暖冬予報から 「厳しい寒さ」 に一転
3日前に、気象庁の「この冬は暖冬傾向」という季節予報は、エルニーニョの継続を前提としていたので、それが思いのほか早く終息してしまった以上、予報も変わるというようなことを書いた。すると早速、「広い範囲で平年より寒さが厳しくなりそう」という予報が発表された(参照)。
今日なんぞはやたらと寒い。つくば辺りでは最高気温が一桁台という、真冬並みの冷え込みだ。このまま季節が進んだら、本当に厳しい寒さになりそうである。
晩秋に真冬並みの寒さになると、「地球温暖化なんて、嘘なんじゃないの?」と言い出す人が出てくる。今はさすがにそんな人は少なくなったが、2~3年ぐらい前まではずいぶんいた。「地球は温暖化なんてしていない。むしろ寒冷化に向かうサイクルにある」と主張するのも、そんなに恥ずかしいことじゃなかった。
ところが今や客観的な統計としても、北極海の氷が激減しているなど、温暖化の事実は否定できないところまできた。さらに、米国海洋大気庁の最新データによれば、地球全体の平均気温(全球平均気温)はこの 27年間、それまでの平均以下になったことが一度もないということまで確認された(参照)。
地球の気候サイクルとしては、本来なら確かに寒冷化に向かうべきなのに、事実として温暖化してしまっているというのは、人為的な要因がよほど大きいとみられる。これが本当に恐いところである。
寒冷化に向かうべきところを、人為的な要因で食い止めて温暖化させていられるなら、かえって歓迎すべきじゃないかという人もいる。しかし、これもそうは問屋が卸さない。
「温暖化したら、シベリアで農業ができるようになるから、食料問題が解決される」などとノー天気なことを言う人が、前はかなりいたが、そんな都合のいいものじゃないようなのである。地球上の広い範囲でまんべんなく平均的に暖かくなるならいいが、そうではなく、極端な形で現われるから困るのだ。
「温暖化」というからノー天気でいられるのだが、本当は「極端化」なのである。だから、夏は死ぬほど暑く、冬はやたら厳しいということになったり、穏やかな天気のはずの春や秋に、突然雹が降ったり竜巻が起ったりする。水不足が心配されるほど雨が降らないと思っていると、突然ゲリラ豪雨になったりする。
この冬もどんな冬になるかわからない。せいぜい覚悟だけはしておこう。
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コメント
極端に寒いのはやだなあ…(´・ω・`)
投稿: hiroyuki | 2012年11月24日 17:40
hiroyuki さん:
雪国の人にとって困るのは、寒さよりも雪です。
寒さは何とか我慢できても、大雪だとまともな生活ができなくなるので。
投稿: tak | 2012年11月24日 20:27