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2012年7月24日

「気まぐれの 1度きり」 の怖さ

私は近頃、頭の薄くなった人や腹の出てきた人に「頭、薄くなったんじゃない?」とか「お腹、出てきたんじゃない?」とか、極力言わないように気を付けている。それは、言う方にしてみれば「たった一度の発言」だが、言われる方にしてみれば、「何十回、何百回」となり、ボディ・ブローのように効いてしまうからだ。

事実、私がそうだった。40歳過ぎに急に太り始めた頃、会う人ごとに「太ったんじゃない?」と言われた。ほとんど毎日、10回以上言われるのである。10日で 100回、1ヶ月で 300回である。3ヶ月太りっぱなしだったら、1000回言われることになる。

これは効く。精神的にものすごく効く。マジでへこむ。あんまり言われるから、それがイヤになってさっそくダイエットに取り組み、半年で 10kg 減らした。その後すぐに 5kg ぐらいのリバウンドがあったりして、紆余曲折を経ているが、何とか「太めの人」という印象は与えずに済んでいる(と、信じる)。

というわけで、言う方にとっては 1度きりの気まぐれ的発言でも、積もり積もれば山となる式のことというのは、案外多い。

似たようなものに、ベストセラーというのがある。大して素晴らしいというほどのことでもない商品が、急に大ヒット商品になってしまうことがある。しかし、それは多くの人が「1度きりのきまぐれ」で、つい買ってしまったことの集積である場合が多い。

「1度きりの気まぐれ」でしかないのだから、リピートはあり得ない。だから、単なるブームで終わるのがほとんどだ。ところが、そこに気付かない業者がコピーで儲けようとする。しかしその頃にはブームが終わっているので、あっという間に在庫の山になるということが、過去に何度も繰り返されてきた。

実は、ベストセラーというもののかなりの部分が、この類であるということに気付かなければならない。だから私は、流行り物にはあまり飛びつきたくないと思っているのである。

 

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コメント

ボディーブローかぁ~
私、この作戦で行ってみよう~
何かやさしい言葉をかける。
お年寄りの方々に(友人)
最近きれいになってきたけど良いことあるのね?とか・・
あっはははありがとうございました。

投稿: tokiko | 2012年7月30日 11:04

tokiko さん:

それをボディブローにするためには、一人で何度も繰り返し言わなきゃいけませんね (^O^)

投稿: tak | 2012年7月30日 21:01

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