日本水泳界が自由形選手育成に力を入れたら
上海で開かれている水泳世界選手権の男子 400メートル・メドレーリレーで、日本(入江、北島、藤井、日原)は 日本は第三泳者のバタフライ藤井までトップだったが、最後の自由形でアメリカ、オーストラリア、ドイツにかわされ、4位に終わった。どうみても日本の課題は自由形(要するにクロール)種目の強化である。
TBS ラジオ「小島慶子のキラキラ」でスポーツライターの生島淳氏がこの件で語ったところによると、日本水泳でクロールが弱いのは、かなり構造的な問題なのだという。
まず日本の水泳界では、「日本人は体格的にクロールでは世界で戦えない」という思い込みが強いのだそうだ。確かにムキムキの欧米選手と比べると、クロールの、とくに 50m とか 100m とかの短距離では勝負にならないと思うのもしかたがない。
そこで日本のスイミングクラブでは、有力選手ほど中学校ぐらいでクロール以外のを専門種目にする傾向があるのだそうだ。なるほど、コーチが 「こいつ、才能があるな」とみたら、世界でメダルの取れそうな種目に行けと勧めるのは、当然といえば当然だろう。敢えて競争の激しい種目に分け入っていくよりは、結果が出しやすい。
なるほど、それで日本のメドレーリレーは、第三泳者までは強いのだ。そして最後の自由形で、「こいつ、世界では勝負できないな」とコーチに思われてしまった選手が泳ぐということになるのだから、最後の最後であっさり逆転されるのは当然だ。
ただ、日本人がクロールでは世界で勝てないという思い込みの根拠は、最近崩れつつあるらしい。というのは、400m や 1500m で、韓国と中国の選手が金メダルや銀メダルを取っているからだ。日本人と体格的にはあまり変わらないアジア選手が活躍しているのだから、日本人だって少なくとも中長距離でならやれないはずがない。
ただ、日本の水泳界でクロール選手育成に力を入れ始めたとしても、その成果が現れるまでには 5年から 20年かかるだろうという。すぐに強い自由形選手が出現するわけではない。息の長い話のようなのだ。
さらに自由形選手育成に力を入れるとなると、これまで背泳ぎや平泳ぎにまわっていた運動能力の高い少年少女のうちの一部が、自由形の方に供給されることになる。ということは、自由形以外の選手層がこれまでと比較して薄くなるということだ。ということは、背泳ぎや平泳ぎは多少弱体化するだろう。
つまり「自由形さえ補強すればメドレーリレーで楽勝できる」というわけではない。「あちら立てればこちらが立たず」というのは世の常である。
これは水泳界に限らず、何事も一筋縄でいくものではない。なでしこジャパンの活躍に刺激されて、多くの身体能力の高い少女がサッカーを始めるようになると、他のスポーツが手薄になる。今日本女子が強い柔道やレスリングがこのままいけるとは限らない。
さらにスポーツ界ばかりではない。ビジネスの世界、とくに製造業の競争力にも言えることだろう。どこに力を入れて育成するかで、未来の構図は大きく違ってくる。エネルギー問題でもそうだ。現状は、これまで原子力に力を入れすぎてきたことの結果である。
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コメント
背泳ぎは、ウチの小僧にご期待ください。
中学の岐阜県大会に出ました。弥栄弥栄。
地区予選(市内大会)のクオリファイをクリアしての出場でした。
実質、ウチの中学校に背泳ぎのできる子が少なくて、一応経験者の小僧に白羽の矢が…。
結果、自己ベストを更新できない、本人にとって残念な結果だったようです。
なぁに。中学1年で県大会の雰囲気を味わえただけでも、本当にありがたいことです。
まだまだモヤシの身体なので、「ムキムキの欧米選手」には、程遠い。
筋肉つき次第で大化けする可能性を秘め…、(親バカ)期待している状況です。
投稿: 乙痴庵 | 2011年8月 2日 22:06
乙痴庵 さん:
おお、なかなかのものですね。
来年は大化けしてるかもしれません。
投稿: tak | 2011年8月 2日 23:35