オリンピックで失望しないために
万博とか何とか博覧会とかの誘致に先だって、主催する国や自治体はそのイベントへの来場者数をものすごく楽観的に見積もって、それを信じて出展した業者は、終わってみて失望を露わにする。鉄道の新線や、新しい空港などを作る時も、当事者はものすごく希望的な利用者数の予測を発表するが、完成してみると、ほとんど閑古鳥が鳴いている。
オリンピックでも、ものすごく楽観的なメダル獲得数予測が報じられ、結果的には大抵失望の嵐となる。不思議なことに、超楽観的な予測を報じるのは、主催者でもなんでもないマスコミだ。いや、マスコミは主催者ではないけれど、盛り上がってくれないと儲からないという都合にかけては主催者以上なのだから、しょうがないのかもしれない。
当初は 7個ぐらいの金メダルと予測されていた柔道は、たった 1個しか取れなかった。水泳も銀と銅ばかりで、金は取れていない。体操男子も団体で取れると言われていた金メダルが取れなかった。
事前のマスコミ的 「煽り」 に乗せられないためには、彼らの大袈裟な論調をきちんと翻訳して解釈しなければならないだろう。ざっと、こんなふうに。
「金メダル確実」は、「うまくいけば金メダルが取れるかもしれない」
「金メダル有力」 は、「銀か銅が取れれば上出来」
「メダル有力」 は、「入賞できれば上出来」
「メダルを目指す」 は、「予選通過ぐらいならできそう」
「入賞を目指す」 は、「予選通過できたら、上出来」
「決勝進出を目指す」 は、「参加することに意義がある」
とまあこんなような具合で、要するに大風呂敷を広げられているのである。このくらい大風呂敷を広げないと、選手の励みにならないという見方もあれば、プレッシャーになるだけでいいことは何もないという見方もある。前者は巨人ファン的で、後者はヤクルト・ファン的な視点だ
「負けても当然だけど、勝てばうれしい」 というヤクルト・ファン的な楽しみ方の方が、精神衛生にいいような気がする。男子サッカーなんかは、まさにそんな感じで、楽しみが増えているではないか。
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コメント
こんばんは~
私など、
オリンピックに出ていることも知らなかったアスリートが
金を取ったり、メダルをとったりしているので、びっくりしています。うふふ
しかし~
イギリスはメダルの獲得をめざして
いろんな国のめぼしい選手にイギリス国籍をとらせて
イギリスの選手にしたてあげる作戦を取ったそうですね。
それに、
どこか、あちこちの国のメダルの選手が
帰化した中国人でしたし。
あの、お笑い芸人がバッシングを受けたのは
何だったのか???
弱い者いじめの日本人ですよね~。
ぜんぜん的外れなコメントでごめんなさいね。
投稿: tokiko | 2012年8月 5日 18:51
tokiko さん:
日本の甲子園野球で、東北代表の選手がほとんど関西弁だったりするのも、むべなるかなというところです。
日本の猫なんとかというお笑い芸人の場合は、実力が低すぎるので、弱小国の何とか枠を利用してオリンピックに出ようとしたというわけで、やっぱりちょっと姑息に過ぎたかなと。
投稿: tak | 2012年8月 5日 22:38