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2012年1月21日

この冬は「厳冬」

昨日、東京で平年より 17日遅れで初雪が降ったのだそうだ。初雪といっても、私が昼頃に東京都内に着いた頃には小雨に変わっていたし、積雪の痕跡もなかったから、大した雪じゃなかったのだろう。八王子などの多摩地区は結構な雪になったところもあるようだが、都心では大きな混乱にはならなかったようだ。

東京の初雪が平年より遅いのは、この冬が厳冬であることを示すものだ。関東に雪が降るのは、日本海側の場合とはメカニズムが違う。日本海側の雪はご存じのように、西高東低の「冬型気圧配置」で生じる冷たい北西の季節風が、日本海の水蒸気をたっぷり吸って雪雲を作り、日本列島にぶつかって雪になるというものだ。

北西の季節風に含まれた水分は、日本列島の背骨のような山脈に漉し取られて雪となり、水分を抜き取られた風はからっ風となって太平洋側に吹き降ろす。だから私は、冬につくば周辺がからっと晴れて風が強いと、「あぁ、田舎は雪だなあ」と思いを馳せることになる。

一方、関東の雪は冬型気圧配置が崩れて、太平洋岸沿いに移動性低気圧が進む時に降る。これは冬のまっさかりには現れにくい現象だ。つまり、関東の雪は冬が終わりに近づいたことを暗示する。冬の終わりの暗示が遅かったのだから、つまりこの冬は寒い冬だということで、体感的な印象と一致する。

ところで、昨年 9月下旬に発表された季節予報(2011年 12月~2012年 2月) によれば、北日本の気温は「平年並みか高い」ということで、つまり「暖冬」ということだった。東日本と西日本は「平年並み」、沖縄・奄美は「平年並みか低い」で、「寒冬」の予報だった。

季節予報が当てにならないのは毎度のことで、気象庁自身も言い切り型の予報ではなく、それぞれの可能性をパーセンテージで示しているので、まったくのでたらめというわけじゃない。とはいえ、こちらとしては気象庁の季節予報は当たらないものと思っている方が確率的に救われるというのでは、ちょっとなあという気持ちになってしまう。

ところで、この寒さをもって「地球が温暖化してるなんて、嘘っぱちじゃないか」なんて粋がるお人がいるが、こういうのを「木を見て森を見ず」と言うんだろうなあ。

 

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