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2012年5月28日

ユニクロ vs ジーユー

120528_mq売されてからもう 10日以上経つので、旧聞になってしまうかもしれないが、「テストするモノ批評誌」として知る人ぞ知る『MONOQLO』 7月号の 「ユニクロ vs ジーユー」という企画に、私も協力させてもらっているのでご報告する。

私が参加したのは、「銀座店覆面調査」というコーナーで、なかなかおもしろい仕事だった。覆面調査なんて、生まれて初めてだったしね。ちなみに紙面では「辛口論客 庄内拓明氏」(下画像参照) と紹介されているが、実際は結構甘口コメントを発している。

というのは、ユニクロの商品というのは、品番や個別商品によっては当然ながら多少の当たりはずれがあるとはいえ、全体的にはやはり圧倒的なコスト・パフォーマンスがあるのだから、甘口になるのもしょうがない。

私がユニクロの商品について書くと、必ず「ユニクロはやっぱり安かろう悪かろうだ」といったようなコメントがつくのだが、それはよっぽどの外れ商品を買ってしまった人か、あるいはユニクロ商品を買ったことのない人が発しているのだと思っている。

120528_ts中には、「手のひらですーっと撫でると(品質の悪さが)わかるんです」 という人までいた(参照)が、そんな超能力は一流アパレル・メーカーのベテラン品質管理スタッフだって持ち合わせない。手のひらですーっと撫でるだけでわかるのは「風合い」のみで、「品質」までわかるというなら、誰も高い検査測定器を買ったりはしない。

そして「風合い」というのは、ある意味「好きずき」の問題であって、「品質的に高い低い」の問題ではない。強いてワイルドな風合いに作ってあるものを、スムーズな風合いの好きな人が触ってみて「これは品質が悪い」というのは、乱暴な話なのである。

私は基本的に、ユニクロは目で見て一見してわかる部分とスペックで表示される部分については、価格の割には「過剰品質」と言っていいほどだと思う。ただし、「わかる人にはわかって、わからない人にはわからない」というような微妙な感覚的部分に関しては、今でもまだ「田舎出のカジュアル屋」的なところが、確実に残っている。

それから、廉価版ブランド「ジーユー(g.u.)に関して言えば、日本市場ではまれに見る「割り切り型マーチャンダイジング」だと思う。「この値段なんだから、品質はこんなもんさ」という納得の上で作られているという意味で、つまり「今シーズンだけ着られれば十分」というつもりで買うものなのだ。

しかし、日本は「この値段なんだから、品質はこんなもんさ」という納得のない消費者が結構多いという、世界でも稀な市場なので、値段だけで買ってしまうとがっかりしてしまう人が出てくると思う。

基本的に「いいものを大切に長く着たい」という人のために作られているのではないから、その価値観でジーユーの品質を批判しても、見当はずれというものである。批判するなら「使い捨てファッション」を選択するライフスタイルそのものを、エコ的な観点から批判すればいい。それならわかる。

私自身もそうした観点から、ユニクロは着てもジーユーは決して着ないし。

 

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コメント

は~、リンク先の過去の記事を読み返してみましたが、コメント欄のアンチ・ユニクロ派に驚きました。

私自身は、かつては「安い割に悪くないけど、ユニクロばかり着ていると思われるのはちょっと恥ずかしい」という認識だったのですが、ヒートテックと、その後の夏バージョンのインナー(固定した商品名があるのか分かりませんが、ドライメッシュ/防臭系)によって評価を改め、一昨年の冬だったか、プレミアムダウンウルトラライトとかいう奴で、諸手を上げて降参しました。

そういえば、「ころぼっくるひゅって」という山小屋のご主人が「冬山のグローブはユニクロで十分」と言っていたのが印象に残ります。

http://homepage2.nifty.com/koro-1956/

投稿: 山辺響 | 2012年5月28日 16:47

建築家ル・コルビジエの言葉を借りるならば、服とは「生身の人間が活動するための機械」。
その視点で見ると、UもGも手ぬるい。
私が理想とするのは、「機能」「デザイン性」「肌触り」を高次元で昇華させたウエアですが、アウトドアウエアの一部はそれをクリアしてるが、ま、大多数の人々にとっては、それほど重要ではないんでしょうな。

投稿: 萩原ゲスマリオ | 2012年5月28日 22:03

萩原ゲスマリオ さん:

>建築家ル・コルビジエの言葉を借りるならば、服とは「生身の人間が活動するための機械」。

このザッハリッヒな説以外にもいろいろな説がありますから、なんともいえません。

投稿: tak | 2012年5月29日 23:25

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