「ミミズ文字」 を判読する仕事があるという
今朝、「ミミズ文字」をすらすら判読する "達人" 26人の正体 というニュースを読んで、かなり複雑な気分になってしまった。医者が殴り書きした診断書を判読するという特殊な仕事の需要というのがあって、その仕事の優秀な人材は、中国にいるというのである。
医者の殴り書きのことを「ミミズ文字」というのだそうだ。この漢字、カタカナ、英語、ドイツ語、それに加えて数々の専門用語が入り交じる文章の中には、どうがんばっても判読不能という文字があり、生命保険会社などはかなり困っているのだそうだ。
この「ミミズ文字」を判読して、文字データとして入力する仕事が必要で、中国人がこの仕事に従事して、安い人件費で正確な判読を売り物にしているのだそうである。日本人がこなすと診断書 1枚あたり 15分かかっていたが、中国人がその時間を 6分にまで短縮したのだそうだ。
しかし、しかしである。
そもそもこんな仕事が必要になるというのがおかしいのではないか。他人が読めない診断書を書くということ自体がどうかしているのである。
医者が他人にわかるようにきちんと書きさえすればいいのである。字が下手でしょうがないというなら、ワープロ入力すればいい。他人に読めない診断書を書いて金をとるなんてことは、仕事の倫理にもとるだろう。
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コメント
>字が下手でしょうがないというなら、ワープロ入力すればいい。
そのとおりなのですが、保険業界が要求する診断書・入院証明書がそれぞれ互換性がないためにワープロ入力がかなわないのです。
だいたい入院された患者さん一人当たり平均数件の入院証明書を発行していますが、(大手生命保険・簡易保険・外資系などの入院保険などで)必要な情報は殆ど(というか全く)同じなのに書式が違うために、一々主治医が手書きしているのが従来でした。
手術や外来や回診が終わって一日の仕事の最後に、デスクに積まれた書類に向かうことになります。
厚労省もその大変さが分かってきたので、今では「病院勤務医の負担の軽減を図るための医師事務作業の補助の体制」をとるように指導しています。
私の病院では診断書を一枚記入したら、パートの事務員さんがその内容を他の診断書に写してくれるようになって、人間ワープロの時間が数分の一に減りました。
太陽生命も中国人を訓練して雇うぐらいならば、業界の音頭を取って書式(ワープロのフォーマット)を統一したら良いと思います。
そうすれば病院勤務医と保険の審査部から大いに感謝されると思います。
ちなみに医師会の勤務医部会から保険業界に同様の意見を繰り返し要望していますが、未だに解決されていないのが現状です。
投稿: ちいくま | 2011年10月20日 14:54
ということは、一度ワープロ入力したら、各保険会社の書式に自動変換して出力するソフトを作ればいいんですね。ありそうなもんですが…
投稿: もりけん | 2011年10月20日 23:48
もりけんさん、お早うございます。
今年の1月に生命保険協会が公開している資料がございます。
興味がおありでしたらどうぞ、現状はこんな感じです↓
http://www.seiho.or.jp/standard/pdf/sindansyo.pdf
投稿: ちいくま | 2011年10月21日 06:44
ちいくま さん:
>保険業界が要求する診断書・入院証明書がそれぞれ互換性がないためにワープロ入力がかなわないのです。
そうだったんですか。愕然。
ご紹介の資料を見ましたが、素人がみてもガイドラインとして現実的、実効的なものではないのではないかという気がします。
投稿: tak | 2011年10月21日 21:15
もりけん さん:
>ということは、一度ワープロ入力したら、各保険会社の書式に自動変換して出力するソフトを作ればいいんですね。ありそうなもんですが…
お医者さんが入力するのは各保険会社の書式に変換される前の中間ファイルにして、それをクリック一発で各保険会社の書式にして出力するというソフトがあればいいという気がしますね。
ただ、そのファイルの規格が現実的なものでなければなりません。
どこの業界でも、最初に作られるのは細大漏らさずという意識が強すぎて、使い物にならないような印象があります。
投稿: tak | 2011年10月21日 21:19