関越道のバス事故に関連して
5月の中旬、みちのくドサ廻りツアーという出張予定が入った。福島、仙台、盛岡、宮古を 3泊 4日で廻る。なにぶん東北のこととて、いずれの現場も陸の孤島みたいなところなので、鉄道とバスを乗り継いでいたら 3泊 4日では到底済みそうにない。そんなわけで車を運転するのだが、往復で 1,400km を超える強行軍になる。
そんな予定を調整していた矢先、例の関越道のツァーバス事故のニュースが入ってきた。事故を起こした運転手は夜通し運転する仕事スケジュールが続いて寝不足になっていたらしく、居眠り運転を認めているようだ。
こんなニュースがあると、「この出張中は、夜はなるべく早く寝て、寝不足になるのだけは絶対に避けよう」という気になる。旅行気分が過ぎて夜遅くまで飲みに付き合ったりしていたら、私ももうすぐ還暦になるし、体がもたない。命あっての物種である。
それにしても、深夜運行の高速バスというのは、かなりリスクを張った移動手段だと思う。交代要員もいない寝不足気味の運転手 1人に、40人ぐらいの乗客が命を預けるのだ。新幹線なら運転士がしばらくぼうっとなっても、ケータイをかけていても、何のことなく安全に動いてしまうらしいが、バスとなるとそうはいかない。
それに、道路の防音壁がバスの内部、しかもかなり後ろの方まで突き刺さるというのは、道路設計上の問題があるのではないかと思っていたら、やっぱりそんなような指摘がなされていた。Togetter で大貫剛(@ohnuki_tsuyoshi)さんという方の説明がまとめられている(参照)。重要部分を引用してみよう。
通常、衝突すると重大な事故になる構造物がある場合は、車がガードレールに沿って走れば衝突しないように、ガードレールを設置する。今回のような場合、ガードレールが防音壁の内側に少し重なるように設置すればいい。
ところが今回の事故現場では、ガードレールが途切れてその延長上に防音壁がある。これではダメだ。ガードレール上にオーバーハングした車はそのまま衝突してしまうではないか。ガードレールの目的は、浅い角度で衝突した車が擦りながら走ることで進路を誘導することなのに。
なるほど、とてもわかりやすい説明だ。ガードレールが適切に設置されていれば、少なくとも防音壁がバスの車内に突き刺さるような凄惨な事故になることは、防がれていたかもしれないのだ。国交省は今回の事故を重く見て、全国の高速道路の構造を再確認してもらいたいものだ。
とはいえ、最優先して考えなければならないのは、運転手が過労で寝不足になるのを避けることである。私もドサ廻りツァー中は、しっかり体力温存しようと思う。
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コメント
歩行者達に突っ込む痛ましい事故が連鎖的に発生してしまった挙げ句の悲惨な大事故でしたね。
決して対岸の火事と思わず、ステアリングを握る一ドライバーとして、今後とも身を引き締めて運転するという責任の重さを実感しようと思った次第であります。
(2日から広島へ車で移動するためw)
投稿: 紅いも | 2012年4月30日 20:55
紅いも さん:
お互い、しっかり安全運転しましょう。
GW 中の運転、スピードは出ないでしょうが、疲れを溜めないように、お気を付けください。
投稿: tak | 2012年4月30日 21:12
こんにちは!
tak-shonaiさんお元気ですか?
いつも記事が無尽蔵にでてくるなんて
すばらしいですね~
今年のGWのちょっと前から恐ろしい事故ばかり。
運転は気をつけてくださいね。
私はしばらくどこにも行けませんが。
投稿: tokiko68 | 2012年5月 1日 14:34
tokiko68 さん:
ありがとうございます。気を付けて、危ないところには近づかないように運転します。(^o^)
投稿: tak | 2012年5月 2日 13:02