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2011年10月30日

庄内柿を「柿酒」にしてしまった話

柿の季節である。柿は元々は大陸伝来らしいが、いろいろな品種に発展を遂げたのは日本においてのことのようで、その証拠に、柿は世界中で "kaki" と呼ばれているらしい。わざわざ和英辞書的に "Japanese persimmon" なんて舌を噛みそうなことを言わなくていいのだ。

柿と言えば、私にとっては庄内柿である。リンク先をご覧いただければわかるが、これは元々は渋柿で、伝統的には焼酎でさわして甘くして喰うものである。これがまた、とろりとしてえも言われぬおいしさなのだ。

私はこの庄内柿を柿酒にしてしまったことがある。これは ”Today's Crack" がココログに移転する前に書いたことで、最近の読者はまだご存じないと思うので、以下に再録しておく。

学生時代、田舎からブリキ缶が送られてきた。中身は庄内柿で、焼酎の霧を吹いてある。その焼酎のお陰で、1週間ぐらいで食べ頃になるのだ。缶の蓋には、「××日に開けて食べるように」 と書いてある。その日付までにはまだ 5日ほどある。私はその缶を棚に載せ、そして痛恨にも、そのまま忘れ去ってしまったのである。

そして翌年の夏、暑い盛りにふと棚をみると、見覚えのあるブリキ缶が鎮座している。「柿だ!」  私は隙間を防ぐためにびっしりと貼られたガムテープをはがすのももどかしく、蓋を開けた。

中身はどうなっていたかというと、柿の原型はまったくとどめず、柿色のネクターがドロドロになっていた。しかし、腐敗臭はまったくなく、逆にえもいわれぬ芳香である。つまり、半年近くを経てアルコール発酵が進み、「柿酒」 と化していたのだ。

世に言う 「サル酒」 というのも、こんな風にできるのかと思い、よほど飲んでみたい誘惑に駆られたが、なんだか気持ちも悪いので、泣く泣くトイレに流した。一人暮らしなのに腹痛にでもなったら困ると思ったのである。

ところが、今になっても、あの時一口でも飲んでおけばよかったと後悔している。本当に本当に後悔しているのである。

 

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コメント

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もっとも、takさんの柿酒の方が美味しそうですね。(^^

投稿: ito | 2011年11月 1日 09:41

ito さん:

ほほう、これはおいしそうですね。

投稿: tak | 2011年11月 1日 19:22

柿酒を作ろうと探したらこちらに来ました。他のサイトはホワイトリカーに漬ける、まぁいわゆる柿酒ですが、柿そのものを発酵させて作りたいと思っているので、参考になりそうです。ありがとうございます!

投稿: いばっち | 2012年11月15日 13:12

いばっち さん:

成功を祈ります。

投稿: tak | 2012年11月15日 21:22

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