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2011年9月19日

風評被害に荷担するようなことは、とにもかくにも避けたい

愛知県の花火大会で、住民の苦情により福島産の花火打ち上げが中止になったという。朝日新聞によると、福島の花火に対する抗議の電話やメール約 20件が、市役所や市商工会に「殺到」したのだという(参照)。20件程度で「殺到」と言っていいのか、私は首を捻ってしまうがなあ。

住民にしてみれば、地元の上空で花火を破裂させるのだから、ちょっと気持ち悪い気がしたとしても無理もないが、よく考えれば、それはあまり根拠のない話だとわかるはずだ。

放射線の値が高い地域の農作物とか、野ざらしになっていたものとかなら、そりゃちょっと慎重になってもらいたいと思うのはもっともだが、花火というのは、火薬を丸めたものである。火薬は (福島以外のところにあるかもしれない) 化学工場で作られたもので、製造過程で放射性物質を浴びまくった可能性は、とてもとてもとても低い。

先日は福岡のどこだかで、「福島のトラックが来るだけで放射能をまきちらす」 なんてことを言いだした住民に負けて、被災地支援イベントが中止になった。まったく風評被害もいいところである。こんなことで妙なことを言い出すのは、学校で言えばモンスター・ペアレントみたいなものだ。

よくまあ、恥ずかしげもなくそんな馬鹿なことを言い出せるものだと思う。心ある地元住民は、「同じ地域に住む者として恥ずかしい!」 ぐらいのことを、きちんと大きな声で言ってもらいたいものである。

ただ実際問題として、今回の原発事故による放射能汚染は、かなり進んでしまっている。私の住んでいる茨城県南部も、数値的には案外高い。しかし私としては、汚染されてしまったんだから、これはもうしょうがないと思っている。(ただし、除染の必要がないと言っているわけではない)

農作物にしても、検査結果が基準値以下で店頭で販売されているものならば、気にせず食べようと覚悟を決めている。体の細胞分裂が盛んな子供には、できるだけ気を付けてあげたいと思うが、大人なら大丈夫だろう。私も来年還暦だし、どうしてもあと 30年以上生きようとも思わない。軽い気持ちで引き受けようと思う。

そして風評被害に荷担するようなことは、とにもかくにも避けたいと思っている。

【22日 追記】

この問題で、愛知県日進市の萩野幸三同市長が 22日、福島県川俣町役場を訪れ、古川道郎町長らに 「新たな風評被害への心労を招き、心よりおわびする」 と謝罪した。市民の理解を得て、早期に同町の花火を打ち上げる考えを示したという。(参照

やれやれ。

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コメント

放射線の素人にとっては風評被害なのかどうかの判断は難しいですね。武田邦彦先生は「気にするのが普通」と書いています。

以下引用です。
http://takedanet.com/2011/09/post_e6d6.html
なぜ、花火の放射性物質を気にするのが行き過ぎなのか? 汚染の数値が示されていないのだから、気にするのが普通。

そこで「なんで花火ぐらい良いのか?」と聞きますと、別に理由は無いようでした。

投稿: ヒロシ | 2011年9月21日 11:36

ヒロシ さん:

武田邦彦氏の言説は、私自身以前はかなり参考にしていましたが、近頃はどうもエキセントリックな要素を感じて、ちょっと距離を置いています。

時々日本語が不自由になられるようでもあるし。

投稿: tak | 2011年9月21日 13:24

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