本国でのサムゲタン裏シーズンを、日本で埋める戦略?
私は焼肉料理店にすら、この 10年間で一度も行ったことがなく、韓国の食い物でお馴染みなのはキムチだけという人なので、「サムゲタン」と聞いても、「多分食い物なんだろうな」と思うだけで、イメージが浮かばなかった。このところの「サムゲタン/ステマ」騒動につられてググってみて、どんなものだか初めて知った。
ステマ騒動のきっかけは、『さくら荘のペットな彼女』というライトノベルで、原作では「おかゆ」だった設定がアニメではなぜかサムゲタンに変わっていたため、ネットで祭りになったことらしい。ふぅん。
それ以後は、サムゲタンについて何を書いてもステマ扱いされかねない風潮なんだそうで、かの乙武さんも、「きのう友人宅でいただいた参鶏湯をつくってもらえることになった。楽しみヽ(´▽`)」 と tweet しただけで、「乙武、お前もか!」とやり玉に挙げられている。気の毒に。
近頃急に話題になっているような印象のサムゲタンだが、『煩悩即道場』の ululun さんによれば、 「Google トレンドで調べたら、サムゲタンは寒くなると話題になっているみたい」ということで、とくに今年に限ったことではないようなのだ(参照)。ちょっと引用させていただこう。
日本国内過去「サムゲタン」 が一番話題になったのは今年の 1/7 にニュースに掲載された 『炊飯器でサムゲタンをつくったら、あまりのおいしさに驚愕』 だということがわかりましたよ。
へえ、今年の正月の時点で既にそんなにも話題になっていたとは、まったく知らなんだ。
とまあ、小説では「おかゆ」だったものがアニメになったとたんにサムゲタンになったことに関しては、本当にステマだったのかもしれないが、ネットの世界に関しては、毎年寒くなると定番の話題として登場機会が増えるようなのである。とくに変わったことでもないようなのだ。
とはいえ、このところはちょっと異常なまでに話題になっているので、もしかしたらサムゲタンの売上げは急カーブで上昇しているかもしれない。ちょっと調べてみたら、レトルトのサムゲタンだけで、こんなにも市場に出回っているようなのである。
で、さらに調べてみると、日本では寒くなるとネットに登場する頻度が増えるサムゲタンではあるものの、実は本場韓国では「夏の強壮食」なんだそうだよ。Wikipedia の記述を引用してみよう。
熱いスープ料理であるが夏の料理として知られ、専門店も多い。ちょうど日本の土用の丑の日におけるウナギのように三伏の日に食べると健康によいとされ、夏バテ時の疲労回復としてよく食べられている。
ここに出てくる「三伏の日」というのは、陰陽五行説に基づく夏の間の 3回の庚 (かのえ)の日のことだそうで、詳しくは こちら をどうぞ。日本の「土用丑の日」より 3倍の営業機会があるとはいえ、本来は「夏向けの季節商品」だったのである。
ということは、韓国のレトルト・サムゲタンのメーカーにとっては、本国での裏シーズンの寒い季節を日本市場が埋めてくれるならば、そりゃ、ありがたくないはずがない。私が韓国の業者だったら、迷わず日本で「寒くなったらサムゲタン」と訴求するだろう。
もしかして本当に、綿密なマーケティング戦略に基づくステマだったりして。
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