野田さんの皮肉な 「さっぱり感」
衆議院は本日解散となる運びなのだそうだ。野田さん、前から「その気」ではあったんだろうが、やっと実行してくれるというわけだ。
私は昨年の 9月 4日に、「野田内閣、もしかしたら案外もつのかも」なんていう記事を書いた。野田さんが首相になったのが、去年の 8月 30日。そして今日衆院は解散されても、次の内閣が決まるまでは内閣総理大臣としていられるのだから、約 1年半はもつということだ。
野田さんの前の菅直人がだらだらと 452日(ほぼ 1年 3ヶ月)もったが、政権交代前は、安倍さんが 366日、福田さんが 365日、麻生さんが 358日と、ほぼ 1年内外しかもたず、民主党になってからの鳩山さんが最悪の 266日である。野田さんは「しっかりもった」というほどじゃないが、とりあえず「案外もった」とは言えるかもしれない。
どうせ最大限にもっても来年 8月の衆院任期切れまでで、既にレイムダック状態なんだから、解散しなかったら年明けには「超」の字のつくレイムダックになって、政治は何も進まなくなるだろう。野田さん、ここに来て「最後のまともな仕事」をしてくれたわけだ。
しかし民主党内部は目も当てられない状況で、できれば解散させたくない人ばっかりだったようだ。どうせ次の選挙では当選できそうにないのに、国会議員のバッジを失う日が 8ヶ月早まるのは、政治が膠着して動かないことよりずっと困ると言わんばかりなのは、やっぱり見苦しいわなあ。
3年ちょっと前に、ムードに乗って当選しただけの民主党議員は、日本人がついぞ知らなかった「政権交代」というものを経験してみるための、ワンポイント・リリーフに過ぎなかったのである。その使命は曲がりなりにも果たしたのだし、しかもあっという間に、こんなにも火だるまになってしまったのだから、あとはさっさと降板するのが仕事なのだ。
その点、野田さんの「年内解散実行」という決断は、ある意味さっぱりしている。本来なら、民主党政権にはこんなような感じの「さっぱりした政権運営」をしてもらいたかったのだが、最後の最後でやっと、しかもトップのみが「さっぱり感」を表現してくれることになるとは、まったく皮肉なことである。
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コメント
> ワンポイント・リリーフ
次の当てがある場合にはそうも言えるでしょうが...
元々政権を担う訓練ができていなかったところに、3.11まで起こってしまったのがお気の毒と言えるかも。
下馬評の高いLDPが再登板なら、どの面下げて出てくるんだろう。先ず土下座するのが筋じゃないかと。
とは言え、思考停止で以前の長期政権体制を許し、また野党を鍛えることを怠っていた一般国民が最大の責任者なのかな?
投稿: 亀之助 | 2012年11月16日 22:23
亀之助 さん:
>> ワンポイント・リリーフ
>次の当てがある場合にはそうも言えるでしょうが...
政権交代してしまってから、「ワンポイント・リリーフ」だと、しかも 「次の当て」 のないそれだと判明してしまったのですね ^^;)
>下馬評の高いLDPが再登板なら、どの面下げて出てくるんだろう。先ず土下座するのが筋じゃないかと。
下馬評、高いですかね ^^;)
土下座するのが筋というのは、賛成です。
いずれにしても、政党が多すぎてどこを選択すればいいのか、途方に暮れるのが、来月の総選挙ですね。
政界再編成の前の、大シャッフル状態でしょうか。
投稿: tak | 2012年11月17日 00:33