"SMARTPHONE IS MEDIAS" って、一体何なんだ?
"MEDIAS" という名前のスマホがあるということは、前からちらっと見て知ってはいた。
"Media" という言葉は "Medium" という単語の複数形で、"data" が "datum" の複数形であるのと似ている。だから複数形にさらに "s" を付けて "MEDIAS" というのはおかしい。"Datas" と言ってしまうぐらいおかしい。しかし、そこはそれ、商品名でもあるし、「おかしいんだけど、まあ、お好きにどうぞ (決して買わないけど)」 と思っていた。
ところが今日、電車の吊り広告で見かけた "SMARTPHONE IS MEDIAS" というキャッチ・コピーには、正直たまげた。こうまで無茶苦茶だと、いくら何でも「お好きにどうぞ」とは言いにくいのである。
作る方は、単に雰囲気のモノで、アルファベットがそれらしく並んでさえいればいいと思っているのだろうが、それを受け取る方には、「意味のある文字列」として、「つい読んじゃう」者が少なくないんだということを、ちゃんとわきまえてもらいたいと思うのだ。
こういうヘンテコな文字列が堂々と吊り広告でぶら下げられてしまうと、「迷惑」というわけでは決してないが、「つい読んじゃった」者は「気持ち悪くなってしまう」のである。この商品、元々「決して買うまい」と心密かに思っていたけど、ここまできたら、「心密かに」では済まなくなって、こうしてブログに書いちゃったわけなのである。
スマートフォンをここまで 「スマートさのかけらも感じないキャッチ・コピー」で売ろうする会社って、一体どうなってるんだろう。仮に「製品はいいかも」と思っても、ネーミングとキャッチ・コピーが気恥ずかしすぎて、どうしても買えなくなっちゃう。
【同日追記】
試しに "SMARTPHONE IS MEDIAS" でググったら、いろいろなページがヒットした。Ascii.jp のページによると、このキャッチコピーの意味はこんなことなんだそうだ。(参照)
このキャッチコピーの意味するところは、「スマホと言ったらほとんどの人が iPhone、GALAXY、Xperia を思い浮かべるだろうが、 (中略)今後は、これぞスマートフォンと呼ばれるようなものを作るという意味が込められている」と解説した。
つまりこの記事の見出しにあるように、「スマホ=MEDIAS を目指す!」ってことを言いたいらしいんだけど、その願いが実現しないことの裏には、ネーミングからキャッチ・コピーまで、アルファベットを使ってはいるものの、思いっきりドメスティックな姿勢だからということもありそうな気がする。
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コメント
私も電車の中で見かけて、日本語にどう訳せばいいのだろうともやもやしてました。
「スマートフォンといえばメディアス」と日本語で書いた方が余程広告効果は高いと思いますけどね。
私の食い扶持に多少係わる企業の広告だけに、なんだかなぁ感は強いです。
投稿: ハマッコー | 2013年4月29日 20:42
ハマッコー さん:
本文の追記に書きましたが、このキャッチ・コピーの意味するところは、、「スマホ=MEDIAS を目指す!」 ということのようなのです。
これもまた、妙な表現で、ハマッコーさんのおっしゃるように、「スマートフォンといえばメディアス」 にしておけばよかったのに。
投稿: tak | 2013年4月29日 21:54
「うなぎ文」「こんにゃく文」に次ぐ「メディアス文」として確立する…かな?(いずれにしても日本語の中での話ですが)
投稿: emi | 2013年5月 1日 21:48
emi さん:
「メディアス文」!
確立させたいぐらいですね。
投稿: tak | 2013年5月 1日 23:34