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2012年8月10日

この国で政治について語るのは虚しい

これまでこのブログで何度政治を論じたか、試しに「経済・政治・国際」というカテゴリーで検索してみたら、306件あった。このブログが始まってから 2,700件以上の記事を書いているので、その比率は約 11%ということになる。10回に 1回以上の割で書いていることになるとは、自分でも驚きだ。

政治について論じるのは、あまりにも益がない。虚しいばかりである。それでも私がこのブログで政治について論じることがあるのは、それなりに腹に据えかねたり、書かなければ気が済まなかったりしたときだけである。そして、10日に 1回以上の割でそんなことがあるというのは、これは悲しむべきことなのである。多分。

今日、消費増税法案が可決された。これがいいことなのか悪いことなのか、実際のところ、私には判断できない。今のままでは福祉財源が払底するというのは確かなことだ。それを増税で補うというコンセプトは、それほど理不尽なものではない。ただ、増税しかないのかといえば、そんなこともなかろうということになる。

しかし、増税なしに財政を健全化するというのは、かなりの荒療治が必要になる。その荒療治は、私個人にとっては痛くも痒くもないのだが、既得権益をもつ層にとっては、どうしても避けて通りたいことだ。彼らに引いてもらうのは、100年経っても無理だろう。100年経っても無理なことに期待するよりは、増税は現実的なアイデアに違いない。

増税を行うのは確かに、マニフェストにも民意に反することである。しかし、単純に増税に反対するのは、安っぽいポピュリズムであるというのも確かなことである。安っぽいポピュリズムに堕することなく増税を回避するには、政治がかなりのダイナミズムを発揮しなければならない。

しかし悲しいことに、この国には政治がダイナミズムを発揮するだけの土壌がない。だから、政治について語るのは虚しい。虚しい政治に参加するのがばからしくなる気持ちもよくわかる。

投票率が若年層においてとくに低いのも、当然と言えば当然である。そして、その当然さ故に、若年層はいつでも割を食う。気の毒なものである。

 

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