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2012年2月21日

オクラ、エリンギ、エンダイブ

「オクラ、エリンギ、エンダイブ」というのは、私が初めのうち、元々日本原産の日本語だと思いこんでいた野菜である。エンダイブに関しては 3年前に "「エンダイブ」 を巡る冒険" というエントリーで触れたように、「閻浮提」(えんぶだい: 「人の世」という意味)という仏教用語とごっちゃになっていて、漢字にしたら「閻提浮」とでも書くのだと思いこんでいた。

同様に、オクラ、エリンギは、「御蔵、恵稟木」 とでもいうような漢字がイメージされていたが、なんと、これらはすべて外来語だという。しかも西洋からの外来語だ。世の中、よく調べてみないとわからないものである。

エンダイブは上記の記事で触れたように、紛れもないヨーロッパ原産の野菜で、英語では "endive" と書く。「飛び込ませる」というような意味かと思ったが、本来はフランス語で「アンディーブ」というような発音らしい。

オクラというのも英語だが、語源はガーナで話されるトウィ語の "nkrama" で、和名は「アメリカネリ」というのだそうだ。アメリカネリのくせに原産地はアフリカ北東部で、エチオピアという説が有力だという。だからトウィ語が語源なんだろう。

ちなみに沖縄、鹿児島など、比較的早くからオクラが入ってきていた地方では「ネリ」と呼んだりしているという。陸蓮根(おかれんこん)の異名もあるそうだが、あんまり蓮根というイメージではないがなあ。

エリンギは、Wikipedia によると「主にセリ科ヒゴタイサイコ属(エリンギウム)の植物エリンギウム・カンペストレ (Eryngium campestre)  の枯死した根部を培地として自生することから命名された」とある。もっとも、これだけ読んでも、結局よくわからん。

日本で流通しているのはすべて人口栽培もので、柄の部分が太いが、自生種はもっとカサが開いているという。イタリア人はその開いたカサの部分を好むと、Wikipedia には書かれている。ふぅん、そうだとすると、日本のエリンギとイタリアのそれとは、似て非なるものと言っていいかもしれない。

まあ、とにかく最近は野菜でも果物でもカタカナ名前のものが多いが、オクラ、エリンギ、エンダイブは、ちょっと意表をついたおもむきがある。

 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私も3つとも日本由来やと思ってました(>_<)
今ロシア語を勉強してるのですが、イクラってもともとロシア語なんですね゚□゚〃確かにカズノコとかタラコよりちょっとかっこいいかな?ロシアでは魚の卵全部イクラで、赤いイクラ(красная・икра)=鮭の卵、黒いイクラ(тёмная・икра)=キャビアみたいに言うらしいです。ロシア人の先生にキャビア食べたことある?って聞かれて無いです(∵)って答えたら、当たり前ですって笑ってました。先生もキャビアは高いから食べないって*ロシアのイクラはめっちゃ美味しいらしいです。takさんキャビアって美味しいですか?

投稿: のあ | 2012年2月22日 16:24

オクラが和名ではないと知ったときは衝撃を受けました……。

エリンギの語源についてはこの記事で初めて知りました。培地の名前が元になっているというのは、感覚的には松茸なんかと一緒なんですかね(いや、そもそも松茸は松を培地とするという理解で正しいのだろうか……?)

投稿: 山辺響 | 2012年2月22日 17:00

のあ さん:

「いくら」って外来語とは聞いたことがありましたが、本当なんですね。

キャビアは遠い昔に食べたことがありますが、しょっぱいだけという印象でした。

あんまり上等でないやつだったのかなあ。

投稿: tak | 2012年2月22日 20:53

山辺響 さん:

>いや、そもそも松茸は松を培地とするという理解で正しいのだろうか……?

うぅむ、よくわかりません。
私の育った土地は松茸なんか生えないところのようで、松林に生えるというのも、耳学問でしかないし。

そもそも、年に一度口にはいるかどうかだし ^^;)

投稿: tak | 2012年2月22日 20:57

私は、オクラがアフリカ原産であると言う事は昔から知っていましたが、エリンギは、最近まで、その存在をしりませんでした

キャビアは、本物は灰色です
まあ、美味しいことは美味しい(笑)
ただし、欧州では魚の卵を一般にキャビアと言ったりするらしく(イクラがロシア語で魚の卵を指すように)、いろんな「キャビア」が出回って居るようです
本物は、すごく高価ですからね
中でも、日本のデパートでもよく見かける小さな平たい円形のビンに入っている黒く塩辛いオランダ産の「キャビア」は、確かニシンの卵です

投稿: alex99 | 2012年2月23日 12:50

確か松茸は赤松ですね。
松の見分けがつかないと探しにくいとかなんとか。

投稿: 抹茶 | 2012年2月23日 17:06

alex さん:

>日本のデパートでもよく見かける小さな平たい円形のビンに入っている黒く塩辛いオランダ産の「キャビア」は、確かニシンの卵です

へえ、なんということですか。
びっくり。

投稿: tak | 2012年2月24日 00:23

抹茶 さん:

松の見分けは、それほど難しくないかもしれません。
ただし、松茸を見つけるのは難しい (^o^)

投稿: tak | 2012年2月24日 00:24

元フランス在住者です。
エンダイブは日本ではチリチリした葉っぱの野菜を指すと思いますが、フランスでアンディーヴというのは紡錘形の、白くて先の方が黄色みを帯びた野菜のことです。日本ではそれはチコリと呼ばれていますが、フランスでチコリ(発音はシコリ)といえばチリチリした葉っぱの、日本でいうエンダイブなんです。つまりなぜか入れ替わっているのです。なぜかは謎です。

投稿: bambi | 2012年2月26日 13:06

bambi さん:

ご指摘の件、Wikipedia にも、

フランスではシコレ(Chicorée)ということが多く、単にアンディーヴ(Endive)というと普通はチコリーを指す。

とありましたので、「へえ、そうなのか」 とは思っていましたが、チコリとエンダイブが入れ替わっているとまでは知りませんでした。

おもしろい情報、ありがとうございます。

ところで、一体どうしてなんでしょうね。

投稿: tak | 2012年2月26日 17:10

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