庄内平野のヒグラシ
遠い昔の記憶とは、あてにならないものである。私は自分の生まれた庄内平野では、セミは主にアブラゼミとツクツクホウシしかいないものだと思っていた。夏の盛りの「ジージー」という声、そして夏の終わりの「ホウシツクツクツク……」という繰り返し。それこそが庄内のセミの声だという印象が強い。
ところが、昨日たまたまカーラジオで聞いた「庄内平野 風の中」という演歌に「千のひぐらし 鳴いてます」という歌詞がある。「ウソだ、庄内平野でそんなにひぐらしが鳴いてるわけないだろう」と、反射的に思ってしまった。
ところが念のため、「庄内 ヒグラシ」でググってみると、意外な結果だった。庄内平野でもヒグラシが盛んに鳴いているというのである。「かがくナビ」 というサイトに、次のような記述がある。(参照)
ヒグラシは夏の終わりに鳴くセミと勘違いされていることがあります。これは、俳句でヒグラシが秋の季語とされているからですが、実際には7月のなかばくらいから活発に活動するセミです。ここ庄内も今が最盛期。夕方になると「カナカナカナ・・・」というヒグラシの声がよく響いています
いやはや。私は自分の思い込みを恥じてしまったのである。庄内平野でもヒグラシは鳴くのだ。もしかしたら子供の頃の他の思い出というのも、ずいぶんいろいろな記憶違いがあるのかもしれない。いちいち詮索したら、思い出の風景や音などというのは、実際とはかなり違っているのだろう。
まあ、それでもいい。思い出は個人個人で違っていてもいいじゃないか。記憶の微妙な違いが、その人なりの個性を作ることにつながっているということだってあるだろうから。
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