デジタル一眼を買うべきかどうか
今、デジタル一眼が大人気なんだそうだ。とくにミラーレス・タイプのコンパクトなやつが受けているらしい。家電量販店に展示されている機種も、ずいぶん増えてきた。これは現実に売れているから、メーカーがどっとなだれ込んでいるんだろう。
私としても、決して欲しくないってわけじゃないが、購入の優先順位はかなり低い。とりあえずあれって、なくても別に困らないものだ。なくても困らないけど、つい物欲に負けて買ってしまうものもあるが、あれを買ってしまうと邪魔っぽいんじゃなかろうかと、危惧してしまうのである。
私は大抵のモノはコンパクトなものを選ぶ。まさに日本人らしい「縮み志向」なのである。小さくて軽くて、しまい場所に困らなくて、デコボコしていないというものなら、カメラに限らず、つい買いかねない。
ところがデジタル一眼は、いくらミラーレスでコンパクトになっていると言っても、やはり大きい。それにレンズを取り付けると出っ張りが大きくて、扱いが大変だ。いつもポケットに入れて持ち歩けるというものでは、決してない。
私はデジカメ・ユーザーとしてはかなりヘビーな方で、何しろ「和歌ログ」というサイトで、毎日和歌と写真を更新している。写真を撮らない日なんて、一日とてないのである。撮った写真を毎日ブログに載せているのだから、紛れもなきヘビー・ユーザーである。
そのヘビー・ユーザーの私が、最近はほとんど iPhone のカメラで済ましているのである。前はパナソニックのコンパクト・デジカメを持ち歩いていたのだが、今はそれもしまいっぱなしだ。
パナソニックのコンデジというのは、案外高機能で、望遠は光学 10倍というスペックである。マクロ機能を使うと、背景がきれいにボケた「一見すると一眼レフで撮ったような写真」だって可能である。実は、これを使っていると逆に、デジタル一眼が欲しい気がしていた。なまじいいカメラを使うと、「その上」 を求めてしまうのである。
ところが iPhone で済ませるようになってしまうと、「これじゃ物足りない」なんてことは思わない。割り切ってしまうと、「これで十分」ということになるのだ。毎日写真を更新するブログを続けていると、「写真の質」よりも「カメラの携帯性」の方をより強く求めてしまう。
しかもそのブログが、文芸ブログで、写真をメインにしているのではないのだから、その志向性はぶれない。「きれいな写真は、写真好きに任せればいい」ということになってしまうのだ。この私が背伸びして、きれいな写真を撮ってもしかたないのである。
デジタル一眼というのは、「たまに狙い澄まして、きれいな写真を撮りたい」というニーズのユーザー向けなんだと思う。「毎日それなりの写真が撮れればいい」というニーズには向かない。「とにかく、いい写真が撮りたい」というユーザーは、一眼レフを使うだろうし。
私が物欲に負けて、ついデジタル一眼を買ってしまったとしても、そんなに気軽には持ち歩けないから、実際に使うのは圧倒的に iPhone になってしまうのは目に見えている。これではやはり、物欲にブレーキがかかる。
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コメント
物欲に負けて20万以上使ってしまいました。デジタル一眼を使えば、全ていい写真が撮れるわけではありませんが、中にはその描写力に惚れ惚れしてしまう写真が撮れてしまうことがあります(カメラの手柄に過ぎないのですが)。
しかし、その重さと嵩には参ってます(首にかかるストラップの重さで体が少し後ろに反るほどです)。デジイチ買った以上レンズも複数本になってしまいます。
最近のコンデジの充実ぶりをみてると、もうコンデジでいいかなと思って昨晩カタログを WEB で見ていたところでした。
デジイチをお買いになる時は、くれぐれも小型軽量をお勧めします。
投稿: ハマッコー | 2012年2月11日 00:08
私の愛用品は、
一眼レフカメラの形状をしながら、レンズ交換ができない、
そのかわり30倍ズームの付いているタイプ。
これで、それなりの(*)写真が撮れる。
あの形状は、撮り易さの点でゆずり難い。
それに、何事にも使いやすい大きさ、重さというものがある。
小さければ、軽ければ良いというものではあるまい。
何よりも、逆光を避ける、つまり太陽を背にするのは写真のイロハだろう。
ファインダーの無いカメラでは液晶が良く見えない。
これは相当のストレスだ。
かといって一眼レフのレンズ交換はメンドイし、
(もとえ、シャッターチャンスを逸しやすいし、)
仕上がりも小生には過剰品質(**)だ。
カメラは常に手に持っているもの、と割り切れる人にはおススメです。
*気に入ったものは四切(≒A4)にプリントして、お店の壁に飾る。
**展覧会に出品する自信は、まるでない。
投稿: McC | 2012年2月11日 12:42
ハマッコー さん:
>デジイチをお買いになる時は、くれぐれも小型軽量をお勧めします。
プロのカメラマン数人と付き合いがありますので、本格的な写真を撮ろうと思ったら、かなりの出費と、それに何よりも体力が必要というのが、よくよく理解されます。
私如きは、あんな大荷物を常に持ち歩く気には、到底なれません。
それに、写真の出来映えだって、どう頑張っても彼らには敵わないので、iPhone で十分かと。
投稿: tak | 2012年2月11日 21:49
McC さん:
>私の愛用品は、
>一眼レフカメラの形状をしながら、レンズ交換ができない、
>そのかわり30倍ズームの付いているタイプ。
私も、プロでなかったら、あのタイプで十分かなという気がしています。
(私ごときには、トゥーマッチかもしれませんが)
>カメラは常に手に持っているもの、と割り切れる人にはおススメです。
ポケットに入らないというのが、私にとっては最大のネックです ^^;)
投稿: tak | 2012年2月11日 21:51
お久し振りです
tak-shonai さんは、超軽装備派
そういう性格の人は、一眼レフは、もし買っても、ほとんど使わないでしょう
デジタル一眼レフ、しかもフルサイズを持っている私など、変人です(笑)
海外旅行では、腰痛になります
しかし、私は、コンデジやケータイなどの小さいカメラで写真を撮ると、ましてやファインダーのないカメラだと、どうしても、本気になる事が出来なくて、いい加減にシャッターを押してしまいます
昔から海外出張でも、一眼レフを携行した時の感覚が残っているんです
デジタル一眼は難しくて使いこなせていませんが、これも性分(笑)ですから、仕方がありません(笑)
デジイチの形状だがレンズ交換が出来ないタイプは、俗に、ネオ一眼と呼ばれています
投稿: alex99 | 2012年2月12日 02:00
alex さん:
>tak-shonai さんは、超軽装備派
キャンプ道具ほどの最低限の食器と、寝具と、PC 関連だけをもち、方丈の庵で鴨長明みたいな暮らしがしたいと思うほどです (^o^)
投稿: tak | 2012年2月12日 11:29