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2011年11月11日

遺産争いってのは、本当にあるらしいのだね

父が死んで、少々残った遺産を妹と分割相続することになったのだが、父が死ぬ直前に残した遺言に従うことに、私も妹もまったく異存がなく、後は所定の手続きを踏むだけで、何の問題もなくあっさりと処理できそうである。

何しろあの父の子供なので、私も妹も物欲に関してはかなり淡白で、「くれるというなら、ありがたく頂きます」 程度の考えだから、譲り合いこそすれ、自分が少しでも多く取りたいなんて考えは毛頭ない。お互いに 「そっちの方が満足する程度には取ってもらわないと」 なんて言い出すので、初めから揉めようがない。

まあ、これも父の教育が良かったんだろう。私は父に「勉強しろ」と言われたことは一度もないが、身内で争うことなどないような心構えだけは、しっかりと植え付けられたように思う。父は死ぬ前にも「兄妹で争うなよ」と念を押したが、「貴方の子供だから、争いなんてあり得ません」と応えると、「よかった、これで何の心残りもない」と、満足した様子だった。

ところが、今回の処理を依頼した行政書士によると、最近は遺産相続に関するトラブルがとても多いのだそうだ。兄妹同士の争いが頻発して、なかなかハンコがもらえず、その調整に大いに苦労するそうである。

片親が生きているうちは、まだ「親の抑え」というものが効いているので、あまり問題は顕在化しないが、両親が死んでしまうと、突然兄妹同士で権利の主張がぶつかり合うのだそうだ。

田舎では今でも「長男が家を継ぐ」という意識が強く、それだけに総領息子が多く取りたがる。まあ、「家」というものを継いだら、それなりにいろいろな物要りが多い(親戚同士の付き合いや、お寺のお布施、神社への奉納なども含め)から、それなりの取り分を主張する気持ちもわかる。ところが法律では兄妹は平等なので、そこに問題が生じる。

最近では、「しょうがないから、法律通りに平等に」というところに収まるケースが増えてきているそうだ。総領息子はおとなしいのが多いから、弟や妹たちにわいのわいの言われれば、「俺に多く寄こせ」とは言えなくなるのだろう。総領息子自身はそれでいいかもしれないが、後々、嫁にいろいろ言われ続けるとしたら気の毒である。

私の感覚では、どうせそんなに莫大というわけでもない遺産の取り合いなんかで禍根を残すよりも、お互いに納得できるように譲り合った方が、後々になって楽しい親戚づきあいができるだけ、人生の損得勘定はプラスになると思うのだが、どうもそんな考えでは済まない人もいるようなのだね。

 

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コメント

我が森家でも、5年ほど前、祖母の死後、親父の兄妹どころか嫁(つまり私の母)の実家まで巻き込んだ遺産相続の争いが起き、泥沼の訴訟で一昨年にようやく落ち着いたところです^^;
ま、その兆候自体は、私が子供の頃から感じていたので、私自身はさっさと独立して、ここ10年程は実家へは寄り付いてませんが…
記事を読んでいて、そういえば私も子供の頃、「この家はお前のものになるんだから」と散々言われて来たのを思い出しました。
takさんのお身内とは真逆の、我が身内ながら、全く醜い話です。

投稿: もりけん | 2011年11月11日 23:44

もりけん さん:

いやはや、大変でしたね。

どうも、当事者よりも嫁さんが多くを取りたがるというのが、揉め事の背景として大きいと言われますが、あまり関わりたくないお話です。

投稿: tak | 2011年11月13日 01:11

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