ウナギやサンマが高くても
この夏はウナギの値上がりが話題になったが、秋になるとサンマが高値になりそうだという。水産庁によると、今年の北西太平洋におけるサンマ推定資源量は 160万トンで、昨年より 3割以上も少ないんだそうだ。
となると、マスコミが「秋の味覚のサンマが高嶺の花に」と騒ぐことになるのだが、別にいいではないか。供給が減ったものをいつも通りに食いたがるから、値段が上がる。いつも通りに食わなきゃ、値段だって上がらないのである。
ウナギにしてもそうなのだが、高けりゃ食わないまでのことだ。少しは食いたいというのなら、食う頻度をいつもの年の半分にすればいい。漁獲高が 3割減でも、需要を 5割減らせば、値段は上がらずに済む。むしろ下がる。
そもそも、魚の資源量が減るというのは、それだけ獲れにくくなるということで、獲れにくくなったら、無理して獲らなきゃいいのである。無理して獲ったら、資源量がますます減って後々が大変なことになる。
無理して獲らないんだから、強いて食わなきゃいい。それだけのことだ。
ところがどういうわけか、人間というのは供給が減ると、普段はそんなに食わない人まで食いたがるという、ない物ねだりなところがある。。BSE で米国産の牛肉が入ってこなくなった時、吉野屋の牛丼を食いたがる人間が妙に増えたようなものだ。
ウナギなんていうのは、年に 1度の贅沢として食えばいいのに、年に何度も食いたがるから、中国産の変な薬漬けのウナギまで食わされるのだ。私は「国産」という表示のウナギも、かなりの部分は怪しいと踏んでいる。
サンマはウナギと違って、「目黒の秋刀魚」という落語でもお馴染みの「庶民の秋の味覚」ということになっているわけだが、漁獲量が減ってしまえば、庶民の口から遠離っても仕方がない。アジでもサバでも、他の魚を食えばいいだけのことだ。
「秋の味覚」をどうしても食いたいというなら、週に 2度食っていた人は 1度に、1度だった人は隔週にし、シーズンに 2度だった人は 1度にすればいい。シーズンに 1度しかサンマを食わなかった人は、今年は 1度も食わなくても、別にどうということもなかろう。
それよりも問題なのは、マグロである。本格的トロの取れるミナミマグロとクロマグロの漁獲資源は、今や危機的状況にまで減っているというのに、どうも日本人は無理にでもマグロを食いたがるところがあるらしい。
私はマグロでも牛肉でも、「トロ」というやつの存在意義がほとんど理解できておらず、「あんなもの、一体何がそんなにありがたいんだろう?」と思っている人なので、マグロなんか強いて食いたいと思わない。今後 2~3年マグロなしで暮らせば、漁獲資源はかなりもちなおすだろうに、それができないのが不思議でしょうがない。
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コメント
tak-shonaiさんこんばんは~
最近削除したテレビ放映で、
(BSのNHKのアーカイブのひとつ)の内容には
世界のどこか上のほうで会議がひらかれて、
たとえば家電製品は何年くらいで使用不能にするか・・など
決められるんだそうですよ。
生涯動くものが、わざわざ5年でだめになるように作られるんだそうです。
信じられないことでした。
まあ、そういうこともありますから。
うなぎ、まぐろ、そんな報道操作、簡単かもかも・・・
投稿: 朱鷺子 | 2012年8月 3日 17:37
朱鷺子 さん:
なんだか、にわかには信じられないお話ですね。
目安みたいなものなんじゃないんですか?
投稿: tak | 2012年8月 3日 22:55