au ショップでは店員の口車に乗るなというマジな話
先日、父の一周忌 (約 1ヶ月前倒しで実施) で帰郷したら、つい最近まで au のガラケーユーザーだった妹が、アンドロイド・スマホに機種変更していた。妹一家は今どき珍しいほどデジタル機器との親和性が低くて、家に PC が 1台もなく、つい最近までデジカメも持っていなかったというぐらいなので、ちょっと驚いた。
IT 機器の使い方に慣れていないのに、急にスマホなんか持ってしまった妹は、扱いにとても苦労している。メールに写真を貼付して送るだけで、四苦八苦の状態だ。「前のケータイでできてたことが急にできなくなって、大変なんだよね」と、こぼすのである。
私の周囲には、機種変更しに行ったら店の人に勧められたのでアンドロイド・スマホを買ったが、使い方がよくわからなくて苦労しているという中年以降の女性が少なくない。そして他ならぬ妹まで、その一人になってしまったというわけだ。
「au ユーザーだったら、iPhone にしとけば、そんなに苦労しないで済んだのに、どうしてよりによってアンドロイドなんか選んだの?」と聞くと、店で勧められたからだという。
「店の人が言うには、iPhone は操作が難しいから、こっちの方がいいって」
「はあ? とんでもない、まったく逆だよ。パソコン操作が難なくこなせるような人なら、アンドロイド・スマホがいいかもしれないけど、スマホ初心者には iPhone の方が無難だって、そりゃもう、10人中、少なくとも 8人以上は同じことを言うよ。操作がシンプルで直観的だから、どうみてもアンドロイドより楽に使える」
「あぁん、お店の人にだまされちゃったのかなあ」
というわけで、私は「iPhone は操作が難しいから、アンドロイドがオススメ」 なんて無茶苦茶なことを言う au 店員が存在するという、信じられない事実を知って、ちょっと唖然としてしまったのである。相手が何も知らないと思って、よくまあ、そんなデタラメを言うものだ。
いろいろ情報を集めてみると、どうやら au はせっかく販売権を獲得した iPhone を、本気で売る気がないようなのである。というか、iPhone ではなくアンドロイドの方を売りたい姿勢がミエミエなのだ。「iPhone を買うなら、ソフトバンクの方がいいですよ」なんて、率直すぎることを言う au の店員がいくらでもいるというぐらいだ (参照)。
確かに au のショップをみると、完全に iPhone 以外のスマホを前面に出しているし、iPhone を買いに行っても、アンドロイド・スマホばかり勧められるらしい。iPhone は PC と連動しないと使えないから難しいとか、住所録の同期ができないとか、動作が遅いとか、いろいろ嘘っぱちを並べ立てて、アンドロイドを買わそうとするのだそうだ。
これらは単なるウワサではなく、私の妹が身を以て経験した事実である。客の利益というより、店の都合なのだろうとしか思われないお話だ。多分、店側が iPhone の取り扱いに慣れていない上に、アンドロイドを売る方がショップの利益率が高いシステムになっているのだろう。
自分で判断してアンドロイドを選択するというユーザーなら何の問題もないが、漫然と機種変更しに行って、何もわからないままアンドロイドを押しつけられるというのは、あまりと言えばあんまりである。本来はそうした「漫然派」ほど、アンドロイドよりは iPhone の方が親しみやすいはずなのに。
というわけで、ここでは au ユーザーが機種変更したい時には、店員のデタラメ情報に振り回されないように用心しなければならないと、やんわりとだが、とてもマジに呼びかけておくことにしよう。
一時は SMB 版 iPhone から電波状態のいい au 版に乗り換えようかとも思っていた私だが、今となっては 2年縛りが解けても SMB 版のままでいる方が、相対的に安心できそうな気がしている。
【補足情報として、以下を参照】
「auショップ」はiPhone 売る気あるのか 店内にポスターやポップすらない
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コメント
ソフトバンクの方が商売熱心だということですね。よく分かります(笑)
投稿: 山辺響 | 2012年9月11日 17:59
それはさておき、二つ前の「Apple的世界の居心地のよさ」とも絡むんですが…。
一方で、「Apple的…」で紹介されているような、「Windowsユーザーは退屈(または凡庸・つまらなそう)、Appleユーザーは個性的(またはクール、洗練されている、クリエイティブ、などなど…)」というブランドイメージがあるわけですよね(いくぶん偏見かもしれませんが)。
他方で、少なくともスマートフォンに関して「よく分からないならiPhoneにしておけ」という風潮がある(たぶん、この判断は正しいと思います)。
しかし、少なくとも今までは「面白い(または、以下略)人間はApple製品を選ぶ」が事実であったとしても、その逆=「Apple製品を使っていれば面白い(または、以下略)人間になれる」はほぼ幻想だろうと思います。
そうすると、パソコンとスマートフォン/タブレット端末の比重が後者に傾いていくなかで、いずれある時点で「Apple製品=よく分かっていない普通の奴がとりあえず使っているもの」というイメージが生成されてくるのではないか、という気がします。
そうやって、これまでのAppleブランドの強みが薄れていったときに、Appleはどうするのかなぁというのが興味深いなと思っています(まぁ、それに取って代わるのがWindowsやAndroidであるとはちょっと考えにくいとはいえ…)。
投稿: 山辺響 | 2012年9月11日 18:14
山辺響 さん:
選択肢が多くて漠然としているよりも、生命線ともいえる主力商品が明確である方が、商売に熱が入るってことなんでしょうね。
>そうすると、パソコンとスマートフォン/タブレット端末の比重が後者に傾いていくなかで、いずれある時点で「Apple製品=よく分かっていない普通の奴がとりあえず使っているもの」というイメージが生成されてくるのではないか、という気がします。
なるほど。
一つの状況であまりに最適化が進むと、状況が変わった時にダサイものになってしまうというのが、今の Windows ですが、状況が好ましい方向に進展しすぎて、それまでスマートだったものが 「ごくフツー」になってしまうという心配もあるわけですね。
でも、それってある意味、Apple が、あるいはスティーブ・ジョブスが、ずっと目指していたことかもしれませんよ。
「俺こそ普通なのに、どうしてみんなダサイヤツを選択してしまうんだ?」 と。
投稿: tak | 2012年9月11日 21:47
いやいや。
iPhone売ったほうが利益率高いし
基本的にはiPhone売りたいですよ。
ただiPhoneだとお店でアフターサービスだったり修理受付が出来ないから、スマートフォン初心者にはアンドロイド勧めてるだけです。
iPhoneのほうが簡単とか言う人に限ってお店に持ってきて何でもやってくれって言うんですよね。
いい迷惑です。
投稿: うひあは | 2013年10月19日 21:08
うひあは さん:
>ただiPhoneだとお店でアフターサービスだったり修理受付が出来ないから、スマートフォン初心者にはアンドロイド勧めてるだけです。
それが、初心者にはいい迷惑。
>iPhoneのほうが簡単とか言う人に限ってお店に持ってきて何でもやってくれって言うんですよね。
これ、かなり言いがかり。
そもそも、アンドロイドだとお店でやってあげられるというのと、iPhone だとお店にもってこられて迷惑というのと、言ってることが自己矛盾でしょ。
投稿: tak | 2013年10月20日 00:35