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2012年4月11日

記憶力が弱くなってしまったのだよ

近頃年のせいかどうだかしらないが、そしてさらに、近頃に限ってのことなのかどうかも自信がなく、もうだいぶ前からだったのかもしれないが、記憶力が弱い。とにかく物忘れする。覚えても覚えてもすぐに忘れる。

「黄砂」という言葉の読みが「こうさ」だったか「おうさ」だったか、いつも「どっちだったかなあ」と自信がなくなる。実際に口に出してみて「おうさ」だと、やっぱりちょっと変な感じがするので「こうさ」なんだろうなあなどと、毎回同じルーティンを辿る。

「さかなへんの漢字をいくつ知っているか」なんていうクイズを出されると、これがなぜかものすごく苦手なジャンルで、「鰰」と「鯛」と「鯉」ぐらいしか思い浮かばない。もしかして最初のはあまり知られていないかもしれないが、私が大好きな庄内特産の「ハタハタ」なので、これだけは忘れない。

さかなへんの漢字に関しては、「あれ、 『鮮』って漢字があるよなあ、どんな魚だっけ?」なんて、ウールのセーターを着た魚みたいなのを思い浮かべたりしたことがあるほど、病膏肓に入るなんて言葉が思い浮かぶほどの重症だ。

記憶力クイズなんてものがあって、ある状況を描いた絵を 20~30秒ほど見つめさせられて、後でそこに描いてあったことに関する質問に答えるなんていうのも、大の苦手だ。あの手のクイズは、対応のしかたがわからない。絵を眺めるにしても、どんなふうに記憶に焼き付けていいのかわからない。

多分、あの手の記憶力の良さというのは、まるでパチリと写真を撮って、頭の中のメディアにそのまま画像として焼き付けるみたいに憶えてしまうのだろうという気がする。後で何を聞かれても、ありありと焼き付けられた脳内画像を見直せばいい。こういうのをユング心理学の性格類型では「外向的感覚タイプ」というのだろうなあ。

私の場合、この手の作業が全く苦手だ。だから、たった一度だけ会った人の顔と名前を一致させて覚えていられるなんていうのは、神業としか思えない。私は営業マンには向かないんだろうなあと思う。

とはいえ、子どもの頃はとても記憶力がよかったような気がする。成長するにつれて、パチリと脳内写真を撮ったような「単純記憶」というのがダメになった。その代わり、論理的に系統立てるようなタイプの記憶ならかなり OK である。さらに直観的な記憶 (ぶっ飛んだような記憶と言ってもいい) なら、どんと来いである。

とまあ、こう考えると、単純記憶の能力が弱まってしまったのは、別の方面の記憶能力が鍛えられた結果なのかもしれないと思ったりする。まあ今どきは、単純記憶ならメモをとるとか写真に撮るとか、外部記憶にとどめておけばいいので、あまり鍛えなくてもいいだろう。

そんなわけで最近は、広い駐車場で車を停めた位置とか、ビジネスホテルの部屋番号とかは、iPhone で写真に撮ってしまうので、ますます単純記憶能力が弱まってしまっているのである。

 

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コメント

>広い駐車場で車を停めた位置とか、ビジネスホテルの部屋番号とかは、iPhone で写真に撮ってしまうので・・・

takさん、ちょっと信じられないことをやってますね。
単純記憶を馬鹿にしてはいけませんよ。
原始の生活を想像してもらえばすぐ分かることですが、単純記憶はある意味生存能力に直結しているので、時には生死にかかわることがあるのですよ。

それより何より、この頃忙し過ぎるのじゃないですか?

投稿: Mikio | 2012年4月12日 07:54

車の件で思い出したことがありました。
私の住んでいるところに初めて大型モールができたのは10年前です。それまではそのような場所がありませんでした。それまでの行きつけの場所は、何となく車を止めていても、エリアが小さいために自分の車になんなくたどり着けていました。大型モールでも同じように感覚的に止めてわかるだろうと思いこんだのが馬鹿で、このとき詳細にAの場所の真ん中ぐらいと記憶していなかったため、帰るときになって全体を探す羽目になり泣く目に遭いました。それからは、きちんと止めた場所のポイントは覚えるようにしています。私の母も同じことをやったと言っていたのを思い出しました。親子、似ていますね。
人間は痛い目を見ないと分からないものです。いやはや^^;

真似して携帯写真に撮ろうかな。

ちなみに、黄砂は黄河文明で覚えていますから、わたしは鮮明に“こうさ”です

投稿: BEKAO | 2012年4月12日 18:03

Mikio さん:

>単純記憶を馬鹿にしてはいけませんよ。
>原始の生活を想像してもらえばすぐ分かることですが、単純記憶はある意味生存能力に直結しているので、時には生死にかかわることがあるのですよ。

言われてみれば、まさにそうですね。

そういえば、私は都会だと道に迷いやすいのに、山の中だと迷ったことがありません。

30年ぐらい前に登った山でも、ルートや景色を鮮明に思い出せます。

環境がサバイバル能力を呼び覚ますのかなあ。

投稿: tak | 2012年4月12日 22:44

BEKAO さん:

私もその昔、よりによって池袋のサンシャイン60の駐車場で、車を停めた位置を憶えていなかったことがあります。

しかし、その時は、なんとなく感覚を頼りに探したら、それほど気の遠くなるような時間をかけなくても、15分足らず (だったと思います) で見つかりました。

初めは半日がかりぐらいで探さなければならないかと覚悟しましたが、当時は動物的感覚が冴えていたのかなあ。

投稿: tak | 2012年4月12日 22:46

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