野田内閣、もしかしたら案外もつのかも
読売新聞の調査によると、野田内閣の支持率が 65%に達して、内閣発足直後の調査としては、1978年の大平内閣以降で 5番目に高いのだそうだ。ただ、内閣を支持する理由として最も多かったのが、「これまでの内閣よりよい」というもので、それが 48%に達したというのが、ちょっともの悲しいけれど、まあ、そんなものなのだろう。
「今までの首相よりは多少マシみたいだから、とりあえず支持しといてやろう」というのでは、危なくてしょうがない。それを言ったら菅内閣発足時の調査でも、「鳩山よりゃマシだろうし、小沢でなくてよかった」という空気で、今回の 65%より 1%低いだけの 64%だったのだから。
ただ、多少期待があるとすれば、野田さんは「何をしゃべっているのかわかる」というレベルの言語能力があるということだ。こんな当たり前のことでプラス評価をするというのも、あまりにももの悲しいが、いかんせん、これまでの首相は「何を言ってるんだかわからん」と言いたくなるほど、要点をはっきりさせた話ができなかった。
内閣支持率を上げるには、実は単純なことさえ実行すればいいのだ。それは「モノをはっきり言う」ということである。自民党が、というより小泉さんが圧勝して、結果として自民党を壊した平成 17年(2005年)のいわゆる「郵政選挙」の際も、その圧勝の要因は、「モノをはっきり言った」ということだった。
選挙直後の同年 9月 12日の記事で、私は次のように書いている。(参照)
さすが塩じい。頭の中、若いなあ。
某選挙報道番組で、「小泉さんの作戦の勝利ですよ」とコメント。「作戦というのは?」と突っ込まれ、「そら、モノ、はっきり言うちゅうこってすわ」と飄々と言い放つ。「郵政民営化に焦点を絞った」なんて、フツーの評論家みたいなことは言わないのである。
まさに、この選挙での小泉さん圧勝の要因を最も明確に言い当てていたのは、評論家に転身したばかりの塩じい、塩川正十郎 氏だったと思う。要するに、小泉さんは 「モノをはっきり言った」から支持を集めたのである。
その点、野田さんは 「何を言ってるのかわかる」という言語能力はもっているけれど、「モノをはっきり言う」という点では、小泉さんほどのレベルに達していないと思う。ただ、そのあたりは、「このおっさんにモノを頼まれたら、断りにくいわなあ」と思わせてしまうような、独特の風貌と雰囲気でカバーしてしまうかもしれない。
そして国民の方でも、「いくら何でも、首相変わりすぎで、対外的にこっ恥ずかしい」と、ようやく思い始めているから、多少のこと(外国人献金とか)には目をつむっておいてやろうという、これまた「空気」が漂い始めている。日本人はもとより空気には弱いのである。
野田内閣、うまくやれば結構もつかもしれないではないか。あれだけ言っていた「大連立」の「だ」の字も忘れてしまったみたいなのには、ちょっと首をかしげるが、その辺が、融通の利くところなのかもしれないしね。
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