沖縄防衛局長問題を巡る冒険
沖縄防衛局長問題は、どうやら結論が先送りにされたようだ。早く言えば、当面は局長が更迭されずに済んじゃいそうということである。
真部局長本人の説明によれば、彼は「宜野湾市長候補予定者の政策について説明し、局員の親戚に至るまで、棄権しないで積極的に投票に行くように呼びかけた」ということなので、それだけでは更迭に値する理由にならないというのである。
問題の市長選は、自民・公明推薦の新人で前県議の佐喜真淳氏と、共産・社民・沖縄社会大衆党推薦で元市長の伊波洋一氏の一騎打ちとなるのが確実である。この状況で、防衛局長が候補予定者を表面上は客観的かつ公平に紹介したとしても、「どっちに投票すればいいか、わかってるだろうな」と言外に強制しているのは明白だ。
ただ真部氏も局長になるほどの、頭のいいお役人である。あくまでも言質を取られないように「講話」したはずだ。そうなると、「積極的に投票することを呼びかけて、何が悪い」と居直られたら、更迭の理由なんかないのである。インテリやくざが恐喝にならないようにねちねち脅かすのと同じやり方と言ったら、怒られるかもしれないけど、まあ、そんなところだ。
で、お笑いなのは、宜野湾市長選には、国政における政権与党の民主党は、独自候補も出していなければ、どちらかを推薦するということもしていない。だらしない限りなのである。真部氏が言外に 「どっちに投票したらいいか、わかってるだろうな」 言ったら、恩恵を被るのは野党第一党の自民党とそれとつるむ公明党で、民主党は蚊帳の外だ。
だから自民党と公明党は、国会の場では厳しい追及なんかしない。それどころか、真部氏の擁護に廻っている印象すらある。それだったら、共産・社民に多少ごちゃごちゃ言われても、国会は乗り切れる。というわけで、更迭は見送りと、本当に本当にくだらない茶番になってしまった。
この茶番で明らかになったのは、自衛隊のみならず防衛省に至るまで、現与党ではなく野党第一党のものなのだなということである。
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