「意志の力」 というのは、消耗品らしい
ちょっと古い話で恐縮だが、昨年 10月 10日付の Wired.jp に、「意志の力というものは、物語のコンセプトのようなものではなく、自動車のガソリンのようなものだ」という記事が載っている。(参照)
意志の力というのは、確固として備わったものではなく、使えば消耗するガソリンみたいなものだというのだ。ということは、この世に存在するのは「意志の強い人」ではなく、「意志の強い状態の人」ということのようなのである。
「意志が強い」と思われている人でも、ガソリン補給することなく意志の力を発揮し続けていると、ついには音を上げてしまうことになるみたいなのだ。フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスター氏は、これを「自我の消耗」と呼んでいる。
意志の力はグルコース(ブドウ糖)で補給されるという研究がある。これが正しいとすると、ダイエットを継続する意志の力は、危ういパラドックスの上に成り立っていることになる。バウマイスター氏と共同研究を進めるジョン・ティアニーによると、「食べないでいるためには意志の力が必要だが、意志の力を得るためには食べることが必要」なのだ
人間はこうした危ういパラドックスの上で、何とか意志の力をコントロールしなければならない。そのためには、以下のような 2つの方法論があると指摘されている。
まずは、意志力は有限な資源なので、無理に手を広げすぎてはならない。決心は、たくさんではなくてひとつにすべきだ。そして、たとえば1週間の禁煙などをやり遂げることができた場合は、おいしい夕食を楽しむなどして、意志力を一休みさせる。
もうひとつの戦術として、「自制心の外注」がある。ジムの仲間やトレーナーのような存在を見つけるのだ。
なるほど、生活全般で頑張りすぎるとろくな結果にならず、時には「自分へのご褒美」が必要になる。そして運動を継続するために、余計な金を使ってでもジムの会員になるというのは、あながち贅沢な無駄遣いというわけでもない。
どうやら「意志の強い人」というのは、「自分が意志力を発揮すべき分野をある程度限定して、その分野において意志の強い状態をコンスタントにキープできる人」ということのようなのだ。人間は自分自身に対しても、うまい具合に飴と鞭を使い分けなければいけないみたいなのである。
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コメント
「意志の力はブドウ糖によって補給される」
なるほど~、思い当たりやすな。ブドウ糖にもいろいろありやすが、やっぱり日本人にゃ、米の飯が一番なんじゃねぇすかね。
小さいころから(ご先祖のころから)食べてるものが、一番エネルギー変換効率がいい気がしやすね。あっしの感覚じゃ。飯をしっかり食ってると、体のキレがいい気がしやす。
飯をしっかり食って、確固たるモチベーションがありゃ、難しいこともできそうな気がしやす。
よっしゃ、明日は大盛どんぶり飯でげす!
投稿: 下衆兵衛でげす | 2013年4月24日 23:53
下衆兵衛でげす さん:
そば好きとしては、三食そばでもいいです (^o^)
とはいえ、やっぱり米の飯を食わないと、調子が狂うかもしれませんね。
外国に行って帰ってくると、成田空港からの帰り道にとりあえずそばを食いますが、帰宅して米の飯を食って、ようやく日本の人になったような気がします。
投稿: tak | 2013年4月25日 13:19