季節感の微修正
この春は、桜の開花がめっちゃ早かった。今年の東京の開花宣言は 3月 16日で、2002年と並び、観測史上最も早かったのだそうである。今年はやたらと寒い冬を経過して、3月中旬から突然「もう夏か!」と思わせる陽気になってしまったので、あっという間に「休眠打破」ってやつが促進されてしまったんだろう。
東京の花見は週末の 23、24日が最高潮だったらしいが、北関東の桜はまだこれからである。今週になってから「プチ寒の戻り」になったので、一気に咲くというわけではなく、つくば周辺では今日あたりからようやく満開にさしかかった。週末(月末とも重なる)には盛りを過ぎてしまうだろうから、花見には都合がよろしくない。
桜というのは、ぱっと咲いてぱっと散る。それで「諸行無常」のシンボルみたいになっている。ところがこの春は、東京でぱっと咲いたものの、ちょと北にずれるとあまりぱっとは咲かなかった。桜としては、「あれ? 急に暖かくなったから急いで咲こうと思ったのに、また冷えて来ちゃったぞ」と、二の足を踏んだのだろう。
このせいで、北関東では桜の醍醐味がちょっと損なわれている。東京でぱっと咲いてしばらくしてから、当地ではぐずぐず咲き始め、そして 4月の声を聞く頃まで、ぐずぐず散るということになりそうなのだ。
人間の方の心理としても、「さてこそ、咲きたるぞ!」とばかりに、その場の勢いでどっと花見に繰り出し、そうこうしているうちに、うららかな春の日射しの元で壮絶なまでの桜吹雪となって一斉に散るという幻想的風景を期待しているのに、この春の北関東はどうもそんな感じじゃない。
地球温暖化がいわれ始めてから、季節感というのは微修正に微修正を重ねなければならなくなっているようなのだ。
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コメント
先週末お花見に行ってきました(ノンアル)
咲き誇っていて、とてもキレイでしたよ
ヽ(*´∀`)ノ
投稿: ひろゆき | 2013年3月26日 22:23
ひろゆき さん:
梅は割と単純に咲けば嬉しいという風情ですが、桜は複雑な花ですね。
咲けば楽しくて、しかしその楽しさの裏側に切なさがあって、その辺がなかなかのものです。
基本的に、日本人の死生観が重なってしまいますね。
投稿: tak | 2013年3月28日 01:59