ゴルフで盛り上がる価値観
一昨日の「私がゴルフをしない理由」という記事で、「そんなことに半日や一日をかけるほど、暇も金もない」と書いた。しかしそのすぐ後に 「暇と金は無理して捻出すればできないこともないのだが、その無理をするほどの意味をどうしても見い出せない」と書いたように、突き詰めれば「価値観」の問題に行き当たる。
はっきり言ってしまえば、私の価値観は、世のゴルフ好きの人たちのそれと相容れないようなのだ。
私は一昨日の記事で、「ゴルフ場というのは、たかだか遊びのためにしては、自然へのインパクトが強すぎる」と書き、さらに「これだけ『エコ、エコ』と言われる世の中になったのだから、(ゴルフ好きの人たちには)少しは恐縮することを知ってもらわなければならない」と書いている。
世の中には、エアコンの設定温度をシビアに調整したり、ゴミの分別をシリアスに徹底してリサイクルにマメだったり、植林活動をしたりと、熱心なエコ活動をしている人がいる。こういうタイプで「趣味はゴルフ」なんていう人を、少なくとも私は見たことも聞いたこともない。
一方、仲間といつもゴルフの話で盛り上がりつつ、日頃はエコ活動を熱心にしている人というのも、見たことも聞いたこともない。考えようによっては、趣味のゴルフで自然に対する悪いインパクトを多大に与えている分、他に何かエコ活動をしてその埋め合わせをしようという気になってもいいようなものだが、彼らはどうも、エコには無頓着のようなのである。
どうやらエコに関する意識としては、世の中は大きく二大別されそうな気がする。つまり「エコ熱心派」と「ゴルフ大好き派」である(「中間層」というのももちろんあるが)。私自身は昨年の震災以来、仕事部屋のエアコンのコンセントを抜いてしまっているというほどなので、これはもう、誰が見ても「ゴルフを一生しそうにない人」ということになるだろう。
で、ゴミ分別熱心だったりするエコ派は、ゴルフ大好き派をことさらに非難したりはしない。非難したところで、相手が宗旨替えするとは到底思えないからだ。非難することで無駄に費やされるエネルギーを、エコ活動に振り向ける方がずっと効果的だと思えばこそ、結果的にゴルフ好きの存在を無視している。
世の中で最も冷淡な態度は「無視すること」だというが、まさにその通りで、「何を言ってもムダだから」なんて思っているのである。意識的にそう思っているわけではないが、心の底では確実に思っている。
で、私も「少しは恐縮することを知ってもらわなければならない」なんて書きながらも、彼らが本気で恐縮するとは、ちっとも期待していないのである。だって、本当に恐縮しちゃったら、ゴルフ止めなきゃいけないものね。
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コメント
6/3の記事へのコメントのリュウTさん失礼します。自然に関して言えば、「スキー」も同じですよねというのでリンクしました。
今年の2月に姉と二人でロープウェイから雲辺寺に行った。
四国88か所の1つである。頂上は零下であった。
そこは、スキー場と併設されていて、施設を利用する人は、ほとんどがボードを抱えていた。それで満たされている。
山の木もざっくり伐採されていて、何かさびしさを感じた。ロ―プウェイを運営できないのが理由かも知れない。
しかし、雲辺寺はしたたかである。よし、これみたいに強くなろう。手玉に取ってやる!
焼き餅おいしかったなぁ~
投稿: BEKAO | 2012年6月 5日 19:03
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
Sennaです。
今住んでるのは千葉ですが、地元が九州なもんで、行き帰りは飛行機です。んで、風向きによっては羽田着陸時に房総上を飛ぶのですが、下見てるとゴルフ場に切り刻まれた土地を見てかなり悲しくなります。
別にゴルフそのものを否定する訳では無いですが、もう少し自然(ちょいと平仮名変えれば「資源」)の事も考えた方が良いのではと思います。
ま、そういう自分が何か行動を起した訳でもないので、その挙句が今の日本なんだろなぁって気もしますけど…自分が情けない。
投稿: Senna | 2012年6月 5日 19:57
BEKAO さん:
頂上にあるお寺の参詣のためにロープウェイを設置し、そのコスト捻出のために、スキー場ということですね。
まあ、したたかといえばしたたかですが、なんとなく複雑な気持ちになります。
投稿: tak | 2012年6月 5日 23:38
Senna さん:
>風向きによっては羽田着陸時に房総上を飛ぶのですが、下見てるとゴルフ場に切り刻まれた土地を見てかなり悲しくなります。
あれ見たら、普通は悲しくなりますよね。
そうでない人がいるというのが、私には信じられない気持ちです。
投稿: tak | 2012年6月 5日 23:40
tak-shonaiさんこんばんは~
ゴルフ場のことは、このあいだも書いたように
私の思いの中には全く反エコとは思ったことがなかったのですが、やっとtak-shonaiさんのおっしゃることがなるほどと
思うに至りました。
しかし、あの田中首相のころの日本列島改造の時代には日本中が、外国の脅威に打ち勝とうとがんばったのですものを。
でも、バブルがはじけたころから
自然を大切にとか、エコとかいう気運が出てきたのですよね、やはり、人間は何かをやってみないと
間違いなどに気がつかない動物なんじゃないかしら。
投稿: tokiko | 2012年6月 9日 16:49
tokiko さん:
うぅん、恐縮ですが、私は高校時代から、つまり1969~70年頃から、「ゴルフは日本の自然に合わない」と、反ゴルフでした。
あの頃は高度成長のまっ盛りでしたけど、私はずっとアンチ・エスタブリッシュメントでしたから。
投稿: tak | 2012年6月10日 22:39
tak-shonaiさんおはようございます~
そうですかぁあぁぁぁ~
すごいですね~
世の中に左右されない人がいらっしゃるなんて!!!!
私なんか、右に向いたり
左に向いたり、上にむいたり、下にむいたり
忙しい人間です。
ゆれ戻しもすごいのよ。
しかし、tak-shonaiさんのその一貫性は何かな?
高校生の頃?
すごすぎます!!!!!!!!!!!!
投稿: tokiko | 2012年6月25日 07:55