「ビートたけしの TV タックル」 という番組
出張で京都に来ている。ホテルの部屋に入ってテレビをつけたら、「ビートたけしの TV タックル」 という番組をやっている。珍しく淡々としたまともな討論をしているなと思って見ていたら、案の定、途中から怒鳴り合いになった。
この番組、初めはそれぞれの意見を淡々と語り、途中からどっと盛り上がって怒鳴り合うという、実にテレビ的な筋立てで作られているような気がする。そしてその発端は、一番右の大竹まことが作り、それに乗っかって一番左の山際澄夫というおっさんが怒鳴り始めるという趣向のようだ。
怒鳴り合いがいい加減うるさくなり過ぎると CM が入って、トピックを微妙にズラすので、大荒れになるという事態にはならずに済むというのも、「うまく計算してあるなあ」 と思う。ただ計算ができすぎていて、何もかも「適当にうまく片付けられていく」という印象だ。
大荒れといえば、ずっと前に一度「朝まで生テレビ」とかいうのを見たことがあるが、あれはいい年をした大人が怒鳴り合うのを見て、すぐにイヤになってスイッチを切った。テーマに沿って怒鳴り合うだけでなく、何だか知らないが、感情が激したというだけで怒鳴り始める人もいるのを見て、私は単に呆れた。
そもそも、あれだけたくさんの立場も主張も好きずきも違った人をどっと登場させて、わいわいがやがやと言いっぱなしの討論をさせても、まともな話ができるわけがない。前に 「人間の脳はデュアルタスクが限度なので} という記事で書いた (あれから 2年以上経つんだなあ、しみじみ) ように、そもそも人間は、2つ以上のことを同時に考えられないのである。
デュアル・タスクが限度の脳の人間が、あんなにたくさんの意見をてんでにわいわいとと怒鳴り合うのをみて、まともな方向に考えをまとめられるわけがない。つまり、あれは単なるエンタテインメントなのだが、それを不愉快に思う私のような人間は、見てられなくなるのである。
その辺のところを、さすがにたけしの番組は、ギリギリのところでうまく料理しているとは思ったのであった。
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