴) と言ったに違いないと確信を持ったので、韓国のサイトで確認しました。
この国会議員はやはり「イルボン ウェノム (日本倭奴)」と発言していました。

私自身はハングルがわからないので、alex さんの言われる韓国のサイトをみても、どうせ判読できない。そこで、alex さんのコメントを全面的に信頼して話を進めるのだが、「倭人」なら別にどうってことはないにしても、「日本倭奴」では話が違う。こりゃ、やっぱり問題だ。

と言っても、私自身はこの発言そのものにいきり立つ気には到底なれない。別にこっちが怒らなくても、韓国の国会が自らの品位を自らの発言で落としただけのことだ

私がむしろ問題にしたいのは、チョ・ギョンテの発言の日本への伝わり方だ。これを日本に伝えたニュース(参照)は、事実を伝えていないじゃないか。「日本倭奴」という発言を日本向けのニュースとして伝えるのに、敢えて「倭人」とモディファイしたのは、どういう意味なのだ。

韓国内では「倭奴」という漢字で報じられたわけではないにしろ、「ウェノム」(ハングルでどう書くか知らないので、恐縮ながらカタカナで済ませる)という言葉の元の漢字が「倭人」ではなく「倭奴」というのは明らかではないか。

今月 12日に 「日本のマスコミで一番「適切」なのは「無難」であること」 という皮肉な記事を書いたが、「無難」を追って「正確さ」を放棄するのがマスコミだとしたら、非常に残念なことである。

私は今日、久しぶりにちょっとだけ「怒り」のトーンの記事を書いている。怒っているのは、チョ・ギョンテに対してではなく、意図的に不正確な報道をした編集者に対してである。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この事実を伝えたメディアは、多分、いくつかあると思うのですが、私が目に止めたのは「serchina」と言う中国関係の記事を流すサイトで、その記事の末尾には
(編集担当:金志秀)
とありました
この人が「倭人」と和らげてリポートしたものと思われます

投稿: alex99 | 2011年8月24日 01:15

>alex さんのコメントによると、韓国人が日本人を侮蔑して呼ぶときは、「倭人」 などと言うはずがなく、

私は、「言うはずはなく」とは言っていません
「倭人」という言い方はあるようですが、あまりそういう言い方はしない、しかし、それも「矮小」という意味の「倭」がついている限り蔑称です
日本のことを蔑称で「倭国」とも呼ぶらしい
ただし「人」より「奴」の方が蔑称としてきついようです
この国会議員は、わざわざ日本人を蔑称で呼ぼうと言う意図で呼んだのですから、倭人でも倭奴でも蔑称であることに間違いはないでしょう
しかも、それを編集した記者が韓国人なのですから、間違いありません

投稿: alex99 | 2011年8月24日 02:20

takさんにしては珍しく、ソースの吟味が甘いような…。

alexさんが紹介されているサイトは「韓国のサイト」ではなくて、よくある嫌韓派のブログのようですし(izaか……)、このニュース自体も、件のサーチナを情報源とするもの以外は見当たりません。どのように評価するにせよ、しばらく判断は保留する方がよいような気がします。

それにしても、サーチナって「日韓対立ネタ」が好きなように見えるけど、気のせいかなぁ。(政府系ではないにせよ)中国系メディアとしては、日韓は対立していた方が好都合なのだろうか、などと考えてしまいます。

投稿: 山辺響 | 2011年8月24日 14:24

なんだか、私がガセネタを流した様な話になっていませんか?(笑)
私は、tak-shonai さんのエントリー内容の「倭人」が蔑称であるか否か?というポイントについてコメントしただけですが

ただ、searchina 以外にソースが無いとおっしゃいますが、ハングルの DAILY NEWS と言うメディアにも、当該議員の写真付きで本件(多分)が掲載されています
ハングルなので私には読めませんが、後ほど、韓国人の友人に読んでもらうことにします

>それを編集した記者が韓国人なのですから、間違いありません
私は、こう書きましたが、searchina で編集した金好秀記者(確か、そういう名前でしたが)は、中国人なのかも知れません
とすると、この点に於いては、私の早とちりです


投稿: alex99 | 2011年8月24日 15:59

alex さん:

私のソースも serchina です。

まあ、金志秀 さんがそう書いたんでしょうね。

投稿: tak | 2011年8月24日 19:48

山辺響 さん:

このニュース自体はガセではないと判断しています。

問題は、報道のされ方だと思っています。

このニュースで韓国の国会議員さんをことさらに糾弾したいとは思っていません。
ただ、「やれやれ」 と思うだけで ^^;)

投稿: tak | 2011年8月24日 19:50

上でdayly news と書きましたが、正しくは NEW DAILY でした
URLは
http://www.newdaily.co.kr/news/article.html?no=89240

これは韓国のメディアですから、ごらんの様に全部ハングルです
新聞なのか、ネットニュースなのか、わかりません

韓国人に翻訳してもらいましたが、内容は、SEARCHINA の内容と同一です
つまり、SEARCHINA は、正確に翻訳しています

日本人に対するその議員の呼び方も「倭人」ではなく「倭奴 ウェノム」であることも確認しました

本件、全く、ガセではありません

投稿: alex99 | 2011年8月24日 21:15

alex さん:

裏付け捜査 (?) ありがとうございました。

投稿: tak | 2011年8月25日 08:42

いえ、私はこの件が事実かどうか(韓国の国会議員がそのような発言をしたのか否か、それが韓国のネット界でどのように受け止められているのか)という点を云々したいわけではないのです。

要するにメディアリテラシーの問題ですね。

私には、少なくとも「新聞なのか、ネットニュースなのか」さえ分らないようなものを典拠に挙げる勇気はありません(いちおう私は「ニューデイリー 韓国」でGoogle検索してみましたが……)。

そのうえで、takさんのおっしゃる「報道のされ方が問題」というのは理解できます。この報道が事実だと仮定して(根拠は何だと言われても困りますが、何となく「ありそうな話」なので)、「倭奴」→「倭人」というすり替え以前に、そもそも韓国の主要3紙(の日本語版ですが)ではまったく取り上げられていないニュースを、選択的にサーチナが取り上げるのはなぜなのか、というのも気になります。逆に、主要3紙(の日本語版)はなぜ取り上げないのか、とも言える。

まぁサーチナが伝える「委員長」の反応からして、件の国会議員はふだんから「困ったちゃん」なのかもしれないですね。たとえば日本で言えば……いや、剣呑剣呑。

投稿: 山辺響 | 2011年8月25日 11:13

>要するにメディアリテラシーの問題ですね。
私には、少なくとも「新聞なのか、ネットニュースなのか」さえ分らないようなものを典拠に挙げる勇気はありません

申し訳ありませんが、反対意見を
このネットニュースは、われわれの間においてこそ、その存在があまり認識されていませんが、韓国に於いても、必ずそうでしょうか?
トップに現代建設の広告が入っていましたし、それなりのステイタスがありそうです
それに、われわれ日本人にとっての未知のメディアだからと言って、その報道の真偽や質を一律に懐疑的に見て、取り上げないという事こそ、メディア・リテラシーに欠けているのでは?

韓国主要紙が取り上げないニュースを、われわれが取り上げてはいけないのでしょうか?
韓国主要紙が取り上げないニュースを論じることが、勇気が要る行為でしょうか?
それは事大主義ではありませんか?
韓国メディアの報道方針・基準に、われわれが追従する必要は全くありません

むしろ、事実であるにもかかわらず、また、韓国ヤフーでアンケートまでされている「事件」を、韓国主要メディアが、今回、なぜ、敢えて報道しなかったか?と言う点も考察対象だと思います
韓国にも、最低限の良識があったと解釈すべきなのでしょうか


投稿: alex99 | 2011年8月25日 16:57

ああ、alex99さん、勘違いなさっていますね。

私は、どれほど小さなメディアであろうと、それだけを理由に軽視するつもりはありません。たとえば個人のブログであっても有益な情報を発信しているものは、それほど多くないにせよ存在します(ここもその一つです)。

ただ、「新聞だかネットニュースだか」わかってもいないと言いつつ、それを典拠として挙げることはリテラシーを(あるいはそれ以外の他の何かを)欠いているのではないか、と申し上げているのです。

少なくとも、翻訳をしてくれたという韓国人のご友人に「これはどういうメディアなの?」くらいは尋ねることはできただろうと思いますが……。

>韓国主要メディアが、今回、なぜ、敢えて報道しなかったか?と言う点も考察対象だと思います

これはすでに私が指摘した点ですね。

投稿: 山辺響 | 2011年8月25日 18:33

>ただ、「新聞だかネットニュースだか」わかってもいないと言いつつ、それを典拠として挙げることはリテラシーを(あるいはそれ以外の他の何かを)欠いているのではないか、と申し上げているのです。

それもおかしな理屈ですね(笑)
韓国の主要紙以外、信用できないのですか?
SERCHINAだって、同じ事を書いているではないですか?
他にも、これを報じている、韓国のメディアがあるかもしれません
しかし、主要紙の日本語翻訳版以外、日本のネットでは、これ以上、なかなか検索出来ません
ただ、韓国ヤフーでアンケートも採っている
状況的に事実であることは、間違いないことは、貴方もお認めになっていると思いますが
どんな条件があれば、どんなメディアなら典拠としうるのですか?
しかしそもそも、私は、メディアがなんであれ、「事実か否か」がポイントだと思いますが
リテラシーが欠けるとは、ずいぶんなおっしゃり方ですね

投稿: alex99 | 2011年8月25日 20:42

A)私は、どれほど小さなメディアであろうと、それだけを理由に軽視するつもりはありません。たとえば個人のブログであっても有益な情報を発信しているものは、それほど多くないにせよ存在します(ここもその一つです)。

B)ただ、「新聞だかネットニュースだか」わかってもいないと言いつつ、それを典拠として挙げることはリテラシーを(あるいはそれ以外の他の何かを)欠いているのではないか、と申し上げているのです。

A)とB)は、全く矛盾していますね

また
「新聞かどうか」は不明ですが、少なくとも「ネットニュース」です
そのどこが問題なのでしょうか?

それから
リテラシーを欠いているとは、普通、バカだということの言い換えですよね(笑)

投稿: alex99 | 2011年8月25日 23:44

やはり「まったく」わかっていらっしゃらない。
直前のコメントでalex99さんが挙げておられる(私の)A)とB)はまったく矛盾しておりません。

メディアリテラシーとは、古典文献から大手メディア、ネットニュース、個人ブログ、SNS、Twitterから生身の口コミに至るまで、各種メディアについて、その性格を見極めて評価の基準とする「身構え」のことです。

たとえば大手メディアであれば、「『赤旗』はこう報じているけど、左傾のバイアスがかかっているかもしれないな」「民放はこう報じているけどスポンサーの意向があるんだろうな」「NHKはこう報じているけど、まぁ国営だからな」「新華社はこう報じているけど、まぁ中国当局の意向はあるよな」と、普通、ある程度の警戒をしますよね。

大手メディアだから信用できるかというわけでもなく、「大手メディアはこう報じているけど、個人ブログではこういう指摘もある(なるほど!)」という場合も、(特に昨今では多々)あるわけです。

「こういうメディアだけれども」という、いわば「タグ付け」をすることで、読者(まず自分自身ですが)に対して、報道内容そのものより一段メタなレベルでの心構えを促すわけです。

だからたとえば、alex99さんの例で言えば、「ネットニュースか新聞だか分からないから評価の基準を定めにくいですが、他にこういう報道もあるようです」と提示すれば(判断は読者に委ねる)、それはメディアリテラシー的には全然OKだったでしょう。

ところがalex99さんは、「ネットニュースだか新聞だか分からないけど」と、タグ付け不可能を表明したにもかかわらず、その報道が事実であることの典拠にしてしまっているわけです。タグ付け困難な状況が往々にして生じるのはしかたありません。しかし、であればこそ、その評価には留保が必要になります。

以上が一番重要な点ですが、他にも、alex99さんのメディアリテラシーの欠如を窺わせる点が、ここまでのコメントのなかに少なくとも3つありますが、本件からはちょっとズレますので、また機会があれば。

それから、

>状況的に事実であることは、間違いないことは、貴方もお認めになっていると思います

この部分はびっくりするほど間違っていますね。私は「事実だと仮定して(根拠は何だと言われても困る)」と書いております。「根拠なしに仮定する」と「事実であることは間違いないと認める」とのあいだには千里の径庭があります。

>リテラシーを欠いているとは、普通、バカだということの言い換えですよね(笑)

賢さや愚かさは一つの傾向であって、愚かな人間が常に愚かであるわけでもなく、賢い人間が愚かな真似をしないわけでもありません。ただし、そうした傾向はけっこう執拗なものであって、何かにつけていろいろな形で表面化するというのも、また確かな現実です。

少なくとも本件についてはメディアリテラシーの問題だと思います。メディアリテラシーというのは、いわば単なる「習慣」の問題です。まぁ知性一般も「習慣」なのだという穿った言い方もあるかもしれませんが。

ただ、たとえば、少し前の話になりますが、原発についてtakさんが世代間倫理の話をしているときに「死者が出ていないから経済問題」などと頓珍漢なことを言い出すのは、申し訳ないけど、馬鹿だなぁと思いましたね、正直なところ。

投稿: 山辺響 | 2011年8月26日 09:21

それでは、私がバカだという結論で・・・(笑)
こう言う場で、人をバカだと言い切る山辺さんの確信には圧倒されますね(笑)

投稿: alex99 | 2011年8月26日 15:19

とりあえず、私がそう判断する理由は示しましたので、他の方もその是非を判断してくださるものと思います。まぁ他にも、1年くらい前の普天間・辺野古問題でのコメントとか、いろいろありますけど。

まぁ実際、ここまで確信をもって言い切れるケースは珍しいです。私も、(ありがたいことに)人から馬鹿だと言われることは子供の時分からよくありますが、逆はあまりないんですけどね。

投稿: 山辺響 | 2011年8月26日 16:01

>まぁ他にも、1年くらい前の普天間・辺野古問題でのコメントとか、いろいろありますけど
まぁ実際、ここまで確信をもって言い切れるケースは珍しいです。


そこまで確信を持ってバカと断定していただいて、ありがとうございます(笑)
こう言う政治社会的な、思想も関係するがゆえに様々な意見があり得る問題でまで、相手をバカだと決めつけ、一人の(つまり、ご自分の)意見が絶対に正しいとする
そういう方に、初めてお会いしました
数学・物理の話であれば、解は一つと言うこともあり得るでしょうが、それにしても・・・(笑)

人間としてのマナーの問題でもあると思うのですが
まあ、もう、お話しすることはありません

投稿: alex99 | 2011年8月26日 16:54

いえ、普天間・辺野古の問題についても、また本件においてもそれに近いものがありますが、意見そのものがおかしいのではなくて、その導き方がおかしいんですよ。立場や思想の違いとか、そういうことを超えてね。

つまり、「私の意見が正しくてあなたの意見は間違っているから、あなたは馬鹿だ」というナイーブな話ではないのです。

本件にしたところで、「この報道は事実か」は争点ではない(私には分らないし、どちらでもよい)。「この報道は事実だ」という結論を導くプロセスがおかしい、と申し上げているのです。

精妙なプログラムでも、入力値が異なれば出力値は異なる(かもしれない)。それは当然です。それと、プログラムにバグがあるか否かという問題は次元が異なる。

で、「プロセスがおかしい」「プロセスがおかしいという指摘そのものを理解しない」、つまり……というのが私の結論です。

投稿: 山辺響 | 2011年8月26日 17:25

alex さん、山辺響さん:

多くの論争がそうであるように、「噛み合わんなあ」 とお互いに感じておいでだと思います。

争点が 「プロセス」 であるというのは、確かにそうであると思います。

しかしこのケースに関しては、そのプロセス自体がかなり曖昧なので、「紋切り型の結論」 を出すのはかなりのリスクがあると、私自身も最初から感じていました。

そこでどうにか 「確からしいこと」 のみに見当をつけたのですが、その 「確からしいこと」 が、日本語記事では、巧妙にぼかされているらしいこと (「倭奴」 が 「倭人」 となっている) が、私には 「ムッときた」 わけなのです。

ブログの本文には敢えて書きませんでしたが、「この日本語記事を書いたヤツは、安全なところに隠れて、中途半端な火種だけを放り出しやがったな」 ということです。

ですから、ここから議論を発展させるとしたら、中途半端な火種を放り出して、「日韓関係をますますぎくしゃくさせたがっている勢力」 なんてのが、出てくるかもしれません。

また、韓国の主要紙が敢えてこのニュースを無視しているのは、それはそれで面白い現象だと、私はみました。

韓国のエスタブリッシュメントにとっては、あまり表に出したくない 「お恥ずかしいニュース」 なんでしょうね。

そのくらいには、大人になっているのだと。

投稿: tak | 2011年8月27日 21:15

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