ネット選挙は、まだ 「全面解禁」 なんかじゃない
公職選挙法改正案が 12日の衆院で全会一致で可決され、参院に送付した。今月中に成立して、、夏の参院選では、インターネットを使った選挙がようやく解禁される見込みになった。全会一致で可決されるような当然の話が、どうしてこんなに長くかかったのか不思議だが、まあ、とりあえずはおめでたいことである。
私は 6年近く前から 「選挙に web を使わせろ」 というサブサイトを運営していて、その中で、選挙でのインターネット使用禁止にとどまらず、数々のあほらしい規制が日本の選挙をお馬鹿なものにしていることを指摘してきた。
このほどようやく、選挙に web を使えるようになるので、このサブサイトの使命はめでたく終わることになりそうだが、だからと言って手放しで喜んでばかりもいられない。そもそも、日本の選挙のお馬鹿さ加減は、公選法のお馬鹿さ加減にかなり規定されているからである。インターネット選挙の解禁ですべて解決というわけにはいかないのだ。
例えば、選挙期間中の選挙カーの「連呼」に関しては、多くの人が不愉快さを感じているが、公選法では移動中の選挙カーでは、連呼以外のことをしちゃいけないということになっている。
これまで何度も書いてきたことだが、 公選法 第141条の 3 の 「選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない」 という条文は、どうみても日本一お馬鹿な法律条文だと思う。これを考えたお役人の頭の中は、一体どうなっていたのだろうか。
日本の公選法は、「選挙運動は原則自由にしてもいいけど、これこれのことはしちゃいけないよ」という、普通の法律のコンセプトで書かれているのではなく、「そもそも、選挙運動はしちゃいけない」 という基本原則で成立しているのだ。その上で、「とはいえ、これこれのことだけは許してあげる」というコンセプトなのである。
だから、選挙運動で配る文書の枚数とか、いろいろくだらない規定がたくさんあって、素人にはチンプンカンプンみたいなところがある。そのため、当局の恣意的な可能になって、嫌な感じのところがたくさん出てくるのだ。
私としては、公職選挙法は、「改正」というのではなく、一度破棄してリセットし、改めて本当に民主的なコンセプトのものを作る必要があるとまで思っている。
今回の公選法改正に関しては、SNS やブログを含むウェブサイト上の選挙運動が全面解禁され、政党と候補者はメールによる投票呼びかけをすることも可能になった。しかし、一般有権者はメールでの投票呼びかけができない。一部のマスコミでは 「全面解禁」 と報じられているが、これではとてもその名に値しない。
というわけで、私のサブサイトはもう少し継続しなければならないようなのである。
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コメント
まだ WEB って扱いが難しいんでしょうね
(´・ω・`)
投稿: ひろゆき | 2013年4月14日 16:10
ひろゆき さん:
>まだ WEB って扱いが難しいんでしょうね
使わないから難しい (慣れない) んだと思いますよ。
それから、ネット選挙を解禁して、ちょっと問題が起きると 「ほら見たことか、だからネット選挙なんてダメなんだ」というヤツが必ず出てきます。これががうっとうしいです。
今どき、ネットを使わないことのデメリットの方がずっと大きいのに。
投稿: tak | 2013年4月14日 16:53