CD や 3D テレビは、10年後に生き残るか?
GIZMODO が 「【ギズ大予想】パソコンは、ゲーム機は、ガソリン車はなくなる運命なの? 10年以内に消え去るともいわれる10のガジェットたちを徹底分析!」 という興味深い記事を載せている。この予測記事は、10のガジェットの 10年後を次のように予測している。
- 新曲の CD 販売はなくなる...
- 家庭で特殊メガネをかけて 3D テレビを見る人などいなくなる...
- 電子ブックリーダーはなくなる...
- ハードディスクはコンシューマー向けにはなくなってしまう..
- カギがキーレスエントリーに取って代わってなくなる...
- 携帯ゲーム機は消え去る...
- デジタル音楽プレイヤーはかろうじて生き延びる...
- 意外にも固定電話はなくならない...
- ガソリン車が 10年以内に消え去ることはない...
- パソコン&キーボード&マウスの組み合わせは不滅です...
タイトルだけを読んで意外に思われる方は、リンク先に飛んで本文を読んでいただければ、概ね納得できるのではないかと思う。少なくとも私は 「そんな馬鹿な!」とは思わなかった。
1番目の「新曲の CD 販売はなくなる」というのは、日本ではやや遅れるかもしれないが、世界的趨勢だろう。音楽は「モノ」の形で残すものじゃなくなってきている。さらに書籍もデジタル化するだろうが、こればかりは音楽ほどの勢いではないだろう。
書籍といえば、3番目の「電子ブックリーダはなくなる」という予測は意外かもしれないが、iPad などのタブレット端末がブックリーダー機能をもつので、専用機としてのリーダーはなくなっていくというものだ。なるほど。
この意味で、「ゲーム専用機」としての「携帯ゲーム機は消え去る」という 6番目の予測も納得だが、7番目の「デジタル音楽プレイヤーはかろうじて生き延びる」というビミョーな予測は、どうなるだろうか。スマホは忘れても、小さな音楽プレイヤーだけは手放せない層があるというのは確かだが。
4番目の 「ハードディスクはコンシューマー向けにはなくなってしまう」というのは、SSD の普及という要因のほかに、「だんだんと若い世代ほど、HDD を搭載しないといけないようなコンピューターを必要としなくなってきている」ということが挙げられている。これは私がよく書いている「多くのホームユーザーには、PC は必要ない」ということと重なる。
ただ、一見これと矛盾するのが、10番目の「パソコン&キーボード&マウスの組み合わせは不滅です」という予測だ。「不思議なことかもしれませんが、どんなに時代が進んでも、パソコンにキーボードとマウスという組み合わせだけは、引き続き末永く残っていきそう」というのである。
これは私自身の実感においても共感できる。私はリビングルームや外出先では、今では iPhone や iPad を使っていることが圧倒的に多いが、自分のコックピット(狭いワークスペースのことを、最近こう呼んでいる)では、相変わらず PC を使い倒している。長文原稿入力や、ややこしい業務をこなすには、やはりキーボードとマウスが必要なのだ。
たとえ音声入力が進歩したとしても、私は PC の前でぶつぶつ呟き続ける気にはならないので、キーボードは手放せない。また、タッチパッドを使ったりスクリーンをタッチしたりするよりも、マウスを使う方が仕事がサクサクと進む。こればかりは 10年やそこらでは変わらないだろう。まだまだ肩凝りを我慢するしかないようなのだ。
おもしろいのは、3番目の 「家庭で特殊メガネをかけて 3Dテレビを見る人などいなくなる」という予測だ。これに関しては私も昨年 5月に「3D 映像を巡る冒険」 という記事の中で、次のように書いている。
家庭用テレビに関しては、わざわざ正面に座ってかしこまって見るようなヘビーなプログラムでないと、3D の意味はなかろう。どうでもいいお笑いやバラエティを、眼鏡かけてかしこまって見てもしょうがない。
やはり 3D はヘビーなプログラムを劇場で見るということに落ち着くのではなかろうかと思う。さらにもっと言えば、家庭用の大画面テレビというのも、需要が一巡してしまったらもう伸びはないのではなかろうか。
液晶テレビの価格がますますこなれていったら、自分の部屋で、せいぜい 20インチぐらいの小さな画面で楽しむというような傾向になると、私は思う。お茶の間の大画面で家族揃って一つの番組を楽しむという、「昭和の家族」 的光景は、ちょっと無理じゃないかなあ。
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コメント
3Dって、あまり必要を感じません
サッカーなどのスポーツ番組や、映画などでは効果があるのでしょうが
ステレオでも、ありましたね
3次元ステレオみたいなものが
すぐ廃れました
ステレオで十分と消費者は判断した
PCもやはり、デスクトップですね
たまにノートを使うと、使いにくくてたまらない
私は、昔、サイゴン(ホーチミン)で車で事務所に往復する社内が退屈なので(運転手が運転していたので余計に)、携帯用のテレコにヘッドフォーンのステレオ用ジャックをイアフォン・ジャックに半田付けで付け替えて再生専用に使うことで私製のウォークマンを作って社内で音楽を聴いていました
これは、ウォークマンが発明されるずっと以前なので、ウォークマンを発明したのは私だったのです(笑)
だから、携帯用音楽プレイヤーは永遠であれ!と願っています(笑)
投稿: alex99 | 2011年8月23日 00:43
私の予想
1.新曲の CD 販売はなくなる...
店頭で音楽会社から曲をダウンロードしてCDを焼いて 販売すると思います。店頭在庫ゼロ。店舗面積縮小。一方、同じことを家庭でも。
2.家庭で特殊メガネをかけて 3D テレビを見る人などい なくなる...
当然、あんな鬱陶しいめがねを誰が長時間つけるでしょうか。グラスレスのもあるが、いずれにしても疲れるでしょう。
3.電子ブックリーダーはなくなる...
一万円以下の単機能のものは残るでしょう、というか普及するとみている。
4.ハードディスクはコンシューマー向けにはなくなってしまう..
コストは常にHDD有利、大容量記憶装置としては家庭用としてもいずれ必要、なくなるらないでしょう
5.カギがキーレスエントリーに取って代わってなくなる...
両方残ります。最後は「鍵」ですから
6.携帯ゲーム機は消え去る...
専用機は残りますね。長時間駆動で有利。
7.デジタル音楽プレイヤーはかろうじて生き延びる...
専用機はしっかり残ります。小型、長時間演奏は何より。
8.意外にも固定電話はなくならない...
意外どころかしっかり残る。信頼性抜群!ですから。
9.ガソリン車が 10年以内に消え去ることはない...
10年というスパンではとてもなくならない。20年かかると見ている。航続距離500kmに到達するまでは。
10.パソコン&キーボード&マウスの組み合わせは不滅です...
当然でしょうね。
投稿: ハマッコー | 2011年8月23日 09:42
デジタル音楽プレイヤーがゲームや電子書籍と違うのは、それなりの画面が必要ないから超小型化できるという点でしょうね。スポーツしながらとか、そういう用途になるんでしょうが……。
記事(元のGIZMODEも含めて)の内容には概ね同意ですが、「生き残る/なくなる」の基準をどこに置くのかというのは微妙でしょうね。たとえばFAXは元記事ではもはや俎上にも載せられていませんが十分に現役として使われていますし(我が家も月1くらいで使っています)、業界によっては和文タイプライター(!)も健在と聞きます。もちろん(特に後者は)ニッチ市場ではありますが……。
未来図としては、何がなくなるかよりも、「人体へのチップ埋め込み」がどれくらい実用化されるのかが気になります(^^;
投稿: 山辺響 | 2011年8月23日 10:57
alex さん
>3Dって、あまり必要を感じません
目が疲れそうですよね。
>PCもやはり、デスクトップですね
>たまにノートを使うと、使いにくくてたまらない
私は以前はメインマシンのデスクトップと、モバイル用のノートを使っていましたが、今はノート 1台体制です。
家ではノートに外部キーボードとディスプレイを接続して快適に使っています。
2台体制だと同期が面倒なので、このシステムに落ち着きました。
>これは、ウォークマンが発明されるずっと以前なので、ウォークマンを発明したのは私だったのです(笑)
恐れ入りました。
でも、それはウォークマンじゃなくて、「バックシートマン」 ですね (^o^)
投稿: tak | 2011年8月23日 11:22
ハマッコー さん:
>店頭で音楽会社から曲をダウンロードしてCDを焼いて 販売すると思います。店頭在庫ゼロ。店舗面積縮小。一方、同じことを家庭でも。
ベストセラーだけカウンターに並べておいて、それ以外は店頭で焼くってことになるかもしれませんね。
(電子ブックリーダー)>一万円以下の単機能のものは残るでしょう、というか普及するとみている。
教科書用としてとかなら、大々的に普及するかもしれませんね。
それ以外の用途としては、私は 1万円以下でも電子ブックリーダーに抵抗のある人は買わないと思います。抵抗のない人は、専用機よりもタブレットを買うんじゃないかと。
>コストは常にHDD有利、大容量記憶装置としては家庭用としてもいずれ必要、なくなるらないでしょう
SSD が 1TB まで大容量化して、しかも安くなったら、私は HD は要らないかなと。
記憶装置としては、クラウド使用が広まるでしょうし。
(鍵について)>両方残ります。最後は「鍵」ですから
鍵本体は、家の引き出しに保管しといて、普段は持ち歩かないというスタイルになるといいなあと思います。
私のキーホルダーは、いろいろな関係先の鍵が一杯付いていて、ジャラジャラ重くてたまらないので。
携帯ゲーム機は関心がないのでパスします。
7.デジタル音楽プレイヤーはかろうじて生き延びる...
(デジタル音楽プレイヤー) >専用機はしっかり残ります。小型、長時間演奏は何より。
納得です。
(固定電話)>意外どころかしっかり残る。信頼性抜群!ですから。
ここまで定着した 「ありもの」 を消す方が大変ですね。
(ガソリン車)>10年というスパンではとてもなくならない。20年かかると見ている。航続距離500kmに到達するまでは。
ガソリン車なら航続距離 400km でも OK ですが、電気自動車は充電に手間がかかるので 500km は欲しいですね。
100km 内外では、結局のところガソリン車との 2台持ちにしなければいけないので、ダメです。
(パソコン&キーボード&マウス)>当然でしょうね。
私は alex さんへのレスで書いたように、デスクトップからは離れましたが、キーボードとマウスは捨てられません。
投稿: tak | 2011年8月23日 12:24
山辺響 さん:
>デジタル音楽プレイヤーがゲームや電子書籍と違うのは、それなりの画面が必要ないから超小型化できるという点でしょうね。スポーツしながらとか、そういう用途になるんでしょうが……。
納得です。
>記事(元のGIZMODEも含めて)の内容には概ね同意ですが、「生き残る/なくなる」の基準をどこに置くのかというのは微妙でしょうね。
確かに。
個人的には、カセットテープは既に 「なくなった」 と思っているんですが、まだまだ現役という場面もあったりして。
>たとえばFAXは元記事ではもはや俎上にも載せられていませんが十分に現役として使われていますし(我が家も月1くらいで使っています)、
我が家も、着信と発信がそれぞれ月に 2回ぐらいあります。
「メール対応してくれよ」 と心の底から思ってるんですが、FAX だけでもよっぽどハイテク対応してやってるんだと思っている人は、メールなんて別世界のことだと感じているようで、どうしようもありません。
>業界によっては和文タイプライター(!)も健在と聞きます。もちろん(特に後者は)ニッチ市場ではありますが……。
驚きです。
いったいどんな業界ですか? …… と思ってググって見たら、年配の司法書士などがまだ使っているようですね。すごいなあ。
>未来図としては、何がなくなるかよりも、「人体へのチップ埋め込み」がどれくらい実用化されるのかが気になります(^^;
これが実用化されたら、世の中ものすごく便利にはなるでしょうが、抵抗あるなあ ^^;)
投稿: tak | 2011年8月23日 12:40
和文タイプライターの件は、「仕事柄、司法書士のかたとのお付き合いがあるんですが、けっこうまだ残っていますよ」と誰かに言われてびっくりしました(でもその「誰か」が思い出せないのはどういうことだ…>自分)。
ちなみに「和文タイプライターを使ったことがある」というのが、私のちょっとした自慢です。けっこう好きでした。もう少し年配の方だと当たり前のことなのかもしれませんが……。
投稿: 山辺響 | 2011年8月24日 10:13
山辺響 さん:
>ちなみに「和文タイプライターを使ったことがある」というのが、私のちょっとした自慢です。
そりゃ、確かに自慢になりますね。
私は、間近で見たことすらありません。
投稿: tak | 2011年8月24日 19:44
私はMOがいらなくなってしまうのが、予想できませんでした。
MOのディスクを(あのころ1万円だったのに)
5枚くらい買って持ってます。馬鹿で~~す。
投稿: tokiko68 | 2011年8月27日 15:33
ってか、
フロッピーディスクがいらない物になるとは
よそうできませんでした。最近
200枚くらい捨てました。
投稿: tokiko68 | 2011年8月27日 15:35
tokiko68 さん
そう言えば、今や電気店に行っても、FD とMD は見当たりませんね~
投稿: tak | 2011年8月27日 17:39