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2011年11月 4日

「オンブバッタ」 というバッタ

オンブバッタという虫をご存じだろうか。読んで字の如しで、おんぶが大好きなバッタである。私は今日、生まれて初めて我が家の庭に面するベランダに張った板の上で見た。見かけはショウリョウバッタを小さくしたような感じである。

Cr111104

(クリックで拡大表示)

これを見つけたときは交尾の最中かと思ったが、よく見るとそうではない。小さい方が大きい方の背中にのんびりとおんぶされているだけである。近くを手でトントンと叩くと、多少はあわてて逃げようとするが、どうやら飛ぶことはできないようだ。呑気に逃げようとするが、こちらがトントンを止めるとすぐに安心して、またまったりしてしまう。

下になっている方としては、こんなうっとうしいヤツをおんぶしているのだから、なるべく余計な体力を消耗したくないといわんばかりの、かなりなのんびり加減である。

オンブバッタは上にいるのが小さいので親子だと思う人もいるが、インターネットで調べてみると、実はつがいなのだそうである。そりゃそうだ。親子だとしたら、子供が卵からかえるまでに、親は越冬して生き延びなければならない。

上にいる小さいのがオスで、下にいる大きいのがメス。色が違っているのは、大きなメスの方が板の色に合わせて擬態しているのである。オンブバッタのオスとしては、せっかく見つけたメスを交尾の時期が来る前から独占的に確保するため、常におんぶされちゃっているのだそうだ。濡れ落ち葉みたいなヤツである。

オンブバッタのオスというのは徹底的に呑気なようで、メスの方がせっかくベランダの板の色とテクスチャーに合わせて見事に擬態しているのに、オスの方はそんな苦労はまったく眼中になく、ひたすらのほほんと緑色のままである。

もっとも 2匹とも見事に擬態していたら、こっちは気付かずにきっと踏んづけてしまっていただろうから、今回に限ってはオスの呑気さのおかげで命を長らえ、あまつさえ人間界のブログにまで、写真入りで登場してしまったのである。

 

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コメント

見事な擬態ですね。板の色の濃いところ、色違いのところと言う具合に板と一体になってますね。オスが乗っていなかったら、まず気が付かない。
生物はなぜ擬態ができるのか本当に不思議です。目から板の色と模様を読み取って体表の色を変化させてるんでしょうが、その仕組みを考えると寝られなくなります。昔から気になって仕方がありません。

投稿: ハマッコー | 2011年11月 4日 16:56

ハマッコー さん:

擬態というのは、その動物が意識的 (という言葉を使っていいのか、疑問ですが) に自らの見た目を変化させるというよりは、かなり遺伝子的なもの (つまりオートマティックなもの) のようです。

自らの周囲のものに溶け込むということは、その周囲の植物との間で DNA 交換を行ったのかも (というと、かなり SF 的になりますね)。

投稿: tak | 2011年11月 4日 18:19

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