住みよい街って、どんなのだろうか?
東洋経済新報社が全国の市を対象に調査した「住みよさランキング」の、上位 50都市を発表している。1993年から開始して今回が 19回目なのだそうだ。単純計算で 1回足りないのは、昨年が震災の影響で公表しなかったためだという (参照)。
調査は全国 787市と東京区部全体を対象として、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度の 5つの観点から分析している。その算出には政府が発表した、病院・一般診療所病床数(人口当たり)、大型小売店店舗面積(同)、住宅延べ床面積(世帯当たり) など、14の統計が用いられたんだそうだ。
これだけのデータを使ったのであれば、単なるイメージとか人気調査みたいなものではなく、ある程度客観的な「住みよさ」が反映されているだろう。もちろん、使う統計やパラメターの取り方によって細かい違いは出てくるだろうから、このランキングが厳密に住みよさの順位を反映しているわけはないが、上位の都市がかなり住みやすいというのは確かだろう。
で、今回のランキング 1位になったのは、千葉県の印西市である。我が家からそんなに遠くないので、時々通ったりすることがあるが、まあ、確かに住みやすそうなところではあると思う。印西市だけでなく、これら 50都市の半分ぐらいは実際に行ったことがあり、少なくとも「住みにくそう」という印象からはかけ離れていると思う。
そして我が茨城県だが、なんと、5位に守谷市、15位につくば市、46位に鹿嶋市と、3都市がランクインしている。全国に都道府県は 47もあるのだから、1県で 3都市というのは大健闘である。ダサダサのイメージとは大違いだ。
一方、湘南の好イメージが強い神奈川県は、25位に鎌倉市、37位に逗子市がランクインしているのみ。意外なことに藤沢市などはランク外だ。さらに東京区部は 625位と、やや悲惨。多分、住宅面積の狭さがランクを引き下げているんだろうが、まあ、確かに住みやすそうではない。
上位都市の傾向としては、郊外でインフラが整備されていて、そこそこ交通も便利で買い物しやすいというところが強いようだ。人口が多いと、どうしても 1人当りの公園面積とか病床数とかに割を食うので、不利になるだろう。
ただ、公園なんか狭くても、病院のベッドが足りなくても、都市機能がギンギンに豊富で享楽的な暮らしができるところでなきゃイヤという人もいるので、そういう人はこのランキングにはかなり反発するだろう。
またその反対に、とにかく自然が豊富でなきゃ暮らせないという向きは、郊外どころかさらに田舎に住みたいということになるだろうし、本当の「住みやすさ」なんて人それぞれになのだ。
ということは、このランキングに上げられた都市は、あくまでも「フツーの人」にとって住みやすいところで、それだけにちょっと変わった人にとっては、「おもしろくもなんともない街」という評価になってしまう可能性が高いと思う。
「住みやすい街」と「住んでおもしろい街」とは、かなり違うのだ、きっと。そして「住んでおもしろい街」に住むには、ちょっとしたパワーが必要なのだね。
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コメント
「自分の住んでいる街」というのを、どれくらいの広さのものとして把握するかというのも考えどころですね。この調査だと自治体の区分に準じているようですが。まぁ言い出したら切りがないか。
投稿: 山辺響 | 2012年7月 4日 10:51
山辺響 さん:
確かに 「自分の街」 という、なんというか、「地元感覚」 みたいなものと自治体区分というのは、微妙に違いますね。
でも、本当に言いだしたらキリがありません (^o^)
投稿: tak | 2012年7月 4日 14:04