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2013年2月13日

スポーツと体罰、鉄拳制裁

桜宮高校バスケットボール部での事件を機に、スポーツの世界でやたらと体罰問題が取りざたされるようになって、女子柔道の全日本代表監督までそれで辞任するまでに発展している。

ちょっと前まではスポーツの世界での体罰や鉄拳制裁なんて当たり前という風潮があったように思うが、さすがに世の中は変わってきているようだ。多くの団体で、体罰を行わないように指導し始めている。

そうなると、これまで当然のごとく鉄拳制裁を行ってきた部長とか顧問とか監督とかコーチとかが、どんな顔して態度を翻しているのか、興味津々である。急に拳骨を振り上げなくなったのか、少しはこれまでのことを詫びたのか、どうなんだろう。

もし詫びたんだとしたら、どんな顔をして詫びたんだろう。詫びもせず、とぼけたままおとなしくなってしまったんだとしたら、そのわざとらしい態度の変わり方を、部員たちはどんな風に受け止めているんだろう。

鉄拳制裁を行わなくなって、選手たちのレベルはどう変わるのだろう。あるいは変わらないのだろうか。もしかして、鉄拳制裁がなくなった後の方が選手たちがのびのびとプレーして強くなってしまったりしたら、指導者はなんと言い訳するのだろう。下手すると、自分のこれまでのやり方を正当化するために、レベルを落としてしまったりして。

私は個人的には、体罰や鉄拳制裁でスポーツのレベルが上がるなんてあり得ないとは言わないが、それが必要なものだとは決して思わないがなあ。鉄拳制裁なしではまともに練習に取り組まない選手だとしたら、そんなのはもともと素質がないのだ。

 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

 少なくとも、「根性のない奴」を振るい落とす効果ならあるのでしょうけどね。

 それは「指導」の成果ではないし、やる気は有っても暴力への抵抗力がない選手が一緒くたに排除されてしまいます。

投稿: kanata | 2013年2月13日 23:06

「なんで人を殴るのか」と問えば、「態度が悪いからだ」と答える。
相手が服従の態度を示さないところが、気に入らないのであろう。
当人は、やけっぱちになっている。

日本語には、階称 (言葉づかい) というものがある。
上と見るか、下と見るかの判断を迫る日本語を使えば、モノの上下に関する判断は常について回る。
この世俗的な上下感が日本人の判断を狂わせている。

下とみられたものは、上からの暴力に抗することもむずかしい。
序列差法の一環と考えられていて、無防備状態である。
上の者の声は、天から聞こえてくると感じられるからである。

「下におれ、下におれ」の掛け声は、昔から続いた為政者の要求である。
理屈はない。ただ、指導者の要求のみがある。
世俗の上下制度が唯一の頼りとなっている。
暴力は、「がんばって」の掛け声のようなものか。

序列に基づく精神力 (意気込み・気力) で、大東亜戦争に勝てるのか。
努力の空回りに気が付く時が来た。気力ではなく、知力 (intelligence) で負けた。
我々は、頭を鍛えなくてはならない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2013年2月14日 06:26

体罰の表面意識化について、
このことが過ぎると、今度は選手が、ただ自分の体に負荷がかかったことで、体罰と言わねかねないと思いました。ただコーチが選手のことを思ってしたことであっても。
それが今の怪物クン(←これはかわいい表現ですけど;モンスター)を生んでいるのかもと思いました。


投稿: BEKAO | 2013年2月14日 12:30

kanata さん:

>少なくとも、「根性のない奴」を振るい落とす効果ならあるのでしょうけどね。

根性のないやつは、体罰なんてしなくても練習の過程でふるい落とされるでしょうけどね。

>それは「指導」の成果ではないし、やる気は有っても暴力への抵抗力がない選手が一緒くたに排除されてしまいます。

これに関しては同感です。

投稿: tak | 2013年2月14日 18:31

noga さん:

この記事の主要なテーマは、これまで鉄拳制裁を日常的に行ってきた指導者が、どんな顔して態度を翻しているのだろうということで、指導者の態度変化を、選手たちはどうみるのだろうというのが、第二のテーマです。

これをよく (頭を使って)突き詰めると「世俗的な上下感」はかなり内容がまともになると期待しています。

投稿: tak | 2013年2月14日 18:38

BEKAO さん:

「体罰」をさえしなければ、「パワハラ」のエクスキューズになりかねないということなら、それはそれで問題ですね。

投稿: tak | 2013年2月14日 18:39

そういえば先日『戦艦大和ノ最期』(吉田満)を読んだのですが、これ自体は名作だと思いますけど、上官が部下を殴る殴る(笑) 海軍でもそうなんだなぁと。敵と戦う前にかなりダメージ受けちゃうんじゃないか。

投稿: 山辺響 | 2013年2月15日 11:19

山辺響 さん:

この映画、私も同様の感想を持ちました。

私の死んだ父は予科練のほぼ最後の世代で、かなり懐かしく思い出すことが多いようでしたが、上官の日常的な暴力については、話すのも嫌という感じでした。

投稿: tak | 2013年2月15日 20:18

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