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2011年9月 5日

どうも私は 3D 映像がきちんと立体視できない人のようなのだよ

先月 22日に、CD や 3D テレビは、10年後に生き残るか? という記事で、「家庭で特殊メガネをかけて 3Dテレビを見る人などいなくなる」 という予測を紹介した。これには私も同感で、昨年の 5月、3D テレビの販売プロモーションに火がついていた頃の記事(参照)の中から、次のように引用している。

家庭用テレビに関しては、わざわざ正面に座ってかしこまって見るようなヘビーなプログラムでないと、3D  の意味はなかろう。どうでもいいお笑いやバラエティを、眼鏡かけてかしこまって見てもしょうがない。

で、これは私のようなへそ曲がりだけの考えではなく、ごくフツーのユーザーにとっても同様のようなのだ。ライブドア・ニュースが、「3Dテレビ購入者の約 75%が "不満" のワケ」(日刊 SPA!)という記事を紹介している。

まあ、高い金を出して買っては見たけれど、4人に 3人は「失敗」だったと思ってしまっているということだ。

不満の要因は、専用メガネを付けて見なければならないのがうっとうしいということと、テレビの正面でかしこまって見なければならないという「姿勢の制約」に大別されるという。要するに、私が昨年の 5月に書いた、元々わかりきっていた懸念が、「やっぱりね」という形で確認されただけのお話のようだ。

で、ことはそれだけでは済まない。突き詰めた話として、専用メガネをかけても、ちっとも立体的になんか見えないというユーザーも、少なからずいるということがわかってきたのである。せっかく高い金を出しても 3D になって見えないのでは、詐欺に遭ったような気がしてしまうだろう。

そして実は、他ならぬこの私が、専用メガネをかけても 3D になって見えないというタイプの人間のようなのである。

先日、地元の家電量販店で買い物をしたとき、3D テレビのデモ機が稼働していた。そばに専用メガネが置いてあって、それをすれば立体視を体験できるということのようなのである。

で、せっかくだから、そのメガネをかけて、3D テレビを正面から覗いてみた。ところが、ちっとも立体的に見えないのである。映像はその店のスタッフが 3D ビデオで録画した地元の観光地の様子である。専用メガネを付けないと、輪郭が二重になって見えるだけだ。そしてなんと、専用メガネをつけても、見え方がちっとも変わらないのである。

近くにいた店員に「ちっとも 3D に見えないんだけど」と訊ねると、「はあ、たまにそういう方がいらっしゃいます。フツーは立体視できるはずなんですけど」と言う。いかにも私の目が「フツーじゃない」と言わんばかりのコメントである。まあ、確かにフツーじゃないんだろうけど。

試しに「3D/見えない」の 2語でシンプルにググってみると、941万件ものページがヒットした。へぇ、確かに「フツー」じゃないかもしれないが、かといって、それほど「特殊」なことでもないようなのである。

検索結果のトップにあった 「Topa-z  3D 3D 映像が立体に 見えない ?」 というページによると、3D 映像がちゃんと立体視できない人というのは、次の 7つのうちの 1つまたは複数の問題があるらしい。

  • 両目の視力が大きく違う人
  • 斜視の人
  • 乱視が強い人
  • 本人の気付かない目の機能の不調
  • 利き目が強い人
  • 乗り物酔いしやすい人
  • 3D 映像の映像方式やその他の原因により目に不調がなくても立体に見えにくい場合

う~ん、私は確かに最近、乱視気味と指摘されて、メガネをかけて矯正しているんだけれど、「乱視が強い人 呼ばわりされるほどではないと思っている。

両目の視力はそんなに違わないし、斜視でもない。利き目が強いってわけでもないと思うし、乗り物酔いしやすいわけでもない。あとは、「本人の気付かない目の機能の不調」だの「映像方式やその他の原因」だのとなると、もうお手上げだ。

これで、我が家は 3D テレビを買ってもしょうがないということがわかった。元々買う気がないのだから、それはそれで別にどうでもいいが、もしかしたら、映画館で 3D 作品を見ても、最初から最後まで二重輪郭の映像を見せられて帰ってくるだけだとしたら、それはつまらんなあと思ってしまうのである。

こればかりは、試してみないとわからないのだから、もしダメだったらショックが大きいだろうなあ。「金返せ」と言っても通じないだろうし、そういえば、子供の頃からこの手の立体視というのは苦手だったなあ。

 

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コメント

どうして世の中の方々は3Dなどに惹かれるのでしょうねぇ.
今まで緑と赤の眼鏡でしか立体的に見せられなかったなかで,技術的に新しいからでしょうか.
3Dだろうが4Dだろうが,ダメ映画ダメ番組が良くなるとは到底思えませぬ.

そもそも3Dの開発を最初に思いついた人の考えが理解できません.
この世に必要だと本当に思っていたのでしょうかねぇ.

それでいて購入者が買った後で,「立体視できない」などとクレームw
そもそも購入者が立体視できるかどうかの客観的判断を店員が不可能なんですから,そんな怪しい商品を販売すること自体疑問です.
店側の「絶対満足のいく商品を皆様にお買い上げして頂きたい!」なんて売り文句,嘘っぱちですね.
これじゃ商品の質の悪さもさることながら,販売店のサービスの提供理念の質も疑いますねぇ.

絶対買いません3Dテレビなんて,,,
ホントちっともわかりませぬ.

投稿: 紅いも | 2011年9月 5日 18:52

乱視ですけど、店頭では立体的に見えました。
でもだからどうしたのって感じですね。

70年代に4chステレオを各社が競って販売しましたが、あっという間に市場から姿を消しましたね。あれと同じ運命をたどると思います。

液晶テレビは殆ど利益が出ないので、何とか付加価値を高めようという作戦なんでしょうが、消費者を甘く見すぎですよね。

投稿: ハマッコー | 2011年9月 5日 19:22

うーん。私も3Dテレビは必要ない派なんで、買う事はないんですが(立体視は出来るが)、買ったユーザーが後から「ちっとも立体的に見えない」というのは、なんなんでしょうかね? あんな高い買い物の、一番メインの機能を確かめずに買った、という事なんでしょうか(笑)
takさんの仰る通り、予想された問題ばかりで、さすがに同情出来ませんね(笑) いるいらないではなく、流行りモノに飛び付くとこうなる、という教訓にはなりますね(;_;)

投稿: シリオンパパ | 2011年9月 5日 23:23

とある映像関係会社の展示会で、なんちゃらメガネをかけて3D映像を30分くらい体験してきました。

 確かに、奥行きというか、手前の被写体の奥に何か遠近感を感じ、一応拙は3D対応視覚のようです。

 しかし…。正直、5分くらい身体の平衡感覚が戻りませんでした。(船酔いと認識する直前のような感覚)

 テレビ自体、身体(特に目)に負担をかけるモノなので、自称昔人の拙には3Dは過ぎたる技術と思ってます。

投稿: 乙痴庵 | 2011年9月 6日 09:28

紅いも さん:

現行方式では立体視できない人がいる以上、3D が日本のスタンダードになることはないでしょうね。

スタンダードにならないなら、買う意味がないと。

投稿: tak | 2011年9月 6日 13:37

ハマッコー さん:

>70年代に4chステレオを各社が競って販売しましたが、あっという間に市場から姿を消しましたね。あれと同じ運命をたどると思います。

なきゃ不便というものでもないし、あればあっただけ面倒ということなら、いらないですもんね。

投稿: tak | 2011年9月 6日 13:38

シリオンパパ さん:

まあ、高い買い物なので、買う前に実際に見て試してみるぐらいのことはするでしょうから、買ってはみたものの、立体視できねぇじゃねぇか! ってなことは、ほとんどないでしょうけどね。

でも、家族の誰かが立体視できず、一人だけ疎外感ってなことはあるかも。

いずれにしても、いりませんね。

投稿: tak | 2011年9月 6日 13:41

乙痴庵 さん:

確かに、疲れそうですね。
ただでさえ、パソコンに向かう仕事で目を酷使しているので、テレビでまで疲れたくないです。

というわけで、やっぱりパスですね。

投稿: tak | 2011年9月 6日 13:42

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