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2012年7月11日

小沢さんの新党

小沢さんの新党の名前が、「国民の生活が第一」に決まったんだって。このニュースの見出しを見て、思わず「長げぇよ!」と呟いた。ああ、やっぱりこの人、よくよく言葉に関するセンスがないのだね。それがよくわかった。

ニュースをよく読んでみたが、党名は「国民の生活が第一党」とか「新党 国民の生活が第一」とかじゃなくて、あくまでそのまま「国民の生活が第一」のようだ。ということは、選挙カーなんかで連呼する時、「国民の生活が第一の小沢一郎をよろしくお願い致します」とか言うんだろうか。まあ、普通に考えたら言うんだろうなあ。

さらに、「比例区は国民の生活が第一に」とか言うんだろうか。やっぱり言うんだろうなあ。「国民の生活が第一公認の○○です」とかも言うんだろうか。言うんだろうなあ。何だかノリが悪いなあ。

それからもう一つ疑問に思ったのが、「英文名称はどんなんだろう?」ということだ。気になっていろいろ検索してみたが、今のところ、小沢サイドからの公式アナウンスとしては全然言及されていないようだ。急なことだったので、そこまで考えている余裕がなかったんだろうか。

Japan Daily Press では 次のように紹介されている。(参照

Ichiro Ozawa announced the formation of his new Japanese political party on Wednesday, Kokumin no Seikatsu ga Daiichi, meaning "People's Livelihoods First."

つまり、公式アナウンスはないので、日本語をローマ字にしてそのまま紹介し、その意味を "People’s Livelihoods First." という英語に訳している。ざっと眺めたところ、国際的にもとりあえずこの言い方で説明しているニュースが多いようだ。

ただ、"People’s Livelihoods First." という英語は、ストレートに日本語に訳し返すと「人々の生計が一番」という感じだろう。なんだか、かなり貧しい国のスローガンみたいだ。他には 毎日や NHK の "People's Lives First" (人々の命が一番) というのがあるようで、こっちは内戦状態とか飢餓とかで、国民の命が脅かされている国みたいである。

ちなみに、英語にすると突然ぼやけてしまうとか、具体的には言いようがないとかいうのは、元々の日本語も、かなり雰囲気だけで作っているということなのだと、私は常々思っている。そんなことを言ったら、日本の政党名はほとんどそんなものなのかもしれないが。

小沢さん、これまでもいくつも政党を作っては壊してきてしまったので、まともな名称は使い尽してしまったのかもしれない。まあ、どうせまたいつ壊すか知れないのだから、こんなようなテンポラリーな感覚の名称で十分ということなのだろう。いかにも 「ここで骨を埋めるつもりはないよ」 と言われているような気がするのも、ちょっと悲しい。

新党の基本政策には 「反原発」 が上げられているようだから、こうなったら、いっそその一点突破で投票してあげて、引っ込みがつかないようにしてやってもいいような気もするが、何だかいかにもポピュリズムの臭いぷんぷんで、いつあっさりと政策転換してしまうか知れたものではないので、危なくてしょうがないとも思う。よく見極めないとね。

【8月 9日 追記】

かなり旧聞になってしまったが、7月 13日付で、英文名称が "People's Life First" に決まったという小さなニュースがあったのを、今頃発見した(参照)。"Life" という抽象名詞にして、「人々の個々の生命」というニュアンスになることを控えたんだろう。

ちなみに略称は "LF" なんだそうだ。だったら日本語でも 「生活第一党」 にでもすりゃよかったのに。

 

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コメント

 あまりにも印象論で、失礼極まりない考えだとは思うのですが……小沢さんが個別の政策へ真面目に取り組んでくれる未来というのを、まったく想像できなくて困っています。

 いま言っている言葉だけなら、支持したい要素がとても多いのですけれど。
 本当に失礼だとは思うのですが、これほど「何から何までまったく信用したくない」気になる人は珍しいです。

投稿: kanata | 2012年7月11日 23:55

kanata さん:

後出しじゃんけんみたいな政策ですもんね。

投稿: tak | 2012年7月12日 22:33

確かに、英語に訳すと完全にぼやけますね。
小沢さんの政治信念がわからないと、よく評論されますが、まさに英語に訳すことで浮き彫りになりますね。
ただ、それでも実は個人的にはこのネーミングは嫌いではありません。
センスは全くないですが(笑)、マーケティングして決まった名前にも思えないし、
彼は彼はなりにこのフレーズに思いを込めたのかも知れませんね。

投稿: くり坊 | 2012年7月15日 00:41

くり坊 さん:

>彼は彼はなりにこのフレーズに思いを込めたのかも知れませんね。

民主党が政権を取った時のキャッチフレーズですからね。

「俺はこのフレーズで勝ったんだ」という思い入れはあるのかもしれませんね。

それで、「政権交代の本家は俺だ!」と。

投稿: tak | 2012年7月15日 22:07

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