橋下不支持宣言
大阪市長・府知事選は大阪維新の会の圧勝(という報じられ方)で終わった。しかし私としては、大阪維新の会というのをどう受け止めていいのか、実はわからなかったのである。何しろ大阪のことなので、あまり身につまされていなかったし、離れた所のお話のような気がして、情報もあまり熱心に追っていない。要するに情報不足だったのである。
通り一遍に入ってくる情報だけをみると、橋下氏の主張は私が日頃言っていることとあまり遠くないような気がする。とくに行政の無駄を切りつめるという主張には、両手を挙げて賛成したいところである。
大昔に作ってしまった制度で、もう必要がなくなっているにも関わらず、役人の天下り先確保のためというだけの理由で山ほど残っている特殊法人の解体や、わけのわからない補助金のカットなんぞは、即刻やるべきである。そんなことに議会が抵抗するようなら、それについてどんどん攻撃していい。
また維新の会の選挙手法も、私が常々主張している「ものをはっきり言い切って、わかりやすい選挙にすれば、絶対に勝てる」ということを、あっさりと実行している。小泉さんの時から、「はっきり主張しさえすればいい」というのが明確に実証されているのに、あれ以後、橋下氏がやるまで誰も実行しなかった。馬鹿みたいな話である。
要するに、度胸なしの政治家ばかりの中でちょっと度胸を据えれば、選挙には「圧勝」できるのである。橋下氏は、それをやった。これは評価していい。
しかし、それ以外のこととなると、私もちょっとわけがわからないのである。「大阪都構想」なんて、そもそも「都」というのは国の首都だからこそ付けられる名称なんだと私は理解していたから、「そりゃ、一体何じゃ?」という感じだ。
大阪市と堺市を解体していくつかの「区」にして大きな裁量権を持たすということなら、別に語感もカクカクしてよくない「大阪都」なんて言わなくていいじゃないか。無意味な大風呂敷に思える。
教育問題にしても、ちょっと強引な印象だ。私は個人的には「君が代・日の丸」支持だが、大分前にも書いたように、それをぎくしゃくした法律とか条例で縛ることには反対なのである。国歌や国旗というのは法律以前の問題で、運用は慣習法であるべきだというのが、私の主張だ。(参照)
それから、私がこんな記事を書く気になった一番大きな理由が、橋下氏が府知事時代の 「文楽には歌舞伎の海老蔵のような人がいないから、二度と行く気がしない」といったような発言を、今日初めて知ったからだ。大阪府知事として、これはないだろうよ。
橋下氏がたとえ他にどんな善政を敷いたとしても、この発言一つだけで、私は彼を信用しないことに決めたのである。文楽は大阪の宝だろうよ。橋下氏が伝統芸能オンチで、文楽の良さがわからないというなら、それはそれで仕方がない。しかしだからといって、文楽を貶めるような発言をするというのは、府知事として完全に失格だ。
そんなやつに大阪を任せたら、大阪の、上方の、ひいては日本の文化がおかしくなってしまう。今日の記事は、橋下不支持宣言である。これからは、はっきりと批判的に見ていこうと思う。
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