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2013年2月23日

O2O を巡るシンプルな冒険

この言葉を初めて文字で見た時は、「ゼロ・ツー・ゼロって一体なんだ?」と思ったものだが、マーケティング業界ではあっという間に定番の流行り言葉となってしまった。もちろん "O2O"、つまり "online to offline" のことである。

O2O というのはまだ模索段階で、きちんとした見解なんてまだ誰ももっていないのだろう。「オンラインで訴求して実店舗で売る」なんていうが、そんなのは半分は、これまで実店舗で成功を収めてきた旧タイプのプレイヤーたちの願望なんだと思うし。

実際には商品によってうまく行ったりいかなかったりするという、それだけのことなんじゃなかろうか。ごくシンプルな話である。

今すぐ必要な小さなモノ、例えば、デジカメに SD カードを装着してくるのを忘れたなんていう時は、手近なリアルショップで買うしかない。急に必要になったポケットディッシュとか、ボールペンとかビニール傘なんていうのもそうだ。早くいえば「コンビニで売ってるようなモノ」である。

逆に、リアルショップで買っても「お持ち帰り」するのがうっとうしいほどの大モノは、ネットで買って届けてもらう方が面倒がない。冷蔵庫や洗濯機なんていうのは、どうせ届けてもらうしかないのだから、ネットで買う方が手軽だ。

この手の「大モノ」の販売に関しては、リアル店舗はどんどんショールーム化するだろう。とはいえショールームに下見に行ったつもりでも、値段が十分に安かったら、その場で買って届けてもらうことになるかもしれない。しかしリアルな店舗でそんなに安く売るには、利益率をかなり落とさなければならないだろうから、ちょっと不利だよね。

手で持ち運べるようななものでも、「いつものヤツ」だったらネットで買う。シャツとか靴下とか、「お気に入り」の定番があるなら、店に行くまでもなくネットで買うだろう。それが特殊なものであればあるほど、ネットで買うしかないことが多い。

我が家の猫が生きていた頃は、腎臓の弱った老猫用の特殊ペットフードをいつもネットで買っていた。普通の量販店では探しても見つからないのだから、ネットで買うしかない。専門書みたいなものも、この類といっていいだろう。

オフラインの方が圧倒的に有利なんていう商品は限られるので、これからはオンライン販売のシェアがどんどん高まるだろう。「抵抗勢力のあがき」みたいな O2O の中から、オフラインでなければならないモノというのが少しは生き残りはするだろうが。

じゃあ、SD カードとかポケットティッシュとかボールペンとかビニール傘などの「コンビニ商品」以外で、リアル店舗の方が有利な商品に何があるかといえば、「感覚に強烈に訴えるモノ」ということになるだろう。ファッションとかファンシー・グッズとかスイーツとか、あるいは骨董とか、とにかく「見た途端に欲しくてたまらなくなるもの」だ。

つまりは「ショッピングの楽しみ」みたいなものとのセットで売る商品である。その商品を見るまで、それが欲しいとは、消費者自身も気付かなかったというような、意外性のある商品であればあるほどいい。リアルなショップは、「モノ」そのものよりも、「体験」とか「直接触れることによる満足感」とかを売るものになって行くんじゃなかろうか。

いずれにしても、「モノ」の売り買いはどんどんオンラインに行く。実店舗で生き残るのは、コンビニと「体験型商品」の店ぐらいのものかもしれない。

オンラインに抵抗を感じるというのは、単にこれまでの「ハイタッチな気がする効果」のある実店舗での販売に慣れた「習慣性」の産物でしかない。ただ、習慣性というのは無茶苦茶強いファクターだから、死ぬまでオフラインでしかモノを買わない層というのも確実に存在する。だから、しばらくはコンビニ以外の実店舗もなくなるわけじゃない。

ちなみに私自身は、どんどん「モノなんて要らない」というタイプの人間になってしまっていて、オンラインだろうがオフラインだろうが、別にどうでもいいと思っている。最後の最後で、身も蓋もない話になっちゃってゴメン。

 

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コメント

あとは服とか鞄とかの身に着けるものぐらいですかねえ…
(´・ω・`)

投稿: ひろゆき | 2013年2月26日 15:10

ひろゆき さん:

本文にも書いたように、身につけるものでも、定番ならネットで買っちゃいますよ。

投稿: tak | 2013年2月27日 10:20

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