Facebook とモバイル・デバイス
CNET によると、Facebook の創設者で CEO のマーク・ザッカーバーグ氏が、投資会社 Y・コンビネーターのスタートアップ・スクールで、SNS における情報共有の進展について語ったという。(参照)
彼はこのことについて、「ソーシャルネットワーキングの世界におけるムーアの法則のようなもの」と述べ、「(共有の) 速度は 10年毎に 2倍になるとわれわれは考えている。なので、今から 10年で、人は今日の 1000倍の情報を共有するようになる」と述べたと伝えられる。
「今日の 1000倍の情報」を共有できたとしても、人間の脳はそれを取り扱うことができないんじゃないかと危惧するが、まあ、そこはそれ、デジタル・デバイスという外部メモリーを使ってこなしていくことになるのだろう。
ここで「デジタル・デバイス」という言い方をしたのは、それは決して PC の役割ではなくなるんじゃないかと思うからだ。近々、PC は専門的な仕事をするための道具という位置づけになって、ごくフツーの人が気軽に情報にアクセスするのには、スマホやタブレットなどの、モバイル・デバイスを使うことになるだろう。
現に、30歳以下の連中の平均的な PC リテラシーは、少なくとも進展してはいないんじゃないかという印象がある。彼らの多くは、ケータイやスマホはとても上手に使いこなすが、PC のオフィス・ソフトなどの取り扱いに関しては、その辺のオッサンより下手なんじゃないかと思うほどだ。
Facebook にしても、多くのユーザーはモバイル・デバイスを使って読んだり書いたりしている。ところが、Facebook は機能が豊富すぎるために、本当に使いやすいクライアント・アプリがまだ提供されていない。
機能が単純な Twitter は、クライアント・アプリがいくらでもあるが、Facebook となると、iPhone、iPad 向けの公式アプリは、限定された機能しか使えない。例えば、最近はウェブページのシェアはできるようになったが、Facebook 上の写真のシェアは、依然としてできない。(有料アプリで、できるものもあるが)
Facebook はどうやら、PC で操作するものという前提で開発されているように思う。モバイル・デバイス上では、その機能をフルに使うことができない。iPad では Safari 上で Facebook を操作すれば、フルに近い機能が使えるが、iPhone だと Safari を使っても、限定された表示しかできない。
Facebook に限界があるとすれば、このあたりなのではなかろうか。モバイル・デバイスで取り扱うには、ヘビーすぎるのである。アプリの開発者がいくらがんばっても、Facebook 自身の進化に追いつけない。要するに、機能があまりにもてんこ盛りなのである。
もしかしたら、モバイル・デバイス用には、一般ユーザー向けのアプリと、上級機能を専門にこなすアプリの 2本立てでインストールしなければならないのかもしれない。既にそんなような傾向は見て取れる。
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コメント
Twitter は携帯で見ることが多いですが、FaceBook はPCから書き込むことが多いです。
写真をアップロードするのだけは別ですが。
投稿: hiroyuki | 2012年10月23日 20:39
hiroyuki さん:
>FaceBook はPCから書き込むことが多いです。
その方がストレスがないですね。
ただ、外出している時などは、なかなか大変です。
投稿: tak | 2012年10月24日 11:53