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2012年4月29日

外国語で考えると冷静な判断ができるらしい

Wired の「外国語で考えるほうが合理的:研究結果」という記事に目を引かれた。「米国と韓国の被験者 300人余りを対象にした実験によって、第二言語でものを考えると、感情的反応に流されず、慎重に分析して判断を下す傾向が強まるとの実験結果が明らかになった」というのである。

そこで思い出したことがある。昔々、某外資系法人に勤務していた時、全職員の英語能力を 2段階に分けて、それぞれのクラスで全員が英語でディスカッションするというレッスンが、隔週に 1度ぐらいのペースで実施されていた。(私自身は高い方のレベルだったと思う)

ある日そこで、いろいろな国民性に関する論議が展開されていた時、他部署の女性マネジャーが "Americans are logical."(アメリカ人は論理的)と言った。その時私は、脊髄反射的に "I don't think so. Some of them are rather emotional." (そうは思わない。むしろ感情的なのもいる)と反論した。

そのクラスを担当していたインストラクターはなかなかインテリの英国人で、多くの米国人のがさつさ加減に閉口していたのか、私の意見にもろに賛成して、米国人は本当にエモーショナル過ぎるのが多いなんて言いだしたので、以後私は、その女性マネジャーからかなり睨まれてしまったような気がする。

そんなわけで私は、確かにいくら米国人でも、その女性マネジャーのエモーショナルな目からしたら、相対的に少しはロジカルに見えるのかもしれないと、ずっと思ってきた。

しかし今回の Wired の記事に沿えば、そのエモーショナルな女性マネジャーでも、英語で考える場合には、少しは感情から離れて論理的な思考ができていたのかもしれない。それで、「英語を使う米国人のメンタリティは論理的」と思いこんでいたんだろうね。英語の構造が日本語より少しだけロジカルにみえるところがあるのは、この際度外視したとしても。

ということは、英語で考える時にはキャリア・ウーマンでも、日本語に戻ればその辺のオバサンになってしまうことだってあり得るわけだ。彼女はレッスンが終わって日本語思考に戻った途端に私の発言を思い出し、「彼はアシスタント・マネジャーの分際で、私に恥をかかせた」なんて思ってしまったんだろうと思う。

とまあ、昔の記憶が呼び覚まされたついでに、そんなことを考えたわけである。

 

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コメント

英語が事実上の国際語になっている現状では、アメリカ人は「外国語で考える」必要に迫られる状況に出会うことが少なくなり、するとアメリカ人は感情的になる傾向が強くなる……したがって、「外国語で考えるほうが合理的」であるならば、takさんの言う「むしろ感情的なアメリカ人」ということになる……とか。

投稿: 山辺響 | 2012年5月 2日 11:10

山辺響 さん:

それは大いにあり得ますね。

昨今の国際情勢は、米国人のエモーションで動かされているとか。

もしフランス語が国際標準語だったら、世界はもうちょっとお洒落だったかも。

投稿: tak | 2012年5月 2日 13:26

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