「自殺できないので死刑にしてもらおう」という虫のよすぎる了見
大阪心斎橋の通り魔事件犯人の男が、「自殺しようと思って近くで包丁を買ったが死にきれず、人を殺せば死刑になると思ってやった」と供述しているという。「ああ、またこんなようなのが出てきてしまったか」と思いながら、ニュースを聞いた。
私は 2年半前の「死刑制度に懐疑的になりつつある私」という記事で、池田小殺人事件の宅間某が、「おぉ、俺は死にたいんじゃ、さっさと死刑にしてくれ」とうそぶいて凶悪事件を犯し、その望み通りに異例の早さでさっさと死刑を執行してもらたことについて、「なんというアフターケアのよさだろうか」と書いている。
こんな世の中になってしまうと、これまでにはあまりなかった類の事件が発生する。人生に絶望したが自殺する踏ん切りもつかず、だったら思い切り無差別大量殺人をし、今まで自分をないがしろにしてきた世間を見返して、その上でさっさと望み通りに国家の手によって殺してもらおうという虫のいい犯罪である。
死刑は凶悪事件の抑止効果があるといわれているが、こんな類の犯罪が起きるようになると、逆に凶悪事件を犯すためのインセンティブになっているんじゃないかと思ってしまうほどだ。なるべく理不尽かつ無慈悲に多くの人を殺してしまう方が、確実に死刑にしてもらえるからである。
というわけで私は最近、ますます死刑制度に懐疑的になりつつある。
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コメント
同感です!「そう簡単に死んでもらっちゃ困ります。とことん生きて、苦しんでもらいまっせ」としてもらいたいですな!
投稿: 貧乏フリーランス萩原です | 2012年6月11日 20:56
貧乏フリーランス萩原です さん:
「一生クサいメシを食ってもらうぞ」というのも、「おぉ、一生食わせてもらえるのか!」 になりかねないので、難しいところですね。
やはり、「何といっても塀の外にいる方がいい」という世の中にするのが一番の抑止力でしょうね。
投稿: tak | 2012年6月12日 19:31
↑のtakさんのコメント、
>「何といっても塀の外にいる方がいい」という世の中にするのが一番の抑止力
よいなぁ。笑っちゃうくらい当たり前のことなんだけど、なんだか心を打たれました。
投稿: 山辺響 | 2012年6月13日 10:53
山辺響 さん:
恐縮です (^o^)
メシを食うのに多少の苦労はしても、やっぱり自由が一番です。
投稿: tak | 2012年6月14日 00:06