再生可能エネルギーの普及は、予測をかなり超えているらしい
Wired Japanese Edition の 「専門家の目は節穴? 驚異的な勢いで普及する再生可能エネルギー」 という記事は、世界のクリーンなエネルギー普及は、分野によっては 12年前の予測の約 10倍の速さで進んでいるとして、「頭でっかちな専門家たちによって定められた目標は、完全に的外れだった」とこきおろしている。
国際エネルギー機関の 2000年の時点の予測では、2020年までの再生可能エネルギーは、水力発電を除くと、全体の 3%にも達しないとのことだった。しかし実際には、想定の 12年も前の 08年に、その目標はあっさりと超えられてしまっていた。
太陽光発電においては、20年までに7.6ギガワットの発電量が予測されていたが、既に昨年の時点で 69.7ギガワットと、予測の 10倍近い発電量が記録されている。風力発電では、2010年までに世界中で 30ギガワットという予測に対して、実際には 200ギガワット以上が発電されていた。
Ren 21(21世紀再生可能エネルギー政策ネットワーク)の広報担当、モハメッド・エル=アシュレイ氏は、「2011年は、再生可能エネルギーによる発電施設が最も多く設置された年となった」 と述べている。それらは新規設置の 20%に達し、それらの施設では 500万もの雇用が生まれているという。
ちなみに 2011年といえば、東日本大震災の発生した年である。この震災を機に再生可能エネルギー開発の動きはさらに高まり、投資が拡大したとみられる。ということは、継続的にこれまで以上のペースで発電量が増加していくとの期待につながるだろう。
脱原発のコンセプトには、「そんなことが可能になるのは、遠い将来の話」 という批判がつきまとってきたが、実はそんなに遠い将来というわけでもなさそうなのである。同じ投資をするならどっちに投資すればいいのか、そんなに迷わなくても済む時代に、既になっている。
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コメント
私は今年初めて知ったのですが、わが国では再生可能エネルギーの比率を法的に定めていて、かなり低い数値でありつつも年々増加させているというような按排で、実質は風力発電等の潜在的な実効性を抑えていたような事実があります。と、聞きました。
投稿: jersey | 2012年8月14日 23:27
jersey さん:
>私は今年初めて知ったのですが、わが国では再生可能エネルギーの比率を法的に定めていて、かなり低い数値でありつつも年々増加させているというような按排で、実質は風力発電等の潜在的な実効性を抑えていたような事実があります。と、聞きました。
「要出典」ですね。私は聞いたことがありません。
ただ、結果として再生可能エネルギーの比率を低く抑える政策がとられてきたということならば、確実に言えると思います。
投稿: tak | 2012年8月15日 21:27
曖昧な書き方をしてすみませんでした。
出典というか、6月の下旬に「日本環境学会」の方が、講演会で最後の質問に答える形でパワポの資料に出なかった「RPS法」での比率云々ということを言われたのです。
そのことがどこまで正しいか「RPS法」の内容を調べただけではわからなかったので、中途半端な書き方をしました。
今日、この「」の単語2つで検索すると、やはり日本の基準はかなり低く抑えているような印象です。引用は避けますが、それによって認可を抑制された事例が掲載されていました。
その講演ではドイツとデンマークの事例、とくにドイツの過疎化した村が太陽光発電で再興したような話でした。おそらく、それらとの比較で日本の「RPS法」の問題点を突かれたのだと思います。
投稿: jersey | 2012年8月16日 21:01