紳助引退に関連して、私もちょっとだけ書いておく
なんだか世の中が紳助引退の話でもちきりなので、私も何か書こうと思ったのだが、書こうにもあまり予備知識がないので書けない。とはいえ、ちょっと前に Twitter に彼について一言書いたことがあったので、行きがかり上、何か書いておく。ちなみにちょっと前の tweet とは、こんなのである(参照)。
島田紳助の出てる番組ってのをみた(タイトル忘れた)。芸能界における処世術を、紳助がドヤ顔でしゃべりまくるだけだった。表であんな調子なんだから、裏ではさぞかし説教好きなんだろうなあと思った。
なんとまあ、普段は全然彼の話題なんか書きそうもない私が、たまたまこんなことを書くと、それから 10日も経たないうちに引退騒動である。これからは芸能界から消したいタレントがいたら、私に言っておくれ。適当なことを tweet してあげちゃうから。
ちなみにこの tweet には、@morikenken さんからこんなような返信があったとお伝えしておく(参照)。
その説教を、無視したりすると殴られて事件になっちゃう訳ですね (笑)
そういえば、そんなような事件があったよなあ。態度がなってないとか言って、女性をぶんなぐっちゃったんだっけか。態度がなってない女性をぶんなぐるというのは、しかるべき行為だったんだろうなあ、彼にとっては。
で、私の tweet に戻る。私の見たのは出演者が簡単なクイズにまともに答えられないというような、バラエティ的にあるべき馬鹿の姿を競い合う番組だったんだけど、この中で紳助は(もう一般人だから「さん付け」にすべきだとの説もあるが、芸名なので慣例通り呼び捨てにしておく)、まあ、彼一流という類の話芸を披露していた。
ところがその話芸が、この手のバラエティ番組が好きで好きでたまらないというような視聴者にはよくわかるであろう楽屋落ちばかりちりばめられているので、たまたまちょっと見ただけの私のような者には、何がおかしいのかわからない。単に「お笑い業界内処世術をドヤ顔で語っている」だけにしか聞こえない。
で、彼が引退してから、彼に縁のある(のであろう)お笑い芸人、ファン、そして大阪府知事までが彼を惜しむコメントを続々と発しているのを見るにつけ、「ああ、あの世界は、事務所、メディア、タレント、さらにはファンまでもが一蓮托生になった運命共同体であるのだなあ」と感慨を深くした。
ファンまでもが、まるで業界の一員であるかのような共同幻想を共有しているからこそ、あのような「業界内処世術」的なお話が、不思議な広がりをもって「あるよね、あるよね」ってな感じで通じてしまうんだろうなあと、しみじみ思ったのである。
この感じ、寿司屋の客まで「あがり」だの「おあいそ」だのと言ってるのと共通したイヤらしさを感じると言えば、通じる人には通じるだろうか。
上下関係に妙にうるさく、誰かがボケたらすかさずツッコミで応じないとつまらないヤツという烙印を押され、馬鹿を装いながら義理人情だけは欠かさずというような「空気 が、あの業界の外の世界までかなり広まっているということだ。今や、一般人の世界もなかなか大変なのである。とりもなおさず、極道の世界のバリエーションである。
この世の中のかなり広い範囲までが、そっち方面の「勘の良さ」とか「如才なさ」とかがないと、なかなか生きにくい世の中になってしまっているみたいなのだよ。疲れるなあ。正直言って、紳助のようなタイプの人間は、私はあんまりお友達になりたくないなあと思ってしまうのである。本当に、無茶苦茶疲れそうだ。
ただ、お友達になりたくないからと言って、テレビの世界から抹殺したいとまで思っていたわけじゃない(見なきゃいいだけだから)ので、今回の引退騒ぎは「へぇ~!」と驚くばかりである。これって、深く裏読みをすればいくらでも小ネタが出てくるんだろうが、そこまで突っ込むほどの興味がわかないので、この辺で止めておく。
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コメント
鑑定団以外は、相いれることはありませんでした。
くどすぎて…。
投稿: 乙痴庵 | 2011年8月29日 00:09
今回の「事件」で一番驚いたのは、官房長官がそれについてコメントしたことでした。アホな記者がコメントを求めたんでしょうが、たかがコップの中の話、国政とは何にも関係なし、民主党がますますアホに思えた瞬間でした。「それについては何もコメントはありません」と答えてほしかったなあ。
投稿: ハマッコー | 2011年8月29日 02:15
乙痴庵 さん:
鑑定団って、紳助だったんですか。
見たことあるけど、印象にありませんでした。
その程度がよかったのかな。
お宝にドヤ顔で説教してもしょうがないから。
投稿: tak | 2011年8月29日 06:57
ハマッコー さん:
紳助の芸風って、政治家の心の琴線に響く何かがあるのかなあ。
投稿: tak | 2011年8月29日 06:59
思わず膝を打ってしまいました。
「お笑い」番組とか、「芸人」が沢山出てくる番組を子供に見せたくない、見過ぎると馬鹿になると思うのは、ジョークであるとかヒューモアとががくだらないものであるからではなくって、takさんの指摘するような「空気」に縛られた思考をしてしまう(少なくともそれがフツーのものだと思ってしまう)ような気がするからなんですよ。
十分幅広くいろいろと見たり聞いたりした大人であれば、逆にそういうものへの反発の中からポジティブなものが生まれるのでしょうけれども、小学生や中高生は(特に日本では)常に assimilation を強いるプレッシャーに直面していますからね。
投稿: きっしー | 2011年8月29日 14:11
>この感じ、寿司屋の客まで 「あがり」 だの 「おあいそ」 だのと言ってるのと共通したイヤらしさを感じると言えば、通じる人には通じるだろうか。
本題と全く関係ありませんが一つ勉強になりましたので,感謝の意を伝えたくw
これまで何もわからず他の客が使っていた言葉をさも常連のように「おあいそ」と使ってしまっていたけれど,符牒の意を理解すれば,とても恥ずかしいことをしていたのだと反省しました,ハイ.
教えていただきありがとうございます.
投稿: 紅いも | 2011年8月29日 18:49
きっしー さん:
ありがとうございます。
この記事の真意が十分伝わったようで、うれしいです。
>小学生や中高生は(特に日本では)常に assimilation を強いるプレッシャーに直面していますからね。
まさに。
「いろいろあるから、おもしろい」 という思想がものすごく薄いんですよね。
投稿: tak | 2011年8月31日 08:01
紅いも さん:
というわけで、今後ともよろしく m(_ _)m
投稿: tak | 2011年8月31日 08:03