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2012年5月21日

金環日食が見えちゃった

金環日食について一昨日の記事で、「ものすごく運が良ければ、20日は晴天の下で仕事ができて、その晴天が 21日の朝までもってくれるかもしれない」 と書いたが、結果から言うと、ものすごく運が良かったようで、金環日食がきれいに見えちゃったのである。

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しかも、日食観測用グラスなんて気の利いたものを買ってない私にはおあつらえ向きに、いい具合にちょうどいい厚さの雲がフィルターになってくれて、肉眼でしっかり見えたのだった。私は、天気に関しては無茶苦茶運のいい男のようなのである

写真はやや左側に、かけ始めた太陽が映っている(クリックで拡大される)。金環日食になったところもきれいに見えたのだが、残念なことに写真には取り損ねた。明るすぎて、同心円状に暗くなった太陽が、カメラには認識できなかったようだ。

昨夜は甲府のビジネスホテルに泊まり、一応、窓のカーテンは開けたままにして寝た。こうしておけば、朝になれば自然に明るくなって目が覚める。最近のホテルの窓は磨りガラスになっているか、そうでなければ大抵レースのカーテンも付いているから、外から丸見えにはならない。そもそも、大抵高いところに部屋があるから、大丈夫だ。

目覚まし時計なんて設定しておくと、大音響が鳴って、壁の薄いビジネスホテルでは隣近所に迷惑になるから、私はいつもそうしている。

で、今朝も 6時前に明るくなって自然に目が覚めた。窓を開けてみると、昇る朝日がもろに見える。「なんだ、こんなに晴れちゃったら、金環日食が見えちゃうじゃないか」というわけで、「儲けもの」の幸運に、少しだけ心が躍った。

7時にホテルの朝食を食べてちょっとコーヒーを飲み、7時 20分におもむろに外に出てみると、写真のように、ちょうど太陽が雲に覆われたところだった。しかし、これが幸いだった。肉眼ではまともに見えない日食が、雲のフィルターを通してよく見える。

そうこうしているうちに、太陽はどんどん欠けていって、7時半頃にきれいな金環日食になった。雲のおかげで、肉眼で十分に見える。となりで見ていたオッサンの日食観測グラスを借りて見ると、影絵に毛が生えたみたいで、全然臨場感がなく、おもしろくも何ともない。これはやっぱり、肉眼で見る方がずっといい。雲のフィルターよ、ありがとう!

それにしても、金環日食というのは、全然暗くならないのだということがわかった。いや、少しは暗くなったのかもしれないが、気付かなければ全然気付かないという程度の違いでしかない。実際、興味のない人は全然気にしないで会社に急いでいる。

気象予報士の森田正光さんによると、赤瀬川源平さんが 「皆既日食の価値が 1万円だとすれば、金環日食なんて 100円程度のものだ」 と言ったというのだが、なるほど、そんな程度のものである。雲のフィルターがなかったら、太陽が欠けたということにすら気付かないほどだ。

そうこうしているうちに、私は子どもの頃のことを思い出した。いつのことだったろうかと Wikipedia で調べたら、1963年 7月 21日とわかった。私が小学校 5年生の時である。この日、日食が見えるというので、小学校のクラスは大騒ぎになり、みんなでセルロイドの下敷越しに太陽を見ていたことがある。

その時も、影絵芝居のような欠けた太陽が下敷に映ったのを眺めて、私は 「なんだ、こんなものか」と、ちょっとしらけたのを憶えている。やっぱり、日食というのは皆既日食でないとあまりドラマチックじゃないようなのだ。

とはいえ、この目で直接、金環食を見ることができて、話の種になったというのは、やはりラッキーだったと思っている。

 

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コメント

おはようございます~
tak-shonaiさん

>それにしても、金環日食というのは、
>全然暗くならないのだということがわかった。
>いや、少しは暗くなったのかもしれないが、
>気付かなければ全然気付かないという程度の違いでしかない。
>実際、興味のない人は全然気にしないで会社に急いでいる。

ちがいますよ~~
ぜんぜんちがいます~~~
私のところはその時刻は、
暗い暗い曇り空だったんですが
終わってから外に出たら、
明るい明るい曇り空になっていましたよ。
こうもちがうのか・・・と感動しましたが・・・


投稿: tokiko | 2012年5月22日 10:11

tokiko さん:

曇ってると明るさの違いが如実に感じられるのかもしれませんね。

晴天の甲府では、光の絶対量が多すぎて、微妙な違いはほとんどわかりませんでした。

太陽が欠けているのも、ギンギラギンすぎて肉眼ではさっぱりわからず、ちょうどいい具合の雲がかかるとフィルターになって、初めて認識されます。

しかも、薄雲程度では、欠けていることが全然わかりません。まったくフツーの、ギンギラギンの太陽です。

写真に撮ったのをみても、薄雲がかかっているだけの時には、まったくフツーの太陽としてしか映っていません。雲が厚くなると、この記事の写真のように、ようやく欠けているのがわかります。

情報がなくて雲一つないところで見てたら、金環日食って、全然気付かないで終わっちゃうんだろうなと思いました。

投稿: tak | 2012年5月22日 17:46

いつも楽しく拝見させて頂いております。
Sennaです。

金環日食で暗くはならなかったですが、気温は2度ほど下がったらしいですよ。

あと、どっかの動物園のお猿さんが普段は観られない行動をとったとか・・・人には感じられない何かを感じ取ったんですかね。

投稿: Senna | 2012年5月22日 19:26

Senna さん:

>金環日食で暗くはならなかったですが、気温は2度ほど下がったらしいですよ。

ほほう、そうですか。
外に出てあちこち動き回っていたので、気付きませんでした。

>あと、どっかの動物園のお猿さんが普段は観られない行動をとったとか・・・人には感じられない何かを感じ取ったんですかね。

夕方と勘違いしたとか……
サルの方が敏感なんですね、やっぱり (^o^)

投稿: tak | 2012年5月22日 21:14

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